零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

RIDER TIME 仮面ライダー龍騎 EPISODE1「Advent Again」感想

ついに始まりました、「RIDER TIME 仮面ライダー龍騎」。第1話の視聴を終えても未だに信じられないというか、本当に「龍騎の新作」がこの2019年に放映されたんですね。いやあすごいことだ。

 

私にとって龍騎は「世代」のライダーなんですが、放送当時はどちらかというと戦隊の方にお熱で、初めて父と行った夏の劇場版もハリケンジャーに夢中でした。龍騎の方はちゃんと見たのかな?というほどあまり記憶になくて。というのも、「恐ろしかった」んですよね。キーンキーンという鏡の音、血を吐く男たち、響く絶叫と、子どもにはまだ早いダークな要素が沢山あって、当時の私には早かったのでした。

 

龍騎をしっかり視聴したのは中学か高校生の頃。東映特撮YouTube公式が開設され、龍騎の配信が決まった時だったと思います。うっすらと記憶にあった初回~シザース死亡回あたりまでを観て、「面白いじゃん」となり、半年の配信を待てずTSUTAYAへ直行。夢中になって龍騎の世界を堪能しました。人生で全話しっかり視聴したのは初見を含め3回。観る度に「やっぱり龍騎は面白い...」と放心状態になってしまうほど、自分の中で特別な作品になっていました。

 

そしてあの衝撃の結末。あの結末だったからこそこれまでスピンオフや新作が作られることはなかったし、自分の中でも無いだろうなと思っていたらこれですから、人生何が起こるかわかんないですね。でも確かに、ある意味『龍騎』って新作が作りやすい作品ではあります。何度も繰り返された戦いのどこかを切り取ってパラレルワールドを作品に映し出せば、それは『龍騎』に他ならないのですから。

 

でも、どうやら今回はあの戦いの後の話である様子。テレビ本編後...かどうかは不明ですが、おそらくそうかと。テレビ本編の真司くん達が17年の月日を経て、再びミラーワールドの世界で戦うというお話になっていそうです。旧キャスト6人と新キャストの総勢13人が1人になるまで殺し合う。まさに『龍騎』の正統続編。これは感想を書かねば、と筆を起こしています。早速第1話について触れていきましょう。

 

※ネタバレがありますので未見の方はご注意ください。ビデオパスに加入しよう。

 

 

 

 

13のライダー

まずは新旧キャストのキャラクターを整理。冒頭からいきなり4人対3人のバトルが始まり、夢のバトルが繰り広げられましたが、本当に新キャストも含め殺し合いをするわけですね...。ワクワクすっぞ。

 

城戸真司(龍騎):相変わらずのバカ。すぐに気さくに話しかける。夢の中に出てくる男(秋山蓮に間違いない)に会うために戦っている。須賀さんの真司の再現度が高すぎ。

秋山蓮(ナイト):記憶は無いが体は戦い方を覚えている。アビスを殺してしまい、手を震わせ絶叫する。本編の蓮を知っているだけにつらい...。

浅倉威(王蛇):快楽殺人犯。唯一ミラーワールドでの戦いの記憶を持つ。吾郎の飯に満足してるの可愛いかよ。でもやっぱりみんな殺す。北岡のことは一応覚えている様子。

由良吾郎(ゾルダ):北岡弁護士事務所の秘書...なんだけど、何故か浅倉のことを「先生」と呼んで慕う。記憶が無いのか?何にせよ井上敏樹は残酷である。

手塚海之(ライア):俺の占いは当たる人。真司、木村、石田をまとめるも、裏切る。何を企んでいるのか謎。見損なったぞ手塚ァ!(「LIAR」をここで体現するとはね)

芝浦淳(ガイ):昔のような幼さは少し落ち着いたが、相変わらず人は悪い様子。石橋、戸塚と組む。手塚と協力し真司達を嵌めた。

木村(ベルデ):上品なおじさん。対話に一番応じてくれそうなので、次回に期待。

石田(インペラー):キタァ!テキシュー!の眼鏡くん。手塚を信頼しているが、裏切られる。エビルダイバーに喰われた。エグイ。

石橋(シザース):芝浦側の人。パッと見がアマゾンズの悠。性格は悪そう。

戸塚(タイガ):芝浦側の坊主。ビールを真司にぶっかけたヤンキー。しかし通り魔の浅倉に殺される。

アビス:変身者は不明。全員が揃っているシーンを見るに50代近くのおじさんが変身してるのかな(高岩さん?)。蓮を襲うも返り討ちに遭い死亡。

 

こちらの11名に加え、オーディンリュウガを加えた13名が今回の参加者というわけかな。EDにファムの姿は無いため恐らく彼女の代わりがアビス。早速11名のライダーがチームを組んだり個々で動いたりしつつ、乱戦を繰り広げるのは『13RIDERS』を思い出しますね。多人数で混戦させる思い切りの良さはそれ以上といったところか。

