零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

仮面ライダージオウ EP23「キカイだー!2121」/EP24「ベスト・フレンド2121」感想

ジオウ第23話、第24話は『仮面ライダーキカイ』編。なんと2121年という遠い未来からやってきた仮面ライダーが「レジェンドライダー」として駆けつけて(?)くれました。

 

2100年代といえば、有名どころはドラえもんの誕生ですね。2112年9月3日が彼の誕生日で、その10年後である2122年8月30日に耳がネズミロボットに齧られるという悲劇に見舞われた、というドラえもんの設定がありますけど、その悲劇の1年前に人類はヒューマノイズなる機械生命体に支配されていたとか。こうやって書いてみると、何気にセワシくんの生きていた時代とマッチした世界観な気がします。そんな世界で戦ったヒーロー・真紀那レントはソウゴに何を教えてくれるのか。それとも...?

 

 

 

 

デカイ!ハカイ!ゴーカイ!

未来ライダーシリーズ第3弾、かつおそらく最終弾として登場したのは、機械のボディを纏った仮面ライダーキカイでした。レントの恰好、変身後のビジュアル、設定や世界観などなど、100年後の世界の割にどこか昭和の香りがします。その香りをより引き立てたのが、レント役に抜擢された入江甚儀氏。あれどこかで見たような......?

 

キカイダー REBOOT

キカイダー REBOOT

 

 

そう、あの『人造人間キカイダー』のリメイク版『キカイダーREBOOT』にて、主役のジローを演じていました。初代仮面ライダーとほぼ同時期に戦った人造人間が、約50年の時を経てREBOOTし、仮面ライダーに転生したような感覚です。ビジュアルは流石に寄せてないにせよ(ゴルドドライブに似てるよね)、人造人間要素はたっぷり。ザミーゴの化けの皮説もあるけど

 

赤と青のキカイダー

赤と青のキカイダー

 

 →鎧武で既に「共演」はしていたけどね

 

そんなレントが生きていた2121年の世界は、ヒューマノイズなる機会生命体に支配されていた世紀末な雰囲気。人間の皮を被った機械生命体は「お前、機械か? それとも人間か?」と尋ね歩き、人間だったら滅ぼすという残虐な行為を実行し続け、いよいよ人間達を追い詰めるまでに至っていました。ライダーシリーズの世界観の中でもかなり恐ろしい部類。人間側が追い詰められている感じは『パラダイス・ロスト』のようですね。

 

natalie.mu

 

追い詰められた中で、人類側の唯一の希望となったのが「仮面ライダーキカイ」。ヒューマノイズでありながら人の心を持ち、子ども達に味方する戦士です。全体的に物腰が柔らかく、優しいお兄さんなレントの姿には、たったの2話ですけど心奪われましたね。人工衛星を通した「充電」を子どもたちの前でにこやかに披露する感じとか、人間味があって愛くるしいです。

 

キカイの技として披露されたのが、電撃回し蹴りキックの「キカイデハカイダー」、腕に氷を纏い敵を破壊する「アルティメタルフィニッシュ」、足先に氷柱を作り敵を貫くキックの「フルメタル・ジ・エンド」の3種。この技の類似点がアナザーキカイを見抜く糸口になったんですけど(後述の通りこれは「逆」でしたが)、いずれも随所に「キカイダー」のリスペクトが感じられて面白かったです。

 

「BEST FRIEND BFF」、ザックリ訳をすれば「俺達、ズッ友だよ!」ですけど、そんな優しい言葉を子どもたちやソウゴにかける所にも、主役としての魅力を非常に感じました。シノビ、クイズに続いて、良い塩梅で「ありそうなライダー」を見せてくれたなと思います。

 

news.mynavi.jp

→にしてもおもちゃが欲しい。

 

余談ですが、敵のヒューマノイズが全員人間体だったの、2121年の△さんの予算不足を感じて世知辛かったなあ() JAEの皆さんが活き活きしてたのは嬉しかったですけど!

