零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

夏とドラマと積ん読と。

ささやかな夏休みがはじまった。23年目にして、もっとも短く、静かなおやすみ。地元にも戻らず、お出かけもほどほどに、寂しくも健やかにして過ごそうと思う。慌ただしい納期前も抜けたし、仕事のことも忘れてゆっくりしたいところだったからちょうど良かった。

 

実家に帰るか帰らまいかは直前まで迷っていた。しかし、時々夜遅くに酔っ払いの両親からかかってくる凸電で、「微妙な空気だし、任せるよ」と言われて、帰らないことを決めた。地元は田舎と都会が中途半端に混じった所で、帰った瞬間村八分!夜逃げ!一生地獄コースで頑張るよ♡って事態に陥ることは決してないのだが、地域コミュニティの根強さ、一瞬で伝わる連絡網の速さは健在だ。親に迷惑をかけたくないし、自分自身もどーでもいいご近所さんから白い目で見られたくはない。何よりお盆恒例、お婆ちゃんとの墓参りを実行した結果、数ヶ月後にお婆ちゃんを看取ることになる、なんてオチは避けたいのだ。まだまだ長生きしていてほしい。独り身の寂しさから認知症を装ってデイサービスセンターに入り、一日にして「こんなボケ老人達と一緒にされたくない」と憤って帰ってきた図太くて逞しい祖母には、まだまだ恥を晒しながら生きていてほしいのだ。母親と職員さんの前で「は〜〜〜わたしゃだれだっけかのぅ」と大ボケかました昭和生まれの大女優には、もっともっとバカやっててくれって思い。とはいえ寂しいだろうし電話してあげようかなあ。

 

 

夏休み、といっても社会人の夏は一瞬だ。高校時代のひと夏と、社会人の一瞬の夏の間に、ひと夏どころか夏秋跨いでのんべんだらりとのさばっている大学時代の夏がサンドイッチされてしまったせいで、私はまだ夏の短さに慣れていない。昨年はロッキンでモー娘。優勝!してから実家に帰ってダラダラしていたら一瞬で恐怖の日曜夜にワープしていた気がする。帰って何してたっけなあ。思い立ったらすぐに調べがつくのがテクノロジーの時代の強みだ。書きながらGoogle フォトを開く......ハロメンの写真しか出てこなかった。ニッコニコの山木梨沙ちゃんとツンとする小関舞ちゃんの2ショット。ハロプロ三昧の写真たち。は〜自分の脳内ってわかりやすいし変わってない。そうこうしてるうちに夏が終わったんだろう。

 

今年は何をしようか。いくつか決めている。ひとつはAmazon Primeを活かした名作ドラマ漁り。せっかく3年近く更新し続けているのに、ほったらかしていたプライムを有効活用せねば、という時にぴったりドラマブームがやってきた。先週の地獄仕事生活に、『アンナチュラル』というオアシス。1日1話の制限を超えて一気に完走した。噂に違わず超傑作。ちょうど『MIU404』にもドハマリ中なのでタイミングは完璧だ。『獣になれない私たち』や『図書館戦争』、『フェイクニュース』など、野木亜紀子作品は信頼できる。これを機に、『重版出来!』『空飛ぶ広報室』『逃げるは恥だが役に立つ』もコンプリートしておきたい。野木作品以外でも、『カルテット』『凪のお暇』『義母と娘のブルース』『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』辺りの話題作も押さえたいな。9連休では足りないけども。

 

 

第8話 遥かなる我が家

第8話 遥かなる我が家

  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

『アンナチュラル』の感想記事は別途書きたい。心底沁みた。中堂系という2号ライダー並に重い男に魅了されたり、UDIラボの法医学者としての矜持に感動したり、息を呑むスピーディーな展開の先にある結末に泣かされまくったり。縦軸が面白いのはもちろん、1話完結の話にハズレが全く無いのがすごい。ひとそれぞれ、最推しのエピソードがあるんじゃないかと思う。私は第8話「遥かなる我が家」が刺さりまくった。死者も生者も、どこかひとつでもいいから帰る場所があるって幸福なことなんだなぁ。

