零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

わたしの #ベストアルバム2019 10位→6位

わたしの #ベストアルバム2019 、今回は10位から6位です。前回分はこちら。

 

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10位.ずっと真夜中でいいのに。『潜潜話』

潜潜話 [通常盤]

Apple Music Spotify

 

動画サイト発祥のアーティストや楽曲ってこれまであまり通ってこなかったし、聴いてもあまりハマることはなかったんですけど、ずとまよは初見時から脳裏に焼き付いて離れませんでした。大抵関心のないジャンルって友達とのカラオケで出会うんですがこちらも例に漏れず。

 

活動開始したのが2018年で、ミニアルバム、単独ツアー、フジロック出演、フルアルバム...と今勢いが物凄い。2020年代もJ-POPを牽引していくこと間違いなしではないでしょうか。 

 

個人的な趣向ですが、「日常に馴染む音楽」が好きでして。音数が多く音圧がパワフルでも聴いてて疲れない、煩くない音楽ってあるじゃないですか。ずとまよもしきりに空白を埋める形の曲が多いですが、何時聞いても落ち着くし、程よく気持ちのスイッチを刺激してくれる。そんなところが自分の好みとベストマッチしているなと思います。

 

そんな話をした後でアレですが、導入部のバックトラックの音数が比較的少ない「眩しいDNAだけ」が一番好きです。ACAねの憂いを含んだ語り口調がどんどん熱を帯びていく過程がスゲー良い。

 

眩しいDNAだけ

眩しいDNAだけ

  • ずっと真夜中でいいのに。
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

 

9位.ペトロールズ『GGKKNRSSSTW』

GGKKNRSSSTW

「ペトロールズの新譜が出た」という事実だけでもう優勝。そろそろサブスク導入してほしいところですが、導入せずに細々とやってる方がおペトらしいのかもしれない。そのせいで広めづらいんですけどね・・・。何も載せないのもやりづらいんでYouTubeのリンク貼っておきます。曲は全く関係ないけど。

 


DAX × lute:ペトロールズ「止まれ見よ」

 

前作までと比較するとものすごく落ち着いたアルバムだな~と。ひたすらミディアムテンポ。元々少ないけど今作はもはや縦ノリ曲が皆無です。音数もとにかく引き算。最小限。なのにグッと気持ちがアガるんだからグルーブ感の鬼だなぁと改めて惚れ惚れします。しかも3ピースバンド、人力でこれですから恐ろしい。ライブになるとアレンジも毎回変貌する多種多様っぷりで、3人の引き出しの多さに平伏です。

 

一昨年のBase Ball Bearによる対バン企画「日比谷ノンフィクションⅥ」からはや2年。あの時聴いた「KAMONE」「KOMEKAMI」がようやく収録され、おペトの楽曲をついに網羅できました(たぶん)。5月は念願叶ってワンマン初参加。今からワクワクが止まりません。

 

exloyks.hatenablog.com

 

 

8位.kolme『Hello kolme』

 

Hello kolme

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「完全セルフプロデュース型ガールズユニット」を謳うアイドル、kolme(コールミー)。元はcall meと名前でしたが2018年に改名されました。作詞作曲、振付、衣装も全部自分達で考案し、こだわり抜いています。3人組、お姉さん系、クールな音楽性で、アップフロントでいうPINK CRES.に系統が近いんじゃないかな。あっちはややイカれてるけど。

 


kolme / The liar

 

表題曲「The liar」 、「ドミ♭ファッファ」と跳ねるリフが超超ツボなんですよね~。そのままサビの頭も同じですし、シンセ、ピアノ、ギター、歌で何度も何度も刷り込まれることで無意識に口ずさむ位にハマります。作曲担当のMIMORI氏がジャズ系のヒップホップが元々ご趣味ということで、アイドルソングとして落とし込もうという強い意思を感じる。MVもご本人の作曲風景を見せてもらえてるようなリアリティ溢れる作品で最高。MIMORIさん超キュート。

 


kolme / kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ (WWW X 2019.03.30) Digest

 

楽曲だけでも十分楽しめるナンバー盛りだくさんの作品ですが、アイドルですからやはりライブは必見。まず生バンドがいらっしゃるのがズルいっすよね~~。セルフプロデュースだけあって、メンバーのやりたいことが明確に伝わってくる見所満載のライブです。クールな楽曲ながら会場の熱気がものすごく、アイドルファン兼ロックファンの自分としては今年こそ必ずライブハウスで味わってみたい・・・。

 

ちなみに昨年末にも『Do you know kolme?』という最新作をリリースし勢いが止まらないkolme。今後より注目していきたいと思います。

 

 

7位.サカナクション『834.194』

834.194

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上述のペトロールズ以上に「待ってました!」な6年ぶりのリリース。6年て。「グッドバイ/ユリイカ」リリース辺りのサカナLOCKS!*1で「次のアルバムは東京をテーマにしたい」なんて一郎さんが話してた頃、自分は高校生でしたからね~。ここまで紆余曲折あったなあ。その分渾身の作品ができた!と聴き手ながら思います。

 

