先日「ベスト!モーニング娘。20th Anniversary」が発売されまして、早速購入しました。2007年発売の35thシングル「みかん」から昨年の66thシングル「フラリ銀座」まで余すことなく収録された、モーニング娘。の後半10年間の決定版。20年もやるとシングル曲A面だけで30曲近くもあるんですね。圧巻です。
初回限定盤BだとシングルのB面C面の曲までも収録されて4枚組64曲(!)という大盤振る舞い。最近ハマった私にはピッタリですが、ど〜〜してもロッキンの映像が観たかったのでAを購入。や、もしかしたらいずれまた買うかもしれませんが。ロッキンの映像は本当に大満足の40分間で昇天しました。そのお話はまたいずれ...。モー娘。初心者にぴったりすぎるセトリでもあるので、絶対に見てほしい名ライブです。
ベスト!モーニング娘。 20th Anniversary (初回生産限定盤A) (Blu-ray Disc付) (特典なし)
- アーティスト: モーニング娘。'19
- 出版社/メーカー: UP FRONT WORKS Z = MUSIC =
- 発売日: 2019/03/20
- メディア: CD
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ベスト!モーニング娘。 20th Anniversary (初回生産限定盤B) (特典なし)
- アーティスト: モーニング娘。'19
- 出版社/メーカー: UP FRONT WORKS Z = MUSIC =
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モーニング娘。の世界に入り込んでからもうすぐ1年。最初はゆるゆると副業的に眺めていたのが、気付けばアルバムを買い、ひなフェスの為にdTVとニコ動プレミアムに登録するほどのめり込んでおります。それほど魅力的だった......というお話は以前甘夏さんの「人生日々ハイテンション」にてお話させていただきました。
→あらゆる「推し事」の世界をインタビューで切り開こう!という素敵な企画です。もう1ヶ月経ってしまった...こちらのブログでもっと早くお知らせすべきでした。その節はお世話になりました!!
そんなモーニング娘。の下半期を振り返るようなベストアルバムを聴いて、よりグッと引き込まれたわけですが、こちらのベスト盤、もう一つ美味しいポイントがあります。そう、新曲が2曲収録されているのです。やったー!
その一つが「I surrender 愛されど愛」。愛って楽しいばかりじゃないんや、残酷で複雑で儚いんや、でもやっぱり無きゃダメなんや~~!!と愛の色んな側面を感情的にぶつけたアッパーな1曲。イントロの激しいギターもさながら、冒頭の歌詞が「大好き 大好き 超大嫌い 最低 最悪 But 好き」と、矛盾した気持ちを勢いよく叫ぶ衝動的な入りです。
【ハロ!ステ#281】モーニング娘。'19LIVE、アンジュルム 最前列特等席LIVE&最新MV公開! MC:山岸理子&浜浦彩乃
PVも公開中ですが、やっぱりライブを見てほしいですね。ハロ!ステ第281回の6:25より。もう痺れるカッコ良さです。たったの2:59しか無いので一気に突き抜けられます。我が推し・あかねちんもサビの最後で美味しいとこ持ってっているので見逃し厳禁。
さて、もう一方の曲が「恋してみたくて」。こちらもつんくさんによる作詞・作曲です。ガラリと雰囲気が変わり、ひったすらに'KAWAII'が詰まった1曲。いや本当、同じ人が書いて同じ人達が歌ってんの!?!?と衝撃を受ける早変わりっぷりですよ。
イントロからもう「甘々~~~!!!」と心のIKKOさんが指を振りましたし、キュートな我が推し・あかねちんの入りも完璧です(iTunesだとギリ30秒に入らぬ!!グググ)。そして注目は歌詞。
恋してみたくて、恋に憧れて、半年間彼氏さんと付き合った女の子が、デレデレな心境を綴っています。いや甘々すぎて萌え死ぬわ......。これを今をときめく女の子達が可愛い声で歌うからさあ大変。ホイップクリーム増量のパフェのような甘さです。サビ前の「この胸の中の空間ほとんど彼氏さんだ」って半端ないって。そんなこと言えへんやん普通。
また、映像は公式から流れてないのですが、ライブのダンスも素晴らしい。各メンバーが2人ずつで抱きしめ合ったり、見つめ合ったりと可愛い仕草がひじょ~~~~に詰まった1曲なんですよ。目がいくつあっても足りないくらい、ステージ上であらゆるCPのイチャイチャが繰り広げられてもうたまらん。ここ最近のライブでは必ずやってますし、この曲が収録された飯窪さんの卒コンが丁度4月10日に発売されましたのでどうか見てください(突然のダイマ)。
【Amazon.co.jp限定】モーニング娘。'18コンサートツアー秋〜GET SET, GO! 〜ファイナル 飯窪春菜卒業スペシャル(Blu-Ray)(オリジナルポストカード付)
- 出版社/メーカー: アップフロントワークス(ゼティマ)
- 発売日: 2019/04/10
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(追記 2019年4月17日)
ついに公式から映像の供給が!!!!是非ご覧ください!!!!ぎゃわいい!!!!
とまあこんな感じでどちらも素晴らしい楽曲なんですが、やっぱりこの2曲を同時に新曲として発表したことに意味があると思うんですよね。
全然話は変わりますけど、以前就活期にESをたくさん書いてた時、こんな内容の設問がありました。
「あなたが考える「恋」と「愛」の定義について、それぞれ20字以内で答えよ」
...何でこんなこと聞くねんと思ってこの会社のESは出さずじまいだったのですが(オイ)、今回「愛」についての曲と「恋」についての曲を連続して聴くことで、この問いの解って何なんだろうな~~~とふと思ったわけです。
ESを書く時に考えたのは、「深さ」もしくは「重さ」の違い。「恋」って何だか軽い、といったら誤解を招きそうですが、好意の抱き方が比較的浅いのかなって印象があります。あの子が好き、付き合いたい、キスしたい。そんな感じ。
一方「愛」って重い印象があるんですよね。好意を抱いた相手と深く密な間柄になりたい。時には交わりたい。そして末永く付き合い、結婚して子供を産んで一生幸せでいたい......というような。
とはいえこの書き方だと「深