 

 

また、もうひとつやりたいこと。積ん読消化だ。自粛期間に入ってから、やたらと本を買った。通販、電子書籍、帰りに立ち寄った本屋。ハイペースで金をつぎ込んでしまった。読めたものはほんの一部で、7割方積まれていく。スペースがない。早く広い家に住んで巨大な本棚がほしい。インテリアにこだわりは少ないが、本棚だけは将来の夢だ。

 

何を積んできたか。自分を急かすためにも、ここに軽く記録しておきたい。

 

 

 

 

「ZINE」というDIY精神に則った小さな冊子に最近興味を持っている。SNSで全世界に発信できる時代だからこそ、かえって昔ながらのスモールメディアに回帰したいという思いが強くなるのかもしれない。リアルタイムに、インスタントに発信しようと躍起になる現代社会の呪いとは無縁な、しずかでやさしくあたたかい世界に「ZINE」は誘ってくれそうな気がしている。あなたにとってはどうでもいいけどわたしにとってはビビッとくる、みたいなのっていいじゃない。まだ途中だが、既にどこかで誰かの「ZINE」に触れたくなっているし、いつか自分でもつくってみたいという欲求がほのかに湧いている。

 

 

 

 

信頼できる友達から勧めてもらった漫画の最新刊。孤独を好む小説家と、思春期真っ只中の大事な時期に両親を亡くした姪っ子が同居する話。価値観が全く異なる自分を否定し続けた姉のことを嫌っていた小説家は、死んだ姉の面影がある姪っ子にたびたび動揺するが、彼女なりのやさしさで関係を築いていく。彼女から発される言葉は突き放すでも抱き締めるでもないが、あたたかくて丁寧で、相手への尊厳に溢れており、姪っ子は「絶対的な判断」をしてきた親とのギャップに戸惑いぶつかりながらも、自我を磨いていく...といったお話だ。自分が思春期の時にもこんな大人がいたらなあ、という大人たちが彼女の周りにはたくさんいて、「わかんないよ!」と喚く姪っ子がなんだか羨ましい。6巻は高校生になった姪っ子達が軽音部に入り、承認欲求や人間関係に悩むようだが、果たしてどこに向かうやら。

 

 

 

サラバ! (上) (小学館文庫)

サラバ! (上) (小学館文庫)

 

 

数年前話題になっていたのと、若林の帯に惹かれて購入したのだが、序盤で挫折している。序盤乗り越えたら絶対おもしろいだろうし、小説って序盤で躓いてしまったら、そこから前進するまでに時間がかかってしまうなあ。 この夏こそ読むぞ。

 

 

 

 

大体の本屋で見かけるし、色についての語彙力が皆無だったので買ってみた。しかし大判の本は読むのに気力がいるので、ゆっくりじっくり時間をかけて読み進めるつもり。

 

 

 

 

奇貨 (新潮文庫)

奇貨 (新潮文庫)

 

 

電子版で購入し、一篇目のみ読了した。『ダ・ヴィンチハロプロ特集号にて児玉雨子さんと対談されていた作家さんで、ジェンダーレスな作風らしく興味を惹かれていた。一篇目の「奇貨」は男友達が極端に少ない中年男と10歳下でレズビアンの女性が同居し、お互いに結婚の気配もなく平穏に過ごしていたが、男が女の世界をより深く観察したいと考えたことを発端に、徐々に欲望が捻れていくというお話。特段大きな事件が起こるわけでもないが、自分の本当の性欲は何なのかを女社会への探求によって逆に見つけていくというプロットが大変面白く、時に共感を得た。もう一篇は友達の死に立ち会った少女たちのお話で、一度ストップしてからはまだ序盤。「奇貨」も読み直したいなあ。

 

 

 

 

