零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

仮面ライダージオウ EP19「ザ・クイズショック2040」/EP20「ファイナルアンサー?2040」感想

ジオウ、第19話と第20話は諸田監督による『仮面ライダークイズ』回。未来ライダー回はシノビ編に続く2人目ですが、今回はシノビ回と違って本人が登場し、ソウゴやゲイツと邂逅するというさながら『MOVIE大戦』でした。『特命戦隊ゴーバスターズ』で1年間レッドバスターを務めただけあって、鈴木勝大くんの演技力には安定感がありますし、シノビ以上に「実際にいた感」がありましたね。「救えよ世界、答えよ正解!」という決め台詞も、何年か前に1年かけて聞いてきたような錯覚を覚えます。

 

 

そしてクイズこと堂安主水が記憶を保ったまま元の時代に帰っていくという展開も見所。レジェンド回も含めて、ヒーローがヒーローのまま戻っていくというのは『ジオウ』においては初のことで、何気に重要な一幕でした。というかこれ、難しい......。本編では語られず、公式サイトでフォローが入りましたね。

 

 

仮面ライダークイズとアナザークイズが共存できたのは?】

仮面ライダークイズこと堂安主水が、「2040年の未来から連れて来られた」のが問題です。

2019年に来たクイズの力をオーラが吸収し、アナザークイズをつくりだしました。これまでなら、そこで歴史が変わり、主水はライダーではなかったことになるはず。
ところが、そうはなりません。
白ウォズが彼を現在に連れてきたのは、彼が仮面ライダークイズだったから。ライダーでなかったことになったら、白ウォズが連れてくる理由がないので連れてこなかったことになり、アナザークイズも誕生しなかったことになります。

まさにタイムパラドックス

だから、アナザークイズが誕生しようが、白ウォズがクイズウォッチを生成しようが、主水がライダーだった歴史が変わることはありません。
まして「記憶がなくなる」こともない。ゲイツは経験上そのことを案じてましたけど、こと今回にかぎっては杞憂だったわけです。

ということで、彼が未来から来た時間旅行者だったからこその現象なのでした。
時間モノって難しいですね……。

平成仮面ライダー20作品記念公式サイト | 東映

 

白ウォズのやり口が中々複雑なので、そのせいでややこしくなっている感がある『ジオウ』第2部です。前回のシノビ編での自分の解釈もちょっと間違ってまして......。

 

 

この行動が原因となって、シノビウォッチが2019年に生まれることになり、白ウォズさんが手にした......そういうことなんでしょうか。そのため「仮面ライダーシノビが生まれた2019年にアナザーシノビをシノビの力で倒せばよい」という条件が整い、アナザーライダーの存在は消滅する、と。解決法が結構厄介です。でもこれ、白ウォズさんはこれを行うことで何をしたいのかイマイチわかりません。ゲイツにただ力を渡したいわけでもなさそうですし*1あとこの場合、未来で「仮面ライダーシノビ」は生まれるのか......?

仮面ライダージオウ EP18「スゴイ!ジダイ!ミライ!2022」感想 - ヒーローズ・ログ

 

白ウォズが持っていたブランクウォッチがシノビに変化したのは、「仮面ライダーシノビ」が2019年に生まれたというわけではなく、蓮太郎自身にアナザーシノビになることを拒否させる→2022年にシノビが生まれる→2022年に白ウォズがシノビライドウォッチを蓮太郎から手に入れたことになる→2019年に持ってきたという流れを作ったから。うん、すげえややこしい。ちなみに、蓮太郎からウォッチを入手する可能性は、自身のタブレットを使って引き寄せたということでしょう。

 

スウォルツが過去の蓮太郎を狙った理由も、「仮面ライダーシノビ」の存在を、「仮面ライダーシノビ」が生まれる前に消すというロジカルな方法論をとるためだったと。要は『平成ジェネレーションズFOREVER』において、クウガを生まれる前に消そうとしたティードさんと近いことをやってたわけですね。こんなん絶対お子さんはわかんないでしょうと思いつつ、それをテレビでできちゃうのが「20作品記念作」の『ジオウ』なんだな~とその底力の強さを見せつけられた気がします。

 

導入が少し長くなってしまいましたが、父と子のドラマが多分に含まれ、『ジオウ』としても新たな展開に挑戦した『クイズ』編、沢山の見所を前後編まとめて振り返りたいと思います。

 

 

 

 

 

パッション!ファッション!クエスチョン!

