零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

「#東京エンドゲーム」に行ってきました~「オタクしかいない空間」はオタクにとって至上の歓び

上京して以来、週末は東京ライフを楽しんでおります。どうもログです。

華金はこちらのイベントに行ってきました。

 

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主に特撮関係の感想ブログとして有名な『ジゴワットレポート』の著者である結騎了(@slinky_dog_s11)さんと、MCUやDCといったアメコミ映画を主に好まれ、好きが高じるあまり主催イベントを開くまでに至ったKing of オタク・始条明(@AkiraShijo)さんによるトークショー。その名も、「東京エンドゲーム」です。

 

特に結騎さんの『ジゴワットレポート』は、ニチアサ感想であれ、映画感想であれ、田舎トークであれ、いずれも文章力・構成力が高く、かつ熱がこもっていて面白いという素晴らしいブログでして、いつも楽しく読ませていただいてます。私がブログを書き始めようと思ったのも、結騎さんがキッカケでした。いつか彼のように大勢の人の共感を呼ぶ記事を書いてみたい! そんな気持ちからの、『ヒーローズ・ログ』のスタートだったので、結騎さんの事は勝手に師匠だと思っております(笑)

 

www.jigowatt121.com

 

そんな彼が、遠方からはるばる大都会へ足を運ばれるというのだから、せっかくなら行ってみたい! と思い応募。丁度こちらに引っ越してきたばかりだったので運が良かった。そして、定員は30人という狭い枠だったのですが、更に運の良いことに当選することができました。電王ナイトといい超英雄祭といいルパパトファイナルといい、最近の俺ツエー。

 

しかし、金曜18時に仕事が終わり、いざ中野へ赴くとなった時はど緊張。憧れの方にお会いできるというのもあったのですが、そもそもこういう「オフ会」みたいなものに行くのが初めてで。地元金沢では全くといっていいほど無かったし、これまでオタトークに花を咲かせる事のできる友達なんて滅多にいなかったし。超英雄祭とかイベントに行った時に現地で会った方と仲良くなるって人もいると思うんですけど、イベントはイベントで楽しみたいので、あまりオタ友を作った事がありませんでした。

 

そのため、これから「オタクしかいない空間」に1人飛び込んでいくという事実に急に怖くなってきた山手線車内(満員電車が辛すぎてそれどころではなかったが)。しかしオタクは歩みを止めず、決戦の地へ向かうのであった。とかいっていざ中野Alternative Cafeに近づくと......。

 

 

窓越しに見えるオタクの圧がすごい。

 

 

職場からの距離感の都合上、5分程遅れて到着したためイベントは開幕済。その様子が外から見えましたが、「あっ、ここで間違いないな.....」と一目で察してしまう程のオタクの熱気が、外までビンビン伝わってきました。正直あの空間に入っていくのだいぶ怖かった(決して貶しているわけではありません。武者震いです)

 

という事で、今回は「東京エンドゲーム」という「オタクしかいない空間」に行ってきた感想をざっくばらんに書いていきたいと思います。先に注意書きをしておきますと、今回のイベント内容を逐一メモることは一切しておらず、酒も入っていたため記憶は曖昧です。なのでロジカルというよりはエモーショナルに、客観ではなく主観で*1、思うがままに打鍵した記事である事をご了承ください。

 

 

ちなみに結騎さんご本人が書かれた「東京エンドゲーム 出演後記」を読んだ方が、どんなイベントだったかを知るのに一番早いのでそちらをご参照あれ。それにしても書くの早いなぁ......。

 

www.jigowatt121.com

 

 

オタクしかいない空間

先述の通り、オフ会のような場所に行くのは初めて。どんな方々がお客さんとして来られているのかなぁと緊張しながら店に入ると、案の定オタクしかいませんでした。一目見ただけで分かるオタク感。それは決して見た目がどうとかそういう話ではなく、「オーラ」「空気感」が皆さん同じだったのです。何かを「好き」になりすぎてしまった結果別の種族に進化したような趣がある人達だらけ。勝手ながら店に入った瞬間から、結騎さん、始条さん、お客さんの皆さん、いや店にいる全員を「同志」認定してしまいました。オラ、ワクワクすっぞ~!