BLに興味がなかったという友達が「これは!!!真実の愛のお話だから!!!!!読んで!!!!!」と絶叫しながら勧めてきたので購入。まだ正義くんとリチャード氏が出逢ったばかりの段階で、推理系ラノベなのか、BLモノなのか判別がついていない。アニメ化もしているらしいが、「とりあえず6巻まで読め」と言われたので小説の方を読み進めようと思う。

 

 

 

 

2010s

2010s

 

 

2010年代のポップカルチャーを紐解くというなかなか大変な議題の本だが、海外のカルチャーに疎く、興味が湧いたので購入。しかしまあ、ノンストップの対談形式で、説明もなくガンガン進んでいくのでなかなか読みづらい...。後述の宇多丸さんの冊子みたいに、欄外で逐一用語を説明してくれないから、調べながら読んで時間がかかっている。その分、2010年文化史への理解が進めばいいのだが。とはいえ、変に硬くならず「へ〜そうなんだ」程度で気楽に立ち会いたいと思う。

 

 

 

 

ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門

ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門

 

 

ラップの起源から2018年頃まで、海外国内問わず歴史をたどり、欄外で丁寧な解説まで施してくれるラジオ書き起こし本。登場した楽曲をサブスクで聴きながら、「なるほどね〜」と納得しながら読んでいる。今半分くらいなはず。文章でも十分ラジオっぽいが、やはり生放送で聴きたかった。NHKは「三昧」シリーズを音源化してくれ...再放送でもいい...俺はハロプロ三昧をもう一度聴きたい...。

 

 

 

 

 

ビジネス本を克服したいんですが、比較的簡単な本書でも全然読み進められないままはや1年。細かいとこはいいから早く最後まで行きたいんじゃ......。

 

 

 

 

ビブリア古書堂の新シリーズ。栞子さんの物語が綺麗に閉じたと思ったらその娘の話が始まったので驚き。買ったはいいけど、古参オタ的な面倒な心情によって読めずにいる......。そして扉子さん、2巻目もあるということは続くのか。ひとまず、1巻目を読まねば。

 

 

 

 

 

ジャンプ2大漫画のデータブック。キャラクターや設定の情報がそれはそれは細か〜〜〜く載っている。特にワートリは鬼滅の2倍で分厚い。未登場のキャラクターも含めて隊員達の情報を全網羅しているという、葦原先生の熱量よ...。少しずつ、読めてないページを読み進めていきたい。

 

 

 

SPEC公式解体新書

SPEC公式解体新書

 

 

『SPEC』再放送時に高まりすぎてポチった。スタッフ陣のインタビューが未読なんだよなあ。あの再放送時に頑張って読めば良かったぜ...。

 

 

BRUTUS特別編集 合本 危険な読書

BRUTUS特別編集 合本 危険な読書

  • 発売日: 2019/08/16
  • メディア: Kindle
 

 

シリーズ3冊分をまとめてくれたお得セットなのは良いんだけど隅々まで読めていないんだよ〜〜〜〜〜面白いんだろうけど量多い〜〜〜〜〜雑誌ってみなさん全ページ読めます?読まないもんか??

 

 

 

ふたたびの高校数学

ふたたびの高校数学

 

 

数学勉強したくて就活明けに買ったくせに開いてさえいない。

 

 

 

......途中から悲しい懺悔になってしんどくなってきた。向き合った時に「読みたくないセンサー」が発動してしまう本もあって、なんで買ったんだ。まあ積ん読をしちゃう人なんてそんなもんか。

 

これを書き始めたのは8日(土)の夜。今日なにかを読めたかというと、一切読めていない。爆睡して、ちょっと外に出て、『アクタージュ』の悲報にメンブレして、再び寝ていたら今に至る。先週残業しまくった分、眠気に襲われるのはどうしようもないことだし、一日くらいは許してやろう。明日からは惰眠を貪らず、自分の時間を大切にして、いろんなカルチャーを味わいつくす充実の休暇にしたいなって思う。今年の夏は、文化の夏だ!