零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

久方ぶりに『僕の見ている風景』を聴いたら嵐ファンだった小・中学時代の自分が昇天した

先日卒業旅行にレンタカーに乗って行ってきたんですけど、車内で嵐をかけたら全員がどの曲でも盛り上がれて、「嵐ってやっぱり国民的アイドルだな......」って強く実感しました。いやたまたま同行した5人が全員嵐好きだっただけかもしんないけど。でも「嵐オタ」といえるほどの熱狂的な猛者はいなかったし、だいたい皆そんなに沢山音楽聴くような人じゃないので、やっぱり「国民的アイドル」故なんだろうな~と思っちゃうわけです。

 

 

私の同世代が年齢的に嵐を沢山聴いていたのは、曲で言えば「サクラ咲け」~「迷宮ラブソング」辺りまで。この間6年間なので大分長いんですけど、この時期って私たちの年齢で言えば小学校中学年~中学校高学年に相当するんですよ。クラスの大半が「テレビドラマ」なるものに興味を持ち、話題が芸能界一色になるような年頃。や、勿論全員がそうなるとは毛頭思っていませんし、自分も全然染まっていませんでしたけども。でもそういう話題が日々出るようになる時期って大体このくらいの時期ですよね。

 

「全然染まっていない」と書いただけあって、小学校高学年の頃の私は「嵐」なるものを全く知らなかったし、テレビも全然見ていませんでしたので、話に全くついていけませんでした。多分幼稚園の頃からずっと変わらずニチアサ一色だったんだろうな。あとポケモンばっかりやってたのかな。デュエマもかな......? 書きながらポツポツと思い出してきました。ニチアサと、コロコロコミックに載っているようなカルチャーで脳が埋め尽くされた私は、キラキラした芸能界の世界なぞ全く興味を持っていなかったのです。親はそんな私を特に諫めるようなことをしなかったので(というか俗っぽいものがあまり好きじゃない親なんです。テレビもNHKしか入れてくれない)、そのまま私は成長していきました。

 

転機は小学6年生の時に出る事になった連合音楽会という行事。市内の小学生が一堂に会し、各学校が自由な楽曲を用いて合唱し、その実力や団結力で競うというイベントでした。ポイントは「自由な楽曲を用いて良い」という点。合唱部が出場するようなガチなものなら大抵課題曲が決まっていると思うんですけど、あくまで「生徒が楽しんで歌う」ことが第一な学校行事だったため、何でもありでした。いや、もしかしたら本気で優勝を狙ってた学校もあったと思うけど。ウチは緩かったのかなあ。

 

余談ですがウチの音楽の先生は、合唱部を毎年金賞に導くような実力派の先生でした。授業の始めには当番の子が「は~じめます~」とピアノに合わせて歌い、それに倣って皆が「は~じめます~」と綺麗に返すような奇天烈なことをやってたし、その後に「ハッハッハッハッ」と裏声を出しながら100回飛ぶという訳の分からない体操を毎回やらされました。発声練習として効果的らしく、それをしっかり授業に盛り込むことを実践しているという意味では凄い先生だったと思うんですけど、当時はめっちゃ怖かったです。何やらされてんだっていう。まあ、次第にそれがクセになってくんですけど(調教済みじゃねえか!)

 

極め付けは「◯年◯組紅白歌合戦」とかいう、年末の授業で行う恒例行事。男子、女子がそれぞれ4人~6人で1組のグループを作り、紅組白組が4組ずつになって、それぞれ歌を歌い、先生が点数をつけ最後に発表をするという紅白歌合戦のモノマネのような授業です。まあ楽しいイベントだとは思うんですけど、これ、皆の前で歌うんだぜ......? カラオケより地獄すぎる......。特に私は地味な部類だったので当然組むのは地味な男子達。日陰もの同士で「共に死のうぜ......」と親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいきました。しかしそのくせチームメンバーが決めた楽曲がNEWSの「Weeeek」。明日っからまた日月火じゃねえんだよ。この歌を歌い切った俺達に明日なんてねえんだよ。この時の観客席の淀んだ目は今でも忘れられません。陰キャがジャニーズを公衆の面前で歌うべきではないということが証明された瞬間でした。そして曲を選んだお前はラップを噛むなコラ。

 

weeeek

weeeek

  • provided courtesy of iTunes

 原曲がGReeeeNってことはしばらく知らなかった

 

 

とはいえ、ポケモンとニチアサとコロコロコミックに脳を焼き尽くされていた私は、この曲が「NEWS」なるグループが歌っているとは知りませんでしたし、興味も持ちませんでした。「ジャニーズで陽キャが歌う曲」としか認識していたかったので嫌悪感しかなかったもので。

 

 

だいぶ話がそれました。そんな先生の割にはガチで金賞!という狙いを連合音楽会で出してきませんでした。いや、書いてて思ったけど、紅白歌合戦的なイベントを開くように、生徒に音楽の楽しさを知ってほしい系の先生だったからこそなのかもしれません。実際賞を取りたいなら合唱クラブだけで事足りてたようですし(金賞めっちゃ取ってた記憶)。で、そんな先生が提示した条件に対し、学年の総意で決まった楽曲は、嵐の「風の向こうへ」。

 

 

 

......は?ジャニーズじゃねえか。

 

 

やっぱり陽キャの支配からは抗えないようです。南無。

 

まあ紅白歌合戦と違って学年全体でやるような合唱なので、普通に歌っていればいいだろうと思ってました。そしたら、音楽の先生、私に話しかけてきたんです*1

 

 

 

 

先生「ログくん。今度の連合音楽会でギター弾いてくれない?」

 

 

は?