その当時のシングルと近年の「忘れられないの」「モス」を流れで聴くと毛色が全然違って面白い。本人も明言どころかMV見たらわかるレベルですが、1980年代カルチャーのパロディを思いっ切り楽しんでやってます。よく一郎さんは自分達の楽曲を「浅瀬」「深海」と表現されていますが、これらの曲は「浅瀬」。一方「深海」といえる楽曲に「グッドバイ」や「ユリイカ」が当たります。外向けに全力発信したり、どっぷりと闇に浸かりダークに曝け出したり。潜って上がって、また潜ってを繰り返すことで、サカナクションというバンドの輪郭が聴き手側にもくっきりと見えた気がする。

 

www.tfm.co.jp

 

サカナクションを語る上でサカナLOCKS!の存在は切っても切り離せないので、作品リリース直後の放送後記を貼っておきます。紅白出場によって精神面がどん底に落ち、その際に何の気なしにギターを手に取り弾き語ってみたら「グッドバイ」という曲ができたという話は当時ラジオで聴いた記憶を鮮明に覚えていますね。こんなにも音楽へ真摯に向き合うことができる人がいるんだと。この人ならこの先歴史に残るくらい物凄い作品を生み出してくれるんじゃないかと。高校生ながら強く思いました。

 

2枚双方の最後に収録された「セプテンバー」は、前身バンドの「ダッチマン」時代に作られた楽曲。と、知識だけでは存じているのですが原曲は聴いたことがありません。しかし、「札幌 version」のようなシンプルなアコースティック編成の方が元に近いんじゃないかと思います。そして、サカナクションとして「浅瀬」を泳ぎ、創ることが可能になったのが「東京 version」です。ダッチマンから続く長い歴史を凝縮するかのように、相反する2versionの「セプテンバー」によって纏められる『834.194』。作品としての美しさに惚れ惚れします。

 

曲順へのこだわりも繊細なので、2枚ぶっ通しで聴いてこそ乙というもの。1時間半という収録時間も1本の映画のようですし、時間をたっぷり確保し、高音質のスピーカーを用意して、暗闇の中でじっくり聴くのが一番堪能できる楽しみ方なのかもしれません。

 

 

6位.椎名林檎三毒史』

三毒史(通常盤)

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ジャケットの威圧感が半端ない林檎女史のフルアルバム最新作。ジャケットに負けず劣らず楽曲の圧も全開で軽い気持ちでは聴けません。般若心経から開幕するアルバムってどんなだよ。

 

今作の大きな特徴はデュエット曲が多いこと。近年シングルカットされた宮本浩次との「獣ゆく細道」や、向井秀徳との「神様、仏様」、浮雲との「長く短い祭」も、トータス松本との「目抜き通り」さえも収録され、オールスター状態。新曲として、BUCK-TICK櫻井敦司の音圧で殺される「駆け落ち者」、東京事変1期のメンバーでソロのバックにだいたいいらっしゃるヒイズミマサユ機との「急がば回れ」も参戦し、コラボアルバムとしてリリースしていいほど充実しきっています。

 

それでもコラボアルバムではなく、コンセプトアルバムとしてリリースすることができたのは、世界観を誰よりも明確に打ち出せる椎名林檎あってこそ。中でも「TOKYO」という楽曲を真ん中に収めたことが完璧なバランスを保っている要因だと個人的に思います。派手にブラスを入れる楽曲が多い中で、引き算し切ったコンボ編成。そこから間髪入れずにヒイズミ氏のピアノイントロと加工された林檎女史の《天上天下繋ぐ花火哉》に突入する隙の無さ。林檎のアルバムは繋ぎが完璧すぎる。歌詞世界のリンク感は勿論、音楽作品としてのこだわりが細やかなんですよね。

 

TOKYO

TOKYO

  • provided courtesy of iTunes

 

リンクを貼っておいてなんですが、こちらもサカナクション同様単発ではなくアルバムとして流れで聴いてほしい。サブスクブームによって1曲を切り取ったり、それどころかTik Tokに合わせた超ショートサイズで聴いたりする聞き方が主流になりつつありますが、こんな時代だからこそ逆にこだわりと愛着を持って作られたアルバム作品をじっくりと聴くことが、作り手に対して向けられる最大限の敬意なんじゃないかと思うのです。

 

 

*****

 

さて、ここからはアルバム形態以外の作品にも軽く触れておきたいと思います。ランク外なのでランキング形式はなしで。まずはベスト盤部門。

 

椎名林檎ニュートンの林檎』 

ニュートンの林檎

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「ベスト盤は出さない」と謳っていた林檎女史の禁忌にやや界隈が荒れてましたが、友人の言っていた「事変復活の布石としてソロ活動に一旦幕を下ろしたかったのでは説」が今となっては正解なのかも。往年の林檎ファンはこの説をベスト発表時から提唱してたからすげえなと。何はともあれ、ソロの軌跡をダイジェスト形式で追えるコンパクトな1枚が手元に置けるってのは嬉しいことです。先ほどフルアルバムの「作品としての意義」を語りましたが、その一方で「ダイジェスト版」として聴けるベストアルバムにもまた別の良さがあります。

