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『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』感想 平成ライダーを愛した全人類必見! 愛と正義の大傑作!

※本記事は本日公開された『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』に関して、重要なネタバレはできるだけ避けてお送りする感想記事です。しかし、間違いなく「何も情報を入れずに」観に行った方が良い作品なので、まだ観てない方は今すぐこのブログを閉じ、映画館へと足を運ぶことをお勧めします。それでも大丈夫という方のみご覧ください。

 

 

 

こんにちは、ログ(@exloyrog)です。

 

はい、というわけで観てきましたよ。映画『平成ジェネレーションズFOREVER』。あらゆる情報をシャットダウンし、朝イチで観に行きました。親子連れで賑わっておりました。

その感想を一言でいうと「感謝」。ただそれに尽きます。平成ライダーをこれまで愛してきて良かった。そう心から思える、真っ直ぐな映画でした。

 

 

 

www.movie-taisen.com

 

思えば、今年は例年に比べ、映画公開までの不安が大きいものでした。12月22日と例年より少し遅い公開時期、徹底的に情報が制限された予告編。試写会もありませんでしたし、Twitter LIVEで配信されたプレミアイベントも、特に発表される情報なし。「どんな映画なのか?」がほとんど掴めないのは、これまでのライダー映画の中でも特異な存在だったように思います。
 
というのも、ライダー映画って結構予告で話が分かっちゃうところがありまして。予告はガンガン打たれますし、出演キャストも申し分なく発表される。公開したら、すぐに翌日の日曜朝には重要なシーンでさえOPで放送する。確かに近年の『平ジェネ』シリーズや夏映画の打ち方はサプライズ多めな感じですけど、それでも公開前に十分すぎるほどに中身の雰囲気を知ることができる印象が強いです。
 
 
そのような毎年の「慣れ」があった分、徹底して情報が制限される今作には、期待よりも不安が勝っていたのが正直なところでした。いや、最初に出された予告編で、「ライダーが虚構の存在である」世界、すなわち私たちがいる世界(厳密には違うけど)で、戦兎やソウゴが葛藤し、乗り越えるような映画なんだろうな~とはわかってましたし、これまでライダーが挑んでこなかったような展開に期待はありましたけど。「本当に上手くできたのだろうか?」という不安が、制限された情報も相まって胸に残る日々でした。
 
 
そして、やたらとメディアに出演する白倉Pにも、「期待していいのかどうなのか」という気持ちに。白倉さんの「平成ライダーは今内向き志向になっているのでそれを打破したい」という考え方は流石だなと思うんですけど、この方の言葉ってどこまで信じていいものか......という気持ちになってしまいますし。春映画とか春映画とか春映画とか。
 
 
 
......などと、面倒くさいことをあーだこーだと考えながら迎えた公開初日。観終わった私は呆然としていました。「「ありがとう」、それしか言う言葉が見つからない」。ただただ感謝溢れる、素敵な映画でした。ここから感想です。核心には触れないように気をつけていますが、ネタバレ注意です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
仮面ライダーは虚構の存在なのか?」
 
これは今作の一番の問題であり、予告にあるように、ソウゴに突きつけられる大きな壁となります。
 
ゲストキャラクター・アタルにとって、仮面ライダーは虚構の存在。日曜朝に毎週放送されるカッコいい正義のヒーローではありますが、あくまで「テレビの向こうにいる存在」であり、現実にはいない存在です。私たちの世界でもそうですね。
 
この事実を突き付けられて落ち込むソウゴに対し、声をかけるのは戦兎でした。今作の戦兎は『ビルド』本編の戦兎。すなわち世界を融合させた後の戦兎です。彼は万丈と2人だけで新しい世界へと飛び、誰にも知られないまま世界を救いました。元いた「A世界」のことは彼らしか知らないし、「C世界」は彼らにとって故郷といえる世界ではないのです。
 
