零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

仮面ライダージオウ EP37「2006:ネクスト・レベル・カブト」/EP38「2019:カブトにえらばれしもの」感想

クライマックスになってもまだまだサプライズが止まらない『ジオウ』。現在放送中の章では『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』より仮面ライダーアクア/湊ミハル、『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』より仮面ライダーエターナル/大道克己がまさかまさかの再登場。

 

もうレジェンド参戦は無いと思っていただけに、驚きもひとしおでした。ミハルくんは映司くんリスペクトが入っていて最高にキャラが立っていたし、克己ちゃんは相変わらず地獄楽しんでるし......。いやあ、スウォルツさん様々です。G4、風魔、レイ、ダークゴーストも誰も見た事ない並びだし、わかってるなあ。

 

 

こうなってきたら、夏映画やEP46以降にも更なるレジェンドを期待してしまいます。いよいよ今週末の劇場版は明日公開だし、SNSシャットアウトを徹底しなければ。俺はまだ泊さんと剛の並びを期待してるから......! それと、EP46はアナザーディケイド回ってことでキバーラ/夏ミカン出てくれねえかな~。士くんと海東がいるんだし、劇場版縛りだしアリなのでは!?

(夏ミカンが出て来たらいよいよ『ディケイド』に乗っ取られてしまうけど、平成の総決算って事で番組ごとぶつかってもいいのよ。ついでに『クウガ』のレジェンド枠って誤魔化しでユウスケも頼んだ)

 

 

仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイドMOVIE大戦2010

 

 

まあ、前置きは置いておいて。今週はこれまで書けていない感想を一気に書きたいと思っています。最新話までは『カブト』編、『電王』編、『アナザージオウⅡ』編の3回分。加古川くんの世界改変回については3話分一気にってちょっとズルい気がしますけど許しておくれ。

 

早速立ち向かうは渋谷隕石。『電王』編を除けば、現状「最後のレジェンド回」って印象がある『カブト』編です。デッッデレレッッッ!

 

 

 

 

 

どこまでもお人よし

『カブト』より登場したレジェンドキャストは、仮面ライダーガタック/加賀美新仮面ライダーキックホッパー/矢車想仮面ライダーパンチホッパー/影山瞬の3名。共通点はかつてザビーゼクターにえらばれしもの達...というフォローは当然ありませんでしたが、こうして並ばせてみると、『カブト』のキャラクター達は本当にどいつもこいつも濃くて、たった3人の登場でも2000年代半ばの香りが漂いますね。崩壊した渋谷の埃っぽい感じがあの空気感をより一層引き立てて、一瞬心が少年時代に帰ってしまいました。違和感が全く仕事しないスムーズなOP詐欺もズルいしさぁ! 山口監督良い仕事。

 

NEXT LEVEL

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その中で、私が再登場を最も歓喜した男が、加賀美新平成ライダーシリーズで最も熱い男の1人。1年間かけてじっくり育まれた天道との熱い友情はヒーロー番組らしくて非常に盛り上がったし、当時一番推してたキャラクターだったと思います。天道、矢車、風間、剣おぼっちゃまという特濃も特濃な変人イケメン達の中に彼がいたからこそ、この番組が成り立ったといっても過言ではない。というか、加賀美がいなかったらまともに見ていられない気がする(笑)

 

迷う事なくガタックに変身したり、疑うことなくソウゴくんに近づいていったりと、相変わらず誠実でお人よし。特に面白かったのが、ソウゴくんが影山に襲われそうになった時に放った「君は人が良すぎる!」という言葉です。ウォズに護衛をさせて用意周到だった我が魔王は超安全圏にいたし、影山の狙いはむしろ加賀美だったし、助けに来たつもりが罠にかかったのは彼でした、と。実に加賀美らしくてニコニコしちゃいましたけど、成長して凛々しくなってもお人よしだからこそ、根っからのやさしさを感じられて大好きなんですよ。でも全体としての印象は、先輩らしく格好良く落ち着いたなあと。あんなおじちゃんお兄ちゃん、一家に一人欲しい。

 

 

そんな加賀美新の『ジオウ』における大きな見せ場は、カブトへの変身。放送当時、大きな物議を醸した一件ですね。「俺は、俺にしかなれない。でも、これが俺なんだ」。燃え盛る炎の中で天道に語ったあの一言が無駄になってしまうんじゃないかって。丁度私も『カブト』編のために、第22話は見返した直後だったので、賛か否かの判定は少し迷いました。

 

 

第22話

第22話

 

 