 

 

偽りの共同作戦

キカイだけでなく、ジオウのキャラクター達の相関図が大きく変動したのも興味深い回でした。特にオーラちゃんに関しては、第24話予告で「かりそめの共同作戦!」ってテロップ出たの、今となっては「嘘つけ!!!!!」と声を大にして否定したいです。アマリニモヒドイ

 

まずはタイムジャッカー側について。何よりもウール君が不憫でなりませんでした。第23話冒頭で「あのアナザーライダーは誰が用意した?」と3人揃って疑問視していると思ったら、その疑問はさておき、スウォルツさんに利用されてしまうウール君。アナザーキカイから生まれた気持ち悪い触手みたいな生物を顔にくっつけられ、アナザーキカイに仕立てあげられました。「ウール逃げろ!」で嫌な予感がしましたけど、あまりに同志への情が無さすぎるぜスウォルツさん。

 

そんなウール君を可哀想に思ったのか、白ウォズに協力を要請したオーラちゃん。この2人の絡みは何気に新鮮な絵面でしたね。オーラちゃんを手玉に取る白ウォズの話し口が実に小気味よく響きます。オーラちゃんの時止めを利用して、アナザーキカイにpassを打ち込み停止させる! そして3大ライダーで撃破する! という「かりそめの共同作戦」でした。

 

...というのは大ウソ。この女、風都の女ばりに悪い笑顔で、ウール君を傀儡にしようとウォッチを埋め込んだのです。この展開は久々にゾクッとしたし、予想外でしたね。どアップで酷い言葉を吐くオーラちゃんの笑顔と、苦しむウール君がトラウマ級。おじさんに「どっちでもいいわ」と言ったクジゴジ堂での絡みは何やったんや...酷え...ウールくん早く転職しよ......。

 

そんな偽りの共同作戦中にぶつかったのがゲイツツクヨミの2人。先週までとは一転、ジオウⅡの恐ろしさに慄いたツクヨミは「ジオウを倒す」と決意を固め、ゲイツを白ウォズ側に誘導するムーブを行いました。初期と立場が真逆になるこの構図は平成ライダーらしくて面白い展開です。以前まで「馴れ合わない!」と言っていたゲイツくんはラベンダーの香りでソウゴを眠らせようというギャグムーブをかます体たらくだけども。とはいえ、その距離感が生まれたのはソウゴの力を信頼しているからなので、22話分かけて生まれた2人の奇妙な距離感は良いなあと思います(それはそれとして距離近いけど(笑)ゲイツくんでギャグをやる方向性は山口監督のテイストなのかな?)

 

とはいえ、ゲイツリバイブのこともあるし、ソウゴにくっつきすぎても良くないのがゲイツのポジションの難しい所。眠らせてソウゴにヒントを与えるという作戦は、ソウゴの能力を知るキッカケにもなりました。第23話のラスト以上に孤立を深め、友を失ったソウゴは今後どうするのか。おじさんの「友達が少ないから、君たちが来てくれて良かった」という言葉が、鋭く刺さります。

 

 

予知夢ではなく、創造

さて、ようやくですが本題に触れていきましょう。第23話、第24話で肝になったのは、キカイでもアナザーキカイでも無く、ソウゴ自身の能力でした。第23話冒頭からソウゴがずっと見てきた「仮面ライダーキカイ」の夢は、「予知夢」ではなく、ソウゴの「創造」だったのです。すなわち、ソウゴは未来を見ていたのではなくて、ソウゴが見た夢が未来になったということ。前提が逆だったのです。ツクヨミが彼を恐れ、離反した理由がダイレクトに伝わってくる真実でした。

 