 

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面白かったのはチームの組み合わせ。龍騎・ライア・ベルデ・インペラーの4人編成とガイ・タイガ・シザースの3人チームによる戦いが繰り広げられましたが、このカードは当時無く、ドリームバトルが次々に実現していく感覚でした。背中を合わせるガイ・タイガに対して、龍騎のストライクベント×ライアのコピーベントで打ち込まれる「ドラグクローファイヤー」。これを防ぐガイのコンファインベントとタイガのフリーズベント。また別の場所ではインペラーのスピンベントが発動したり、ベルデが逃走時にクリアーベントを使用したりと、カードに出し惜しみがありません。ていうか使ったことあったっけ?というようなカードもちらほら。

 

変身時のベルトの回り方や、最新CGが駆使されたドラグレッダーやベノスネーカーなどなど、柴崎監督の愛が炸裂。これが観たかった!というファンの要望に応えるような最新の『龍騎』を見せてくれました。特に王者のファイナルベントは当時少し違和感を感じる画だったので、最新のものに更新してくれたのは嬉しい...。様々に展開するバトルしかり、このライダー達を見れるだけでも、2019年に『龍騎』をやった意味はあるなあと大いに感じました。

 

とはいえ、それだけでは終わらないのが龍騎。謎が謎を呼ぶストーリーは、井上敏樹によって健在です。戦いを始めたのはサラという女性。優衣ちゃんよりも結構年上に見える落ち着いた女性ですね。「戦いなさい」と11名を集めた彼女は、2019年の現実世界では昏睡状態。その彼女に関係がありそうな男、達也が、ソウゴとゲイツの前でアナザー龍騎となって暴れており...。ここが今回ミラーワールドが再び開いた理由のネックになりそうです。7日間という短い期間の設定や、ミラーワールド内に最初から閉じ込められるという展開、相変わらず本当にあるのかわからない「願いを叶える」という力など、気になる点だらけ。

 

また、キャラクターで注目したいのは吾郎ちゃん。吾郎ちゃんといえば北岡を「先生」と慕っていたのに、何故浅倉と誤認しているのでしょうか。北岡本人はどうなったんやという点も含め、吾郎ちゃんの真意が謎です。しかし金の糸吾郎ちゃんを生み出した敏樹御大のことだから、碌な結末が待っていない気がする...。吾郎ちゃんから何が語られるのか、心して待ちたいと思います。

 

→北岡と吾郎ちゃんの関係がエグイやつ 

 

 

城戸真司と秋山蓮

龍騎』といえば、城戸真司と秋山蓮。この2人の関係性が最終的に持ち出されるであろうことは言うまでもありません。しかし、2人とも記憶が無い中で、真司の脳裏に蓮の姿が焼き付いているというのは、何ともエモい展開ですね。

 

次回予告を見るに、蓮は無意識ながら「戦いを止める」ためにこの戦いに参加した様子。当時真司が取っていた行動を蓮がとるというだけでも胸アツなのですが、何故彼がそのような役目を持つことになったのか...というのは気になるところ。今回は恋人は関係無さそうですし。真司が蓮をうっすら覚えているように、蓮側が真司のことを覚えているのかどうかも気になります。覚えていてほしいけど、覚えていてほしくない。というのが最終回を見た者の願望ですね...。あの切ない関係が好きだったりする。いや、再会できたらそれはそれでエモすぎるけども。

 

しかし覚えていながらも、最初の集合シーンでは特に絡みはありませんでした。蓮を見て「夢のヤツだ!」とはならなかったのかな〜って思ったけど、城戸真司は馬鹿だからな...。1から10まで17年前と全く同じ馬鹿っぷりを発揮してきたし、もう安心安全の馬鹿です。余裕があったら「城戸真司が馬鹿だと思う人手ぇあげて」やろうぜ。北岡先生の役は木村が代役しよう。

 

news.mynavi.jp

 

ちなみに2019年の秋山蓮については、少し当時とは違う印象があるなという感想。それについては上記のインタビューにて語られていました。

 

――とはいえ、Twitterでもファンの方たちから言われているように、松田さんの外見がテレビシリーズ放送当時とまったく変わらない精悍さのままですから、すんなり秋山蓮役に入ることができたのではないでしょうか。