 

 

うん、まあ一応私は当時クラシックギター教室にダラダラと通っていたので、「ギター経験者」ではありました。でもクラシックギターとアコギって全然違うし、弾いたことないし、コード押さえんのむっずかしいし、あと全校生徒どころか市内全校の前で弾くのなんてやだs

 

 

「やります!」

 

 

 

ログ少年は快諾した。何故なら馬鹿だったからである。当時の私はJ-Popさえもまともに聴いてこなかったし、ギターが何たるかということは全然知らなかったのだ。クラシックギターでも伴奏できるやろ、という謎の自信があったのだ。今思えば、何故引き語り親父の父は「そのギターじゃ伴奏にならないよ。アコギやってみなさい」と言ってくれなかったのか。何故クラシックギターでコードを教えてきたのか。恨んでも恨み切れない。ナイロン弦で指がボロボロになるまで、コードを押さえるのを頑張ったのだ。必死で弾き続けたんだ。その努力は認めよう。しかし、当日のホールでマイクに向けて鳴らした音は、虚しく響いただけだった。ポロロンとギリギリで鳴るナイロン弦の寂しいイントロ。当然押さえきれず、ミュートされた弦もあったので、なお無残であった。ラップパートを笑顔で歌う陽キャ達を前に、少年は弾くことを止めた......。

 

 

 

 

 

 

 

まあそんな悲しい黒歴史は置いといて(じゃあ書くな)

 

当時練習のために買ってもらったシングル、「truth/風の向こうへ」。私が嵐ファンになっていくキッカケとなったCDです。元々「風の向こうへ」の練習のために買ったけど、A面の「truth」がカッコ良すぎて「何じゃこれ!?」と強い衝撃を受けた記憶があります。

 

truth/風の向こうへ

truth/風の向こうへ

 

このジャケットはぼんやりと、でもずっと記憶に残ってる(てか今も持ってる)

 

 

そこから、嵐のシングル曲は必ずチェックしたし、ドラマも嵐が出ているものならと見始めました。特に印象深いのは、日テレ土ドラの「ザ・クイズショウ」。櫻井翔くん演じる記憶喪失の男が「ザ・クイズショウ」の司会者として立ち、賞金を狙って番組に出演したゲストを次々に追い詰めていく、という感じのドラマです。関ジャニ∞の横山くん扮するテレビディレクターが彼の記憶の鍵を握り、ゲストを追いつめていく内に次第に男の記憶が蘇り、やがて2人の裏にある因縁の事件に辿り着くというサスペンスドラマは、当時の私には新鮮で、毎週のように楽しみにしていました。色気のあるイケメン同士がぶつかり合う物語に、男ながらときめき、引き込まれたなあと。そして何と言っても、エンドロールで流れる「明日の記憶」が名曲すぎました。

 

 

ザ・クイズショウ 2009 DVD-BOX

ザ・クイズショウ 2009 DVD-BOX

 

ドリィィィィィィィィィム、チャァァァンス!(ズンダカダカダカズンダンズンダン) 

ザ・クイズショウ DVD-BOX

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その後元ネタの深夜ドラマ版みたら主役が片桐仁だったので世知辛いなって思うなど。ギリジンの演技も凄い好きなんだけどね

 

 

ちなみに2009年はドラマにどっぷりハマっていて結構見てました。「華麗なるスパイ」「サムライ・ハイスクール」「名探偵の掟」「アンタッチャブル」「恋して悪魔」辺り見てた人と語りたいです。てか「恋して悪魔」にもクール系で横山くん出てたよな。闇濃い役似合うね彼。(あと桜庭ななみちゃん可愛すぎて死んでた)

 

 

恋して悪魔~ヴァンパイア★ボーイ~ DVD-BOX

恋して悪魔~ヴァンパイア★ボーイ~ DVD-BOX

 

中山優馬を認識したのもこのドラマ。改めて調べたらマッチやら森本くんやら中島くんやら結構ジャニーズズブズブでビックリ

 

 

「Believe」「Everything」「マイガール」「Troublemaker」「Monster」「To be free」とA面を挙げるだけでも素晴らしい楽曲だらけ。どれも空で歌えます。めちゃくちゃ聴いてたんだなあと。多分この辺りで中学生になり、お小遣いもそれなりに良くなったということで、自分で初めてCDを買いました。そのCDが嵐のベストアルバム「All the BEST! 1999-2009」。CD2枚組で、5×10とかいう泣ける新曲も入った宝物のようなアルバムでした。今は残念ながら持っていないけど、当時はずうっと自宅でかけてたと思います。