この真実を基にすると、全ての物事がひっくり返ることになります。「キカイ」の予知夢からアナザーキカイ打倒の糸口を掴み、アナザーキカイを撃破したという出来事が第23話、第24話でしたが、そもそもキカイもアナザーキカイも存在しておらず、ソウゴが夢で見て創り出した(無意識に創ってしまった)ものだったのです。だからキカイの技とアナザーキカイの技は一挙一動が全く同じだったし、パスワードも「Will Be The ◯◯」だった。この「◯◯」の部分が「BFF」じゃなく「KING」だった点で能力の不完全さは見受けられますが、それでも夢が現実になってしまうというのは恐ろしい力だと感じました。

 

そしてそうなってくると、ソウゴの能力がこれまでにも適用された場面があったのではないか...? と考えられますね。全ての始まりである幼き日の予知夢も「ソウゴが見たから現実になった」となりそうですし、第17話における「仮面ライダーシノビ」の夢も該当するように思います。後者に関しては、「シノビ」出現で白ウォズの未来に分岐、というのもソウゴの創造が元になっているとしたら、「オーマの日」やら「ゲイツリバイブの未来」やらが全て「ソウゴのせい」で起こったことになりますね。自分の能力で自分の首を絞めてしまっているやつ。

 

あと気になるのは黒ウォズについて。彼はもしかしたらソウゴのこの能力を知っていたのではないでしょうか。彼を導くことで未来の創造をさせ、オーマジオウの未来に繋げようとしている、というのが彼の真の目的だったりして。どうも、ウォッチを集めさせるだけに思えないのです。ソウゴ自身にあえてそのことを話さず、孤立を誘導することも作戦のうちなのかもしれません。そう考えると白ウォズよりも末恐ろしいことをやってのけてる奴だなあ。

 

などなど色々と妄想が膨らみますが、主人公に「未来創造」というチート級の能力が発覚したという事実は、『ジオウ』の物語を大きく動かす要素に他なりません。今のところ悪い方向に転ぶようにしか思えませんが、もしソウゴ自身が能力を使いこなせるなら、その逆もあり得ます。下山さんがどういう方向に物語を動かしていくのか、より目が離せなくなってきました。

 

それにしても、一度「作戦が失敗しツクヨミが死ぬ」未来を見せてゲイツの選択肢をひとつに絞る我が魔王のムーブが恐ろしい。未来創造だけでなく、ジオウⅡになってから彼が見せる冷酷な面が輪をかけて怖いです。これには流石のゲイツくんもビビリ...。ゲイツリバイブを前にして、ゲイツくんの決断がより一層重要になってきますね。

 

 

仮面ライダージオウ DXキカイミライドウォッチ

 

 

以上、ジオウキカイ編の感想でした。今回も2話セットになっちゃいましたね。次回からは何とかして元のペースに戻したいところ。

 

次回は何とアナザージオウが登場。またまた予想外な展開です。このお話の後編に登場するのはやはりゲイツリバイブなんでしょうかね。タイムジャッカー、ゲイツサイド、ソウゴのそれぞれがこの事態にどう動くのかが見所です。

 

特にソウゴの動きには注目したいところ。ツクヨミゲイツは気がつきましたが、ソウゴ自身は「創造」の能力に気がついていないように見られます。自身の恐ろしさに気がついた時、どんな反応をするでしょうかね。もしかしたら彼に気付かせるのは、「創造」に対して「破壊」を得意とするアイツかもしれません。アイツ、いつ再登場するんだろう。そしてアイツのライバル(?)はやってくるのか......? 色々と期待して待ってます。

 

 

仮面ライダージオウ DXジオウライドウォッチ?

仮面ライダージオウ DXジオウライドウォッチ?

 

 

仮面ライダージオウ 字換銃剣DXジカンギレード

仮面ライダージオウ 字換銃剣DXジカンギレード

 

 

 

 

【ブログへの感想、ご意見お待ちしています】

マシュマロ、もしくはコメント欄、Twitterまで!

 

marshmallow-qa.com