 

同じ「オーラ」を纏っているとはいえ、勿論それぞれオタク感は少しずつ違いまして。映画、MCU、ライダーなどなど、微妙に専門が異なったり、好きの方向性が違ったり、バラエティ豊かなオタクの皆さんがそこに集っていました。しかし、差異があるとはいえ、トークの内容で沸く所は一緒なのが面白い。流石『ジゴワットレポート』読者なだけあって、細かいネタにも全員同時に爆笑するのでした。

 

「オタクは文脈が好き」という話を度々されていたのが印象的ですが、これにウンウンと頷く客層って本当なかなか無いと思いますよ。ハッキリ言って異様でしたが、これに同じく首がもげる程頷いていた自分がいたのも事実。「オタクしかいない空間」に溶け込む事で、「自分はオタクである」という事を全肯定されるこの感じ。普段隠していた本性を解き放っても全く引かれないしむしろ大歓迎される。初めて味わう感覚に、ニヤケが止まりませんでした。傍から見たら絶対気持ち悪いけど、いいのさこれで。

 

とはいえ皆さん、自分と比べて圧倒的に猛者でした。一番驚いたのは「設定厨」の多い事。MCUの時間軸把握は当たり前だし、変身ベルトの考察なんてお手の物。例え「制作陣は絶対そこまで考えてないやろ」と言われようとも、見つけた設定を用いて、「いや、これはこうだからこうに違いない!」と脳内で理屈付けを出来る豪胆さ。もはや「この方が面白いだろ!!」と言うまである。登壇されたお2人は勿論、度々フォローを入れるお客さん方も、作品への頭の使い方がとんでもねえ人種ばかりでした。

  

自分の好きな作品、例えば『龍騎』『555』とかでも、もっと設定を深く掘り下げれば面白いものが沢山見えてくるのかもしれないなあ。勿論色んなオタクがいていいと思うのでどれが正解って訳ではないのですが、一つ勉強になった気がした一夜でした。

 

 

『エンドゲーム』は何故熱いか

MCUを1時間、平成ライダーを1時間、ブログ論を1時間。このプログラムを聞いた時、「絶対時間足りないだろうな」と思っていましたが案の定。お2人とも脱線しすぎなんですよね(笑) でも脱線するからこそオタクだし、その脱線が滅茶苦茶面白いから流石でした。話題はMCUや平ラ、映画だったのに、デジモン、ぼくなつ、コードギアス、果ては「リキッドボーグ」という謎ゲームまで。脱線に次ぐ脱線ができるのは、あらゆるコンテンツに触れ、楽しさを知っているオタクだからこそ。(世代はちょっとずれててわからない所もあったが、それもまた一興)

 

リキッドボーグ ハイドロウェーブ

リキッドボーグ ハイドロウェーブ

 

 

いっぱいありすぎて全然思い出せませんが、MCU平成ライダーのそれぞれのパートで印象的だったお話をいくつか。

 

まずMCU。正直私はMCUの履修数が少なく、『エンドゲーム』を鑑賞するまでに観た作品といえば『アイアンマン』『アイアンマン2』『アントマン』『アベンジャーズ』3作の全6作。なのであまり詳しいとはいえず、『エンドゲーム』も充分に楽しめたとはいえないなと、鑑賞後に勿体無く感じていたのです。それでも楽しめたのは何故か。鑑賞後にモヤモヤしていたのですが、『エンドゲーム』について「あの映画はオタクでなくとも「これは文脈の映画だ」と理解できる作りになっている」という言及をお2人が為された時、ストンと腑に落ちました。

 

映画を「純粋に鑑賞する」とはどういうことか。これを突き詰めると、そもそもオタク的思考で観ている我々は既に「純粋に鑑賞することはできない」人種なんですね。オタクは「文脈で見る」事をしてしまうから、「あの映画は良かった」ではなく、「あの映画は(監督が◯◯で脚本が◯◯なのが熱いし、役者のキャリアを考えたら◯◯が今この作品に出演しているという事実がエモい。また、作品の歴史が~~であるからこそ今ここで公開されてるだけで感無量。だから)良かった」というように、作品の中身以外の部分も加味して観るという思考になってしまっている。だから今冬公開される『スターウォーズ』も、12月20日公開ではなく、オタク的には既に始まっているのだと。映画そのものよりも、映画が公開されるまでと観た時、そしてその後までの「現象」を楽しむのがオタクなのだ。

 

以上のように「文脈で見る」事について述べられた上で、『エンドゲーム』はオタクでなくとも「これは昔こういう事があったからこういうシーンなんだな」というように、「純粋に鑑賞する」人達でさえ「文脈」を感じる事ができる作品であり、だからこそそれを画面内で表現できるMCUは伊達じゃないという風に仰っていました。この話が一番印象的だし、そのようにMCUを総括できるお2人のロジカルな思考力には感服です。

 

他にも「アッセンブルは『アベンジャーズ・アッセンブル』というよりは『MCU・アッセンブル』だから熱い」とか、「某シーンを理解するためには『エージェント・オブ・シールド』シーズン5を観よ!」とか、「MCUも何だかんだ粗は沢山あるよね(サノスの指パッチンの時ヘリに乗ってた人は復活した際どこに現れんの問題)」とか、何でもござれなMCUトークに、頷いたり爆笑したり、あっという間な1時間でした。

 

 