まずは前回同様に「仮面ライダークイズ」のキャラクター造形から触れていきます。注目ポイントは、まさに平成ライダーらしさ溢れる奇抜なデザインと、タイムショック!な変身音声。「クイズ」がモチーフということで色々なアイディアが込められていました。スタッフの皆さんが楽しく膨らませていっている姿が容易に浮かびます。

 

3つの黄色い「?」がデカデカと刻印されたマスクはパッと見「何じゃこれ!?」と叫びたくなるビジュアル。でも、これだけでは一目でダサいと思わせないスマートさがあります。平成ライダーといえばインパクト。これだけでは終わらず、身体にでっかく◯と×の札を貼りつける荒業を行ってます。半身で赤と青を分けるデザインは、直近では『ビルド』、昔は『キカイダー』などが浮かびますが、こんな沢山の「?」が2色のカラーで彩られると目がチカチカしますね。

戦闘スタイルも面白くて、「◯か×か?」というシンプルな問いを行い、勝手に答えて攻撃を打ち込むというもの。放送前は大喜利でTLが盛り上がりましたけど、本家にここまで直球でやられると何も言えなくなりますね。直球で「クイズ」な技が次々と打ち込まれ戸惑うソウゴ、ゲイツに対し、フィニッシュは2択ライダーキック。お笑いの特番でよくある「◯」と「×」の扉ぶち破るやつだ......。間違ったら池ポチャのあれ。フフッと笑ってしまうキックですが、「だって『クイズ』なんだしやるよね~」と納得してしまうパワーがありました。もうカッコよく見えてきた。

 

続いて変身音声。女性が声を当てるとはなかなか珍しい。というか、沢城みゆきさんの「仮面ライダーキバーラ」くらいしかパッと出てこないくらいです。今回声を当てたのは吉田麻実さん。可愛らしく印象的な音声でしたね。ファイナルクイズフラッシュ!

 

 

ネックレスをチリ~ンと輝かせるとベルトが登場し、ライダーパスのようなものを差し込む。『ウィザード』やら『電王』やら色んな作品のオマージュがあって、変身シーンだけでも何度でも見れちゃいます。

 

 

正解だと信じる

全体的に奇抜な印象を受ける「クイズ」ですが、それだけでは終わらせないのが仮面ライダー。正解が決まっている「クイズ」がテーマだからこその、主水のスタンスがありました。

 

研究が大成せず、家族を捨てて死んでしまった自らの父は、母の事を愛していたのか? 白ウォズの策がベースにあったとはいえ、彼は父の真意を確かめるためにはるばる過去へとやってきました。それも、決して歴史を変えるためではなく「確かめるためだけ」でです。歴史を変えるという行為は、正解を捻じ曲げるということ。「クイズ」のルールに反してしまう。それでも母のために父の気持ちだけでも確かめたい、という主水のスタンスは、「クイズ」がテーマである「仮面ライダークイズ」ならではの解だし、ガッチリとハマっていました。

 

そして第20話でアナザークイズに勝利し、父に問いを投げかける主水。「どんなことがこれから先起こったとしても、人生で誰かを愛したとしたらそれは誰だ?」その答えが「母」だというならば、「正解だと信じる」主水にグッときましたね。「だと信じる」という主水の受け取り方が非常に人間味があって、わざとらしさがない。尚且つ『仮面ライダークイズ』の作品性も感じられる。このバランス感がドラマとして非常に良いなと思いました。

時計がモチーフである『ジオウ』で、時計を巡って人情ドラマが進んだのも良かったですね。その時計はおじさんの手では直すことができなかったけれど(=父の時間は進まなかったけれど)、その時計に込められた父の想いを胸に刻むことで、母や彼の時間は動き出す。その証として、父の問いを聞いた後、時計も動き出しました。父殺しという「仮面ライダー」のテーマを持ちつつ、殺すのではなく受け入れる。いやはや、シノビ同様に本編が見たくなりました。シノビのスピンオフやるならこっちもやってくれよ!

 

 

ジオウならどうする?