 

 

ねごと『NEGOTO BEST』

NEGOTO BEST(通常盤)(特典なし)

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SCHOOL OF LOCK!」主催の10代限定フェス「閃光ライオット*2をキッカケに名を知らしめたねごと。惜しくも2019年秋に解散となりました。3rd Album『VISION』の頃が個人的に一番ハマってて、それ以来なかなか足を運べず解散ライブも行けず...。個人的にBase Ball Bearと並ぶ「青春の象徴」といえるバンドだったのでかなり寂しいですが、このベスト盤を聞けばいつだって彼女たちの軌跡を追うことができます。初期の緩やかなバンドサウンドも後期のEDM路線も大好き。

 

 

アンジュルム『輪廻転生~ANGERME Past, Present Future~』

輪廻転生~ANGERME Past, Present & Future~(通常盤)(特典なし)

 

レコチョク

 

アンジュルムの改名初期から昨年春までの軌跡を全て網羅した決定盤。人気グループなのにフルアルバムを1枚も出さない事務所が謎ですが......ベストという形でもひとまず世にアンジュルムを知らしめることができた事でホッとしました。和田彩花リーダー期の総まとめ盤とも言えますね。新曲の中でも「人生、すなわちパンタレイ」は狂った名曲なので是非一聴ください。《あんこはこしあん派の私がなぜになぜに粒あんばっか食べてるの》!!

 

 

aikoaikoの詩。』

aikoの詩。

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至極どうでもいい話なんですが、中学の時気になってた女の子がaikoのファンで、当時『まとめⅠ』というベスト盤を出すことをすっごく楽しみにしてたんですよ。捻くれたロキノンオタクの私は「まとめとかタイトルダサw」と小馬鹿にしてたんですけどその子にめちゃくちゃ怒られ、「この良さがわからないなんて子供だね」なんて言われたりして。あれから10年近く経って再び出会ったベスト盤で斜に構えずaikoと向き合うことができました。少しは大人になれたかな。あの子、元気にやってるかな。

 

ちなみにこちらのベスト盤、4枚組4000円と超絶破格です。FSK4つ分の値段で56曲も聴ける......FSKでハロメン56人分集めるのには破産レベルの金が必要なのに......(FSK換算するな)

 

 

モーニング娘。『 ベスト!モーニング娘。 20th Anniversary』 

ベスト!モーニング娘。 20th Anniversary (初回生産限定盤A) (Blu-ray Disc付) (特典なし)

 

レコチョク

 

何が驚きかってこのベスト盤のリリースが昨年の話ってことですよ。2019年のモー娘。全然リリースしてない割に濃厚すぎない!? 遠い過去の話のように感じる。ロッキンで鮮烈な印象を残した35th Single『みかん』から66th Singleの『フラリ銀座』、そして新曲2曲を網羅したモー娘。後期決定盤です。フルアルバムに収録されていなかった'15~'17の楽曲が初収録されたのは大きいですね。『セクシーキャットの演説』が好きすぎる。

 

 『平成仮面ライダー20作品記念ベスト』

 

平成仮面ライダー20作品記念ベスト(CD3枚組)

DISC1:Apple Music Spotify

DISC2:Apple Music Spotify

DISC3:Apple Music Spotify

 

 

仮面ライダーオーズ』の頃に出た『KAMEN RIDER BEST 2000-2011』というベスト盤と比較すると面白味に欠けるOP集ですが*3、「平成ライダーの主題歌が20曲に到達した」という事実だけで買いな記念碑的作品です。ただDISC3は『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』主題歌やらオーズの「Time judged all」新録版(しかも歌詞まで変わってるエモさ!)やら中々濃いです。20作で一区切りってたまたまとはいえやっぱり美しいな。

 

Go!Now!~Alive A life neo~

Go!Now!~Alive A life neo~

  • provided courtesy of iTunes

 

Time judged all ~8 years later~

Time judged all ~8 years later~

  • 火野映司×アンク(C.V.渡部 秀・三浦涼介)
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

  

 

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以上、10位→6位までのランキングとベスト盤のお気に入りピックアップでした。2019年、改めて濃い1年でしたね...。 色んな界隈で節目といえる動向があった年だったなと。

 

さて次回はいよいよBEST5です。趣味全開で参ります。

 

【5位→1位】

 

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【2019年振り返りシリーズ】

 

exloyks.hatenablog.com

 

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*1:10代向けの人気ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』内のコーナー。毎週金曜23:27頃から放送中。サカナクションのボーカル・ギター山口一郎が『音を学ぶ』『音で学ぶ』『音に学ぶ』を意味する「音学の講師」に扮し、アーティストLOCKS!内で最もニッチな授業を行っている。

*2:10代のみ参加可能なオーディション形式のフェス企画。現在は「未確認フェスティバル」に名を変えて毎年夏に行われている。Galileo GalileiBrian the Sun、SHE'S、ぼくのりりっくのぼうよみも参加経験がある。ハロプロ的には『Come with me』の中村瑛彦氏が初回のファイナリストだとさっき知りました

*3:人気投票で収録曲を決めたため挿入歌が沢山収録された。