平成ライダーは類をみない「混沌」なシリーズ

続いて待ちに待った平成ライダーのコーナー。まず冒頭20分、結騎さんが平成ライダーを総括するというかなり無茶な展開に、お隣の方と「すげえ...」と声を漏らしました。しかし流石は人気ブロガー。「混沌」というキーワードを元にシリーズを纏め上げてくれました。ちなみにこの際平成ライダーを知らない人がいるかどうか聞いた所、お1人だけ挙手。「混沌」が平ラの印象のスタートになったこの方は、果たしてどこから観始める事になるのだろうか......。

 

さて、「混沌」とはどういうことか。平成ライダーを総括しようとすると、「全20作品の色がそれぞれ全く異なるので、一つのシリーズに纏める事自体が無茶なのだけど、あれやこれやしている内に何となく纏まったように見える作品群」としか言えない訳です。あんなに生真面目な『クウガ』から始まったのに、多人数で殺し合うライダー、鬼がライダーと徐々にバリエーションが増えていき、『電王』で一気にカオスになった。それは作風だけでなく、音楽展開、声優の積極的な起用、コラボグッズの豊富さなど、外部展開の多様さを指し、これができるようになったからこそ「混沌」なシリーズなのだというのです。

 

その後の「平成2期」と呼ばれる作品では、コレクションアイテムの展開や、「なでしこJAPANが活躍した年だから「仮面ライダーなでしこ」を出そう」という奇天烈な発想などなど、展開の多様さに拍車がかかり、平成ライダーは今や20作品に辿り着いた大型シリーズとなりました。『ジオウ』では過去19作のライダー・レジェンドを登場させ、シリーズを総括しようとしていますが、そもそもカオスな作品群を1作に纏めようとしている事自体が無茶だし、それをやってのけようとする事も「混沌」。こういうシリーズは他に無く、特殊だという締め方に、平成ライダーをこれまで追ってきた自分は深く頷きました。

 

そうそう、結騎さんが「『電王』放送前に公式サイトで「モモタロス」の項を読んだ時、いよいよ平成ライダーから卒業かな...と思った」という話が印象的。当時小5だった私は「電車のライダー」という触れ込みに驚きはしたものの、そこまでビビった記憶は無かったんですよね。その辺りで少しジェネレーションギャップを感じるなど。ちなみに私が卒業を確信しかけた作品は『フォーゼ』のデザインを見た時ですが、今では5本指に入る程大好きな作品です。

 

それと音楽展開の話題では、やはり『キバ』の話が沢山登場しましたね。始条さんの「素晴らしき青空の会の「Inherited-System」でハモれる方々と未だ出会った事がない」という話に笑った。音也パートが難しすぎるのと、特オタ女子と中々会えないんよ。

 

Inherited-System

Inherited-System

  • provided courtesy of iTunes

 

総括を終えた後は始条さんによる「平成ライダーは玩具の広告である!」というテーマトーク。『鎧武』の玩具CMとしての素晴らしさを力説され、わかりみしかなかったです。特にジンバーレモン回の「絋汰が「どこにゲネシスコアを噛ますんだ!?」と戸惑った挙句、敵の攻撃でフェイスプレートが外れ、装着部を発見するシーン」について、「完璧な広告」とのこと。ジンバーレモンが雑誌バレに無かった事、鎧に陣羽織を羽織るセンスの良さも含め、絶賛されていました。着眼点すげ~~~。

 

 

確かに『鎧武』、販促ノルマが滅茶苦茶多いのにもかかわらず、上手く展開に汲み入れる事ができていた印象が強いですね。だからこそ我々視聴者の購買欲を強く刺激したのかもしれません。

 

その後は「ぶっちゃけジオウどうよ」トークのコーナーでしたが、ここは少し物足りなかった......。あまりハマれきれていない始条さんと、毎週「ZI-O signal」に感想を投稿されている結騎さんのぶっちゃけな殴り合い。とはいえ、お互いに「その意見もわかる~~」となっているのが面白い。記憶が曖昧とはいえたくさん笑った記憶があります、が、せっかくなら「ジオウ最終回予想」なども聞いてみたかったなと。お客さんにどの話が好きだったか聞くのも面白かったですけどね。個人的にはもっと時間が欲しかった。時は残酷なり。

 

 

ブログ裏話で学び、クイズで戦慄

ラスト1時間はブログ『ジゴワットレポート』の裏話。印象的なのはブログの組み立て方、黄金パターンについての話でした。いつも映画感想を拝見する際、「どうしてこんなに早く書けるんだ」と慄いていましたが、なるほどこういうフォーマットを元に組まれていたとは。読後感の良さもそこに秘密があったんですね。とはいえ、氏の努力の賜物であると思うので、やはり書き続ける事は何より大事だ......。精進します。