 

でもこれ、『ジオウ』のこれまでを考えたら当然の流れなんですよね。第1部では映司くんを国会議員にしたり、草加を生かしたり、戦兎が存在する世界の存在を無かったことにしたりと、番組そのものを無かったことにする形で、「平成ライダー」を終わらせにかかりました。最高最善の魔王になりたいという主人公が、先輩達の力をどんどん奪っていくという、そんなことやっちゃうの!?な展開。

 

一方、トリニティ以降のレジェンド編では、番組が辿り着いたゴール、そしてその余韻を無かったことにするという、より直接的で歪なやり口を披露してきました。『アギト』終盤の展開を、「アナザーアギト」という形で否定したり。『剣』で剣崎が提示した悲しい解を、「なら別のやり方で倒しちゃえばいいじゃない!」とぶち壊したり。『響鬼』編に関しては、本編の後をなぞっていけばそういう展開になるでしょうけど、プロデューサー間の悶着に一区切りをつけるかのような、ある種「禁忌」の展開をお出ししてきたりも。

 

どれもこれも、本当に白倉Pらしさ全開ですね。ともすれば拒否反応を出しかねない展開を創り出す鋭利な発想力は、『龍騎』の頃から変わらない。彼の『ジオウ』なら、8月末で本当に「平成ライダー」を埋葬してくるんじゃないかな、と戦々恐々としています。当初思い描いてた「力を全員に返して、全員でラスボスを倒す!」という展開はやらず、マジで力を受け継いだまま終わるんじゃないの。グランドジオウという墓となって、平成ライダーここに眠る......。

 

 

仮面ライダージオウ DXグランドジオウライドウォッチ

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だいぶ話がそれてしまいました。この時はグランドジオウ登場前なんだ落ち着け。とにかく、この『ジオウ』のやり口だったら、カブトゼクターが加賀美を選ぶという、番組を否定するかのような方法を取っても納得できるんだという話。『カブト』の第1話で「えらばれしもの」になれなかった男がついに!と、複雑ながら心が燃えるという歪な興奮の仕方をしていました。このIF展開は、『ジオウ』という作品だからこそアリなんだ。

 

そして変身後の加賀美カブト。スマートな天道カブトとは違い、熱く真っ直ぐな戦い方です。中身が違うだけでかなり印象が違って見える。カブトってスマートなイメージが強いけど、大振りなファイトスタイルも似合うんだなあと、10年以上経って新たな見方ができたのは収穫でした。力強い前回し蹴りのスマッシュヒットは激熱。

 

 

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ハイスピード・バトル!

『カブト』と言えば、クロックアップ。成虫ワームに対抗して超高速で戦うビートルライダーズの姿に、テレビの前で熱中したものです。超加速した彼らの視点から描く、ゆっくり動く世界での戦闘カットや、一般人視点での「見えない」戦いぶり。どちらも見せ方が新しくて、あんなの男心をくすぐるに決まってるじゃないですか。

 

そして、その数年後の『ディケイド』では、クロックアップvs555アクセルという夢のハイスピード・バトルが実現。オタクの妄想が叶った瞬間でした。『カブト』のライダーが再度登場するならば、やらねばなるまいこのバトル。今回のお相手は~? ゲイツリバイブとウォズのフューチャーリングシノビ! ソウゴくんもジオウⅡの未来予知で対抗です。なかなか面白いカードです。空中でクロスするゲイツとウォズの高速撃破、パンチホッパー相手に利用した予知能力。クロックアップ相手に健闘する現役の戦い方に、心が躍りますね。

 

 『カブト』側として登場する役者達も、ガタック、パンチホッパー、アナザーカブト、キックホッパー、カブト、成虫ワーム...とメガもりもり。2話かけてたっぷりと味わえたなあ。

 

中でもお気に入りのシーンその①。第37話より、クロックアップのアナザーカブトに翻弄されるウォズと、対抗すべく繰り出したギンガワクセイフォームの流星群!速く動くなら、物量で埋めればいいじゃない、とエゲツない追い詰め方で、矢車さんを爆散。山口監督の火薬量も流石で、派手で痛快なワンシーンでした。そして、そこで終わるのではなく、アナザーカブトから脱皮するようにキックホッパーが登場するのがステキすぎる......。ある種「キャストオフのオマージュ」ですね。地獄の業火を纏いし男の再・爆・誕。その後のライダーキックからの逃走も鮮やかでしたし、やっぱり矢車さんは違えや。

 