「虚構か現実かなんて関係ない」。世界を跨ぎ、虚構と現実が曖昧になった戦兎だからこそかけられる言葉にグッときました。「偽りのヒーロー」として生まれ、「正義のヒーロー」となった桐生戦兎がいるから、今作のテーマは太く、がっしりと根を張ることができたと思うのです。
 
 

仮面ライダービルド Blu-ray COLLECTION 4<完>

 

仮面ライダービルド Blu-ray COLLECTION 4<完>

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この言葉が発端となり、後々どんどん効いてくる「信じる限り、それは虚構じゃない」というメッセージ。これは次々とアタルの世界に現れる平成ライダーとして具現化します。子供から大人まで、自分の思うヒーローの名を叫ぶことによって、呼応するかのように次々と出現するライダー達。人々の目の前で活躍するライダー達の活躍には、スクリーンの前で見守る私たちも否応なしに盛り上がります。エグゼイド、ゴースト、ディケイド、W、オーズ、アギト、キバ、響鬼......続々と活躍するライダー達。そして現れるクウガ、電王。
 
「こんなにたくさんいたんだ......」
 
平成ライダー20年の歴史の重みに感慨深くなりました。『オールライダー対大ショッカー』では昭和&平成の全24人が並び立っていましたが、平成だけで、それに近い人数になるとは。1人1人の活躍っぷりに、色んな記憶が蘇り、胸が熱くなります。
 
 

劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー

 

 

また、人々がライダー達を応援する展開は、春映画1作目といえる『レッツゴー仮面ライダー』を彷彿とさせますね。思えば今作は、『レッツゴー仮面ライダー』がより骨太になったような作品だったように思います。

 

オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー

 

 

 

平成ライダーの歴史を根本から終わらせようと企む、スーパータイムジャッカー・ティードに対し、何度でも立ち上がる「虚構の存在」こと仮面ライダー達。彼らに対し「何故消えないんだ!」と苛立つ巨悪に、「信じる限り虚構じゃない!」と真っ向からストレートなメッセージをぶつけ、一斉にキックをお見舞いする。時間移動や、アタル達に関する複雑なストーリーがメインでしたが、それを締めるのがストレートパンチというのが気持ち良いです。
 
何故そうなったのか? という細かいツッコミどころも多々ありましたが、それをねじ伏せる熱量と、スタッフの真摯な向き合い方により、見事に娯楽作品として昇華。この清濁併せ持った感じがまさに「平成ライダー」というコンテンツであり、締め括るに相応しい作品だったと思います。
 
なおかつ、『ジオウ』における「レジェンドから逃げない」というスタンスも上手くクリアし、ファンサービスも欠かさない。本当に、「平成ライダー」というコンテンツを上手く「総括」した傑作だったなあと。春映画に裏切られたり、冬映画にドキドキしたりと20年で色んなことがありましたけど、白倉Pをはじめとしたスタッフの皆さんには感謝しかありません。圧倒的感謝。
 

 

仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER メドレー D.A. RE-BUILD MIX

仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER メドレー D.A. RE-BUILD MIX

  • provided courtesy of iTunes

 

 
 
「バカ野郎、お前を忘れるかよ」
 
最後に。ある人物が言ったこの言葉に全てが詰まってると思います。私たちの記憶に残り続ける限り、私たちが忘れない限り、仮面ライダーというヒーロー達は虚構の存在などではなく、確かに現実にいるのです。
 
見事に「平成ライダー」というコンテンツを真っ向から総括した映画『平成ジェネレーションズFOREVER』。平成ライダーをずっと愛してきたあなたも、好きになった作品はあるけど卒業しちゃったよというあなたも。間違いなく楽しめる、愛のある作品です。
 
 
First Impressionということで本日はこの辺りで。円盤発売辺りにまた語ることができたらいいなと思います。というか、語りたい!!! 観た方とDMだったりオフ会だったりで語りたいよ~!!! 
 
 
仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER オリジナル サウンドトラック

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