零れ落ちる前に。

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仮面ライダージオウ EP25「アナザージオウ 2019」/EP26「ゲイツリバイブ!2019」感想

お恥ずかしい事に気付けばまた土曜日。またまた2週分まとめたジオウ感想でお送りいたします。ナンテコッタ。

 

第25話、第26話はアナザージオウ・ゲイツリバイブの誕生や、ソウゴの過去が明らかになる重大イベントがあったりと、事態が大きく進む超重要回。いつものように前後編で解決することもなく、そのまま第27話へと続いていく回でした。ソウゴの暗い過去や、その過去に潜むツクヨミ・スウォルツ・そしてあの男の存在。その一端を見たゲイツの悲しい覚悟。「仮面ライダージオウ」という作品は、「主人公が未来の魔王」という設定を聞いた時から重くなるものだと分かっていましたが、ここまで因果が悲しい方向に収束していくことになるとは想像していませんでした。この2話で動いた物語が、どのように「オーマの日」へと繋がっていくというのか。

 

そんな「オーマの日」前日譚となる第25話・第26話をまずは振り返っていきましょう。

 

 

 

 

ソウゴの魔性

常盤ソウゴというどこか掴み所の無い不思議なキャラクターは、第1章が締め括られる第16話までの間にだいぶ輪郭が明らかにされました。「行ける気がする!」という根拠の無い堂々とした振る舞いによって、周囲の人間を巻き込み、成功に導くという「王」の器を秘めたキャラクター性。時には暗い面を感じることがありましたが、全体としてはヒーローらしい明るく印象の良い性格を持っているなあ、と第1章を見ている時は感じていました。

 

そしてその暗い面が一気に広がったのが、未来ライダー登場以降の第2章だと思っています。リュウガ編においてミラーワールドに映った自分の闇の部分を受け入れ、ジオウⅡに覚醒。その力でゲイツの死を俯瞰し、時間逆行による解決という荒業を見せつけ、まずツクヨミを恐れさせました。その次のキカイ編では、無自覚ながらも「未来創造能力」という恐るべき力を視聴者や周りの登場人物へ気付かせる。着々と、我が魔王の魔王たる所以が明らかにされていったわけです。

 

では、何故ソウゴは現在の「常盤ソウゴ」になったのか。その一端が明らかにされたのが今回でした。アナザージオウとして立ち塞がる男・加古川飛流。ソウゴを知っているというその男の正体は、かつてソウゴが親を失ったバス事故で同乗していた少年でした。飛流曰く、「ソウゴ!」と叫び銃口を向ける白い服の女が事故の原因を作った。だからお前のせいだと。

 

飛流のことはともかく、現在のソウゴを作ったのはこの暗い事故が理由の一つであるようです。苺狩りツアーに行くはずだったのに、この事故によって両親を失ってしまったソウゴ。キカイ編で明かされたように、ただでさえ友達が少なかったソウゴは、両親と作る思い出を楽しみにしていたに違いありません。そんな楽しい旅行の先に待っていたのは、残酷な結末。幼い少年が傷つかないはずがない。

 

「私は君にそういう魔性の部分を求めているんだ」。黒ウォズが放ったこの言葉がいまのソウゴを的確に表現していると思います。友達がおらず、両親も失い、周りから少し冷たい目で見られながら育った常盤ソウゴ。「未来の魔王を倒す」という目的でやってきた同世代の未来人たちと対立しながらも打ち解け、ようやく友達が出来たとどこか嬉しさに満たされていたようです。だからこそここ数話で別離することになったのには寂しそうで、胸がキュッとなります。でもきっと、この展開がソウゴの魔性の部分をより引き出し、良くない方向に進んでいくのではないかなと思うと......何だかやりきれないです。

 

 

アナザージオウ・加古川飛流

そんなソウゴよりもより悲しい運命を辿ったのだ、と自ら告げるのは、同じく事故に巻き込まれ両親を失った少年でした。ソウゴと違うのは、両親以外に預かってくれる人がいなかったこと。ソウゴはおじさんの元ですくすくと育っていき、バス事故を少し忘れるくらいに(ソウゴ自身は今話でバス事故について触れていないので、どれだけ覚えているかは不明)なりました。一方、飛流はこの時の暗い感情を膨らませていき、常盤ソウゴに復讐するためだけに10年間生きてきた。どんなバックボーンがあるかは不明ですが、絶望して生きてきたんだろうなとは容易に想像できます。そんな男が「アナザージオウ」としてジオウの前に立ち塞がる。悲しくも熱い展開です。

 

このアナザージオウ、無敵と思われたジオウⅡと互角のスペックを持っていました。同じように未来を読み、同じパワーで攻撃する。ジオウにとってこれほど厄介な敵はありません。まさにジオウの「アナザー」。ライバルとして、ある意味ゲイツ以上に相応しい相手だと思います。

 

 

出渕さんのデザインも非常に禍々しくて面白いですね。白目と歯茎を剥き出しにし、人間を捨てたような顔面。TLで調べていたら、この顔をよく見ると「仮面ライダー1号」が見えてくるとか。すなわち、ジオウのアナザーでありながら、初代仮面ライダーのアナザーでもあるわけです。コイツが魔王になる未来とか見たくねえ。そんな生理的な嫌悪感さえ湧くアナザージオウ。アナザーライダーの頂点に立つ者としてベストなデザインだと思います。

 

更にはジオウと同じ「アーマータイム」も出来るという。まあ、他のアナザーに全身変わっただけなのでビジュアル的には違いますが、それでも能力的には同一。継承方法も、アナザーライダーにかつて変身した人々から力の残滓を略奪するというやり口でした。これ、本来ならジオウもこうやって力を奪ってたのかなあという妄想補完もできて興味深い。何から何までそっくりジオウです。にしても、檀黎斗王もウォッチ突っ込まれて力奪われたんかなと思うと、じわじわくる。