 

その組み立て方というのが、主観と客観を織り交ぜる事。始条さんの言い方を借りると、エモーショナルとロジカルを織り交ぜる事、ですね。映画を鑑賞する際も、「ここが好き!ここは微妙...」という主観・エモーショナルな見方と、「これはこうだからこうだよな、正解/いやそこは論理的におかしい」という客観・ロジカルな見方を脳内で分けているそうです。なので、「ここは論理的にはおかしいけど~~~でも熱いし好きだわ~~~」と、一つの展開に対して脳内で殴り合っているという(笑) 『脳内ポイズンベリー』状態。違うか。

 

脳内ポイズンベリー

脳内ポイズンベリー

 

 

で、映画感想を書く時のパターンは、冒頭で「この作品は◯◯監督で◯◯脚本で~」という「文脈」や「背景」から語り始め、中身は客観的に書き、その後に「でも俺はここが好き!」という主観で気持ちよく締める。なるほどそういう流れだからこそ読後感が良いのだと納得しました。

 

ただその一方で、「無理に好印象で締めるのもよくない」とのこと。好きでも無い作品の感想を、無理に明るく締めなくても良い。それは自分の気持ちに嘘を吐いてしまう事になる。この言葉は自分にとって救いでしたね。いやはや、ご本人は語りながら恐縮されていた様子ですけど、大変為になるお話でした。

 

その後は映画の話になりましたが、ここからはあまりついていけず。最近あまり劇場に足を運べていないせいですね。無念。とりあえず、話に出た『ミスターガラス』を観ます。文脈好きに響くらしい。

 

ミスター・ガラス (字幕版)

ミスター・ガラス (字幕版)

 

 

そんなこんなでイベントは締めのお時間へ。最後にプレゼント付きクイズ大会があったのですが、あまりに難解な問題過ぎて恐怖さえ感じました() 内容は以下の通り。

 

 

 

結騎さん MCUクイズ

Q1:サノスを演じたジョシュ・ブローリンが2008年に出演し、アカデミー賞で2つの賞を獲得した作品のタイトルは?

Q2:『エンドゲーム』のグッズに「抱き枕カバー」がある。その表に描かれているのはキャップだが、裏面のキャラクターは誰か?

 

始条さん 『仮面ライダーキバ』クイズ

Q1:ビショップことスワローテイルファンガイアの真名は何か?

Q2:映画『魔界城の王』で白峰天斗が所属した「3WA」とは何の略か?

Q3:カフェ・マル・ダムールでマスターが買っていた犬の名前は?

 

 

......わかるか!!!

 

ちなみに結騎さんはその場でパンフを読みながら考えておられましたが、始条さんは事前に用意。「え、これは簡単でしょ!!」と叫んだ時の目が怖かったです。『キバ』のオタクこわい。

 

見事に即答し、『エンドゲーム』ムビチケと『キバ特写写真集』を当てられたお二方、本当におめでとうございます。尊敬しかない。

 

 

オタクとの出会いは一期一会

と言いつつ、イベント後の懇親会は不参加としました。行けば良かったという後悔の念はありますが、あの時はこの後のお話についていける気がせず。濃いお話に付いていけない気がして無理だ~~~!つって帰っちゃいましたごめんなさい!!!皆さんの知識や考えが凄すぎて!!!

 

その代わりといっては何ですが、同じく帰路についた方とカラオケに行きました。たまたまイベント時に席が隣になった方で、休憩時に声をかけて頂いて色々お話し、その流れでという。カラオケの内容はもちろん特ソン。OPで様子見することなく結構コアな歌を歌っても全てにノッてくれるこの感じ!!特オタすげえ!!!

 

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地味に一番盛り上がったのが『GOD SPEED LOVE』主題歌の「ONE WORLD」。カラオケ映像に広がる夕日が映画の内容に合いすぎて爆笑。その後歌った「Nobody's Perfect」でも同じ映像が使われ、「吉川晃司の映像は全部夕日説」が生まれました。いや~めっちゃ笑った。初体験でしたが、映画曲もED曲も戦隊曲もウルトラ曲もポンポン出てくるし、合いの手も全部入れられるし、本当すげえよ。

 

そんなこんなで3時間以上のいわゆる「オフ会」は終了。素敵なイベントを開催してくださった始条さん、結騎さん。仲良くしてくださったお客さんの皆さん(殆ど喋れておらずごめんなさい!)。 この出会いに感謝です。余りにも最高な「オタクしかいない空間」を作ってくださり、本当にありがとうございました!

 

また次があれば是非行きたいな。東京エンドゲーム、最高!*2

 

 

*1:覚えた事をすぐ使ってるけど絶対使い方違うと思うの。

*2:現場では「アベンジャーズ、最高!」で締めました。楽しすぎた