いや、変わっていますよ(笑)。ファンの方々は、ほんとうは変わっているのに、変わっていないと言い聞かせてくださっているんだと思います。『龍騎』の当時は20代前半で、今はもう40歳ですからね。今回の衣装合わせのとき、当時蓮が着ていたロングコートがまだ残っていて、それを出していただいたのですが、今の僕が着てみると、もうコスプレにしか見えない。だから、今回はあれから17年経った、いまの蓮ならではの衣装になっているんです。芝居に関しても同じで、17年前の蓮を自分自身でモノマネするのではなく、いま現在の僕が脚本を読んで、そこに書いてあるとおりの蓮を演じたほうが、みなさんの心にしっかり届けられるのではないかと思いました。

『仮面ライダー龍騎』松田悟志、新作脚本に涙 - 僕にとって須賀貴匡と真司は特別 (1) 『龍騎』を愛し続けてくれた人たちへ | マイナビニュース

 

衣装も演技も「いまの蓮」として再現しているようで、だからこそ「少し変わったな」という印象を受けたんですね。当時の蓮もクールな印象だったのですが、それ以上に落ち着いたというか。それでも40代には見えないですけどね...すげえ...。松田さんが今の時代に起こした秋山蓮が、今度のミラーワールドの戦いでどんな行動をとるのか。そして真司とどう絡むのか。まずは最初の出会いに注目ですね。 

 

僕が今回、蓮を演じていて一番好きなのは、お互いのことを覚えていない真司と蓮が、こいつとは過去に何か因縁があるなと思いつつ、探りながら会話をしているシーンなんです。やっぱり1年間、苦労を共にしてきた須賀貴匡という俳優、そして真司というキャラクターは、僕にとって特別な存在でしたから、真司と蓮がふたたび顔を合わせて他愛もないケンカを始めるという芝居が楽しくて仕方がなかった。もちろん、井上脚本のテイストで書かれていたやりとりなのですが、須賀っちが小林(靖子)脚本で印象的だった"あるフレーズ"をアドリブで入れ込んできたりして。それを僕が受け止めてアドリブで返したら、柴崎監督が椅子から崩れ落ちるほど笑い転げていました(笑)。ああいう芝居は『龍騎』が好きだった人にはたまらないと思いますし、僕も特別な思いをもって演じました。

『仮面ライダー龍騎』松田悟志、新作脚本に涙 - 僕にとって須賀貴匡と真司は特別 (2) "どれだけ喜んでもらえるか"だけを考えた | マイナビニュース

 

松田さんと須賀さんの気合いも充分。今週のラストの仮面越しの見つめ合いでも既に熱かったですし、もう来週が待ちきれません。

 

 

Alive A Life neo

もうひとつの注目ポイントは、松本梨香の新曲「Go! Now! ~Alive A life neo~」が主題歌である点。『龍騎』の主題歌は松本さんの「Alive A life」で、先日の超英雄祭でも聴いたばかりでした。普通だったらリミックスが変わるくらいなのに、完全新曲を出してくるとは。

 

exloyks.hatenablog.com

 

 

早速EDとして流れたのはショートバージョン。先日放送された「松本王国-きんぐだむ-」ではロングバージョンが流れました。原典をマッシュアップしたようなイントロと、「夜が明けても気付きはしない仮想の空間 何をしたいの?画面の中で闇を見つめてる」という『龍騎』の世界観を見事に表す導入の歌詞に感激です。iTunes早く配信頼む。

 

個人的に気に入ってるのはBメロ。「今にもあの痛みに心が折れそうでも 案外思ってるより僕らはずっと強いものだぜ」と、ミラーワールドで戦う彼らを鼓舞するような真っ直ぐな歌詞です。松本さんの力強い歌声で「案外〜強いものだぜ」なんて言われたら、真司達が迎える結末に少しは希望があるように思えてきますね。

 

サビも「夢に踊れ 体が動くままに」や「鏡に映るデジャヴ 一撃で打ち砕き 真実を見逃すな」と原典を匂わせるフレーズがたくさん。「真実を惑わせる鏡なんて割ればいい」という言葉を補強するような「真実を見逃すな」が特に好きですね〜。どうか真司と蓮には、鏡に惑わされず真実に向かって突き進んでほしい。

 

それとこの曲がEDにかかるってのがまたセンス抜群。『アマゾンズ』で好きになったこの演出が、ある意味『アマゾンズ』の原典のひとつである『龍騎』に逆輸入されるのが、2019年ならではです。『アマゾンズ』を観て柴崎監督もやりたかったんじゃないかな...。そういえば『エグゼイド』は担当されてませんしね。EXCITEをEDに流す発明は山口監督や中澤監督っぽいですし。

 

 

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以上、RIDER TIME 龍騎の第1話感想でした。第1話だけでテンション上がりまくりで、こっから後2週どうなってしまうんや...という感じです。リュウガやオーディンの登場も控えてるし、より戦いは深刻になっていくこと間違いなし。2019年に誕生した新たな『龍騎』の世界をしっかり噛み締めたいと思います。