 

そんなパワー・因縁ともに強力なアナザージオウですが、ソウゴが「あんただって俺には勝てないはずだ!」というように、どちらかが強いというよりは「互角」なのがポイント。一歩先に進めば、どっちが勝ってもおかしくない戦いなのです。彼を撃破するのはソウゴなのかは不明ですが、仮に決着をつけるとしたら名勝負が見られる予感。飛流の物語とともに、期待したいと思います。

 

 

運命のバス事故2009

2019年に起こった今回の出来事から遡ると、2009年のとあるバス事故に辿り着きました。それが第27話で明かされるという「すべてのはじまり」。今回はその一端、ツクヨミが関わっているという点が明らかにされました。このちょっとずつ明かされる感じは「アギト」のあかつき号事件や「555」の流星塾事件、「ドライブ」のグローバルフリーズなんかを思い出して、平成ライダーらしくて懐かしい気持ちになります。

 

ソウゴ・飛流が両親を失い、ツクヨミが同乗して誰かを撃ち、それをキッカケにソウゴを憎む飛流。その様子を遠くから見て、覚悟を決めるゲイツ。各キャラクターの因果が2009年のバス事故に収束していく感じがなんとも面白いです。要はツクヨミが過去に干渉してしまったせいで、オーマの日に辿り着き、オーマジオウが生まれるという流れ。未来からきてしまったことが大元の原因だったというのは何とも皮肉で、絶望的な話だと思います。さあ、どう決着をつけるのか......。と思ったら。黒ウォズが見つけたバス事故の乗客・運転手一覧に「門矢士」の名前が! 「ここで出てくるのか!」と膝を打ちましたね。素で声あげちゃった。

 

予告から読み解けるのは、事故に遭ったバスの運転手が門矢士であり、そのバスにはスウォルツがいたという事実。おそらくツクヨミ銃口を向けた先にはスウォルツがいたのでしょう。スウォルツの目的はアナザージオウの覚醒あたりなのでしょうが、士は何をしにやってきたというのか。また、この事故でツクヨミはどうなったのか。徐々にカードがめくられつつも、まだまだ謎は尽きません。

 

また、気になるのはスウォルツの恰好。これ、第15話にてソウゴの夢に登場した「謎の男」に酷似しているんですよね。彼が何等かの方法でソウゴの夢に介入し、「お前は王となる」と告げたとしたら。また逆に、その夢がソウゴの「未来創造能力」によるもので、スウォルツ自身がソウゴの創造の産物だとしたら。どちらにせよ、スウォルツという存在はただのタイムジャッカーではないような気がしてきました。思えば、初期の頃に黒ウォズと会った時、「かつての仲間」風な雰囲気を醸し出していましたし、「オーマジオウの側近」である可能性もあるかと。そうなると、飛流だけに肩入れするようには思えないし、第27話にてどう転ぶか気になるところです。

 

 

 

覚悟のゲイツリバイブ!

そんなバス事故の裏側を知らないまま、自らが見た真実に絶望し、悲しい覚悟を固めたゲイツ。これまでだったら未来を救うという目的で覚醒するところですが、自分達が犯した罪を償わなければならないという思いがそこに上乗せされました。自分達のせいでソウゴをこのようにしてしまったのだから、せめてオーマの日で、またはオーマの日に辿り着く前にソウゴを倒そうという決意の表れでしょう。悲しいながらも、救世主・ゲイツリバイブはついに誕生しました。

 

時間を司るチート能力を持つジオウⅡを超えるゲイツリバイブとは、どんな能力者なのか。このアンサーは、「先読みした力以上のパワー・スピードで押し切る」でした。何ともゲイツらしく、ストレートな脳筋です。アナザージオウをぶっ飛ばすほどの威力を持つ「剛烈」の「のこぎり」。ジカンジャックローの強力すぎる攻撃に、ジオウⅡもなすすべなくやられてしまいました。

 

バンダイ 仮面ライダージオウ 裂風削烈 DXジカンジャックロー
 

 

「剛烈」の攻撃が読めてきて、ようやく反撃開始! とはさせてくれないのが救世主。「疾風」にフォームチェンジすると、高速移動でジオウⅡを圧倒です。スピード系のライダーは大好きなので、久々の登場にテンションフォルテッシモ。ファイズアクセルフォームとか、アクセルトライアルとか、カブトのクロックアップとかね......。それぞれ原理は微妙に違うんですけど、画的にカッコ良くて迷わずいいね!を押したくなります。ゲイツリバイブ疾風もそこに並びそう。

 

また、これまで不遇だったゲイツが圧倒するからこそよりグッとくるんだと思います。2号ライダーの強化回はだからこそ面白い。まあ、例年より早いからパワーインフレに負けちゃう日はすぐ来るのかもしれないけど......。そんなの関係無え! オーマの日の大活躍を楽しみにしてるよ我が救世主。

 

 

バンダイ 仮面ライダージオウ RKFライダーアーマーシリーズ 仮面ライダーゲイツリバイブ

 

 

 

以上、第25話、第26話の感想でした。アナザージオウ、ゲイツリバイブと画的に盛り上がる展開で魅せながらも、その裏で展開する重要な事件。ほぼ全キャラクターが一堂に会する事件ということで、盛り上がらないわけがありません。ツクヨミ、スウォルツ、士、飛流、そしてソウゴとゲイツ。彼らの過去・現在がどう繋がり、どんな未来を導くのか。次回は特に注目して見ていこうと思います。

 

 

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