 

All the BEST! 1999-2009(通常盤)(CD2枚組)

All the BEST! 1999-2009(通常盤)(CD2枚組)

 

そうそうこのジャケットよ。懐かし。 5×10にシークレットトラックがついてるのに最初気付かなかった

 

 

で、ようやくタイトルに戻ってきました。丁度先ほど挙げた「Believe」より先の楽曲が収録されたアルバムが、「僕の見ている風景」というオリジナルアルバムです。

 

www.j-storm.co.jp

 

 

収録曲は公式サイトを見ていただければと思うのですが、「Troublemaker」~「Monster」までのシングル曲だけでなく、オリジナル曲が多数収録された2枚組の豪華版。中でも私を惹き付けたのは、5人それぞれのソロ曲があるという点でした。何それ、アイドルってグループ在籍時でもソロ曲出すのもありなんや!と学んだ時。

 

松潤がただただイケメンな「Come back to me」、相葉くん下手くそかよ!とちょっと笑ってしまう「Magical Song(相葉くんオタいたらごめんね。イツァマジカルソン!)、聴けば聴くほど切なくなる大野くんの「静かな夜に」、ドリカムっぽくて楽しくなっちゃうニノの「1992*4##111」(読み方は「とくべつ」。auガラケーで打つと「ありがとう」になるらしい。時代~!!!)。どれも個性が合ってますます好きになりました。

 

しかし、私が最も気に入ったのはこの4人の曲ではなく......。そう、SYO SAKURAIである。ジャニーズなので音源が貼り付けできないのが残念ですが、「T.A.B.O.O」っていう曲があまりにもカッコ良すぎて、初めて聴いた時脳が溶けてしまうかと思いました。櫻井翔といえば!なラップ詞をエンターテイナーらしく軽々乗りこなす翔くんにベタ惚れです。

 

何が好きって、詞がひたすらエロいんですよ。「間近に感じるフレグランス/君と科すRuleless」「今鎖解き施す罠/君と犯すPerfect Crime」「唇で溶かす媚薬Heavenly/Maybe果てまで」とAメロ、Bメロの時点でただただエロス。聴いてるこっちも非合法な世界に手を染めちゃったような気になってしまいます。翔くんの甘い声で「君もこっちに来ない?」とアブナイ世界に誘い込まれたような錯覚。アンモラルな空気に蕩けたところで、剛速球をぶつけてくるようなスピード感あるサビ、そして2番の息も吐かせぬラップ。「はちの、すのお、くの、みぃつ!?」ってとこに辿り着くまで、ジェットコースターのように駆け抜けます。その快感が絶頂級。中学生なのに、こんな曲聴いちゃっていいの? と、何か大人の階段を上った(登らされてしまった)背徳感でいっぱいになる「TABOO」な曲に、当時の私は堕ちてしまったのでした。

 

 

最後の約束 [DVD]

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その他にも色々素敵な曲で溢れているんですが、特に「空高く」が好き。嵐全員が出演したスペシャルドラマ「最後の約束」の主題歌です。うっすらとオチだけ記憶してるくらいなんですけど、ちょうど嵐ファン絶頂期だった自分にとって、このドラマほど楽しみにしてたものはなかった記憶があります。1人1人それぞれ主役を張ってきたというのに、それら全員が一つの作品に集うなんて。皆楽しそうに演技やってるな~ってニコニコしながら見てたなあ。チャンスがあったらまたしっかりと見てみたいです。曲も青春感たっぷりでほっこりするし大好き。

 

 

 

僕の見ている風景【通常盤】

僕の見ている風景【通常盤】

僕の見ている風景【通常盤】

 

 

この先、「Popcorn」はざっくりとしか聞かずに嵐ファンを辞めてしまった訳ですが、やはり一度虜になった人やグループの記憶って頭や身体中に染みついてて、簡単には消えないんですね。今回の旅先でたまたまかけてみたら、中学時代に熱狂していた記憶がぶあっと蘇ってきましたし、歌も詞も簡単に身体から出てきました。やっぱり好きだったんだなあ。今どうしてるのかなあ。

 

先日嵐が活動休止!と一報が出た時は驚きながらも「まあいつかは終わるよなあ」としか思っていなかったけど、今日改めて、彼らが今日までどのように歌い、音楽を奏でてきたのかをちゃんと見て、聴いてみたくなりました。 そんな冬の1日。

 

 

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【追記】

マシュマロでコメントを頂いたので返信とともに掲載させていただきます。

 

 

 

 

 

*1:途中の話を省いたから伝わりづらいけど、私は地味に音楽の成績が良かったので(主にリコーダー)、先生とは何かと仲が良かった。それはそれとして紅白やハッハッハッハッは辛かった