お気に入りのシーンその②。第38話より、全員総出のラストバトル。こちらは途中から宇宙組と地上組に分かれますが、まず開幕の360°変身シーンに痺れました。味方、敵問わず全員の変身を舐めるようにゆっくりと見せ、味方側は変身量が多いので2周目に入る。多いというか、顔の文字が降ってくるだけではあるんですけど(笑) ガタックのキャストオフと共に変身完了するというのが、何だか平成ライダーの変身の歴史を感じて面白かったですね。

 

その後一度ガタックが敗北し、例の音楽が鳴る中で第二のカブトが誕生。クロックアップ空間でスピードタイプのライダーズが激しく殴り合う。そしてラストは一気に決める。緩急の付け方に『カブト』リスぺクトを感じました。

 

 

ライダーキック!!

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あとはまあ、2話かけて隕石に奮闘する様に、吉川晃司の渋い声が聞こえてきたり(笑) 隕石の色合いと大きさがGOD SPEED LOVE

 

 

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以上、第37話・第38話感想でした。まだ書けていない内容がいくつかあるので、こちらの編集後記欄でいくつか。

 

色々満足感のあった『カブト』編ですが、地獄兄弟の扱いについてはあまりにも悲しくて、納得がいかなかった。相手が偽物であろうと、闇に堕ちようとも、愛する弟を守ろうと戦ったのにも関わらず、「お前は俺の弟じゃない」と否定されたり、「矢車、すまない...」と最後まで救いが無かったりと散々。これならまだ影山を蹴って終えた本編最後の方が...。まあ、これも『ジオウ』のやり口といえばそうなんですけど。夕日に向かって歩みを進める背中が切ない。

 

余談ですが、放送時に散々ネタにされた影山別人問題。先日内山さんを生で拝見する機会がありましたけど、とても健康的な体付きでいらっしゃいましたよ。オファーがギリギリで痩せる時間が無かったってのは本当だったんだな。その気になれば絞る事は難なくできるぜ!という若さを感じました。内山さんが再び光を宿し、千樹憐として戦ったステージの記録は、またいずれ別記事で。(まだ全然書いてないけど)

 

 

次に、加賀美の発言の謎。「渋谷は復興中のはず」という発言から、『ジオウ』時空とは別の世界からやってきた可能性が見て取れました。しかしその後少ししかフォローが無い。前回(EP44)辺りで解決しても良い問題なんですけどね。映画で収集をつける可能性も無きにしも非ずですが、果たして。

 

 

また、ツクヨミがスウォルツの妹と発覚したのはこの回。士くんがコックの衣装で登場した面白エピソードでもあります。妹といえば、『カブト』の大事な一要素なので、ここで明かす流れは粋だったなあと思い出しつつ、一節としてまとめようかと思ったんだけど、ツクヨミとスウォルツの正体は一応EP43で明らかになったので割愛。いやまあ、明らかになった上で「どういうこと???」と腑に落ちない思いを抱えて生きていますけどね。別の時間軸ってどこなんだろうね。オーマジオウとは一切合切関係の無い話なのかね。

 

時止め・妹属性・王の後継者と、後半にかけて設定が盛られに盛られた江戸っ子ヒロイン、ツクヨミの明日はどっちだ。

 

あとこれも全然関係ないんですが、王の後継者になれなかったために兄弟を呪うという展開は『金色のガッシュ!』のゼオンを彷彿とさせます。ぜ、ゼオンだ~~~とスウォルツ氏を見て懐かしくなっちゃった。記憶を消してどこか見知らぬところへ放り込む所とかも同じだしね。最期には誤解が解けて力を託し、オーマジオウを倒すという展開が...。いや、無いか。

 

金色のガッシュ!! (27) (少年サンデーコミックス)

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ツクヨミに関しては、記憶を失って飛ばされた直後の物語が見たいな。どういう経緯でレジスタンスに参加したのか。あ、書いてて思い出したけどツクヨミがソウゴの孫説消えた。いよいよオーマジオウの影が薄くなってきたぞ。

 

 

『ジオウ』、あと5話で完結と秒読みですが、どこに行き着くのか全くわかりません。楽しい楽しい言いながら見てるけど、ちょっと心配になってきちゃった。これも平成ライダーらしいっちゃらしいか。まあでも、平成ライダーの最終作なんだし、しっかりきっちり終わらせて成仏してくれよな!!!

 

そして明日は夏映画初日!土曜に行くのでSNSからはドロン!!ネタバレは絶対に踏まねえぜ!!!(鬼の形相でアンインストールする図)