第16話で真正面からぶつかって以降、ソウゴのことを信じて動くようになったゲイツ。白ウォズの提示した救世主としての未来に惑わされつつも、自らの意思を持って行動し、突き進みました。

 

印象的だったのが、「ジオウならどうする?」というツクヨミへの問いかけ。『クイズ』編だからやったというのもあると思いますが、信頼がストレートに表れたのは彼にしては珍しく、面白いシーンでした。ソウゴの行動を先読みすることで、白ウォズの思惑通りに事が進んでいるように思わせ、自らの思うように事を進めるという。自らの意思で、というのはゲイツらしさがありますが、他人の意図を汲む点は前と比べて成長したなあと思うポイントでした。

結局白ウォズの思う通りにミライドウォッチは生成されましたけど、今後も彼の姿勢はちゃんと見せて進んでいってほしいですね。まあ早速白ウォズに未来見せられて惑わされてたけども......。ゲイツリバイブとは何なのか。本当に救世主なのか。まだまだ謎が多いです。

 

また、彼の意思のままに進んだ先が、主水を思いやることだったのもまた良い。歴史を変えることを否定した彼に突っかかりつつも、主水の意思を尊重して動いてくれた辺り、ゲイツにもちゃんと他人への思いやりがあるんだなと。思えば『ウィザード』編では問答無用でアナザーウィザードを倒そうとしていたので、ここにも成長が見られました。同じ諸田監督というのもあって、10話近く経て変化する姿に何だか感慨深くなります。

 

 

白ウォズ、またもやらかす

シノビ編もクイズ編も締めは白ウォズによるフィニッシュ。色々ソウゴ達が頑張っても、最終的にミライドウォッチをゲットされてしまうというのは何だか後味悪いですね。今回は主水が記憶を保ったまま帰ることができたので、そこまで印象悪くはなかったですけど。とはいえ、「お前が問題出すなや!」と言いたくなります。しかも出す問題も精神をえぐるものばっかりだし。主水と父のわだかまりは今少し解消されたばっかりなんだから、その矢先に「お前の人生クソやで」というクイズを出すのは流石にまずいかと。空気読んでください白ウォズさん。

 

ここ2話で白ウォズが撃破したのは、ジオウWアーマーとアナザークイズ。この辺りもちょっぴり残念というか、特にWアーマーのかませ感が気になって......。冬映画と『ジオウ』本編の世界はまた別だと思うので、ソウゴがWウォッチを所持していること自体もちょっと問題だと思いますけど、その上で敗北を喫するとは。Wファンとしては残念に思っちゃいます。この先登場シーンなかったり、W編があれで終わりなら泣くよ? 

 

アナザークイズを撃破した白ウォズのフューチャーリングクイズですが、「◯」「×」表示で落雷があったり、「?」で囲んで圧迫したりと、原典を守っているようで守ってない技を連発してました。特に落雷、シノビの技でもいいじゃんってなりますし、もう少し工夫があっても良かったと思いますね。もしゲイツリバイブが使うことがあるなら、主水の気持ちを考えて主水らしい技を打ち込んでほしいです。ゲイツが「◯か×か?」って言うのはちょっと笑いそうですけども。

 

仮面ライダージオウ DXクイズミライドウォッチ

 

仮面ライダージオウ DXクイズミライドウォッチ

仮面ライダージオウ DXクイズミライドウォッチ

 

 

 

以上、第19話、第20話でした。白ウォズのせいで事態が混沌としてきたところですが、今度は最近めっきり口数の少ない黒ウォズのターンが始まるようです。そのおもちゃらしきものが今日発表されました。

 

www.b-boys.jp

 

ジオウⅡ、何てシンプルなネーミングなんだ......。最初見た時、仮案のまま間違えて出しちゃったのかと思いました。

 

本編の予告にもまだ登場していないのに、もう明日発売。商品展開が早いです。この感じだと第22話には登場しそうですけど、てことは龍騎アーマーは無しなのかな。

 

まあこの新フォームは置いといて。次回ですよ。我が世代ライダー、『仮面ライダー龍騎』から城戸真司と大久保編集長が、17年の時を経て復活......!!!

 

 

予告で既に高まっております。ミラーワールド、OREジャーナル、リュウガ。かつて異常な熱を持って盛り上がったライダー独特のワードの数々に期待が止まりません。戦いが終わり、色々な犠牲を持って閉じられたミラーワールドがどのように復活するのか。蓮や他のライダー、またミラーワールドってことは神崎は登場するのか。色々想像は尽きませんが、とりあえず明後日を待ちたいです。

 

 

気になって神崎士郎役の菊池謙三郎さんのWikiを読んでみたらだいぶ前に引退されていた......。優衣ちゃんならギリあるかなあ。

 

ja.wikipedia.org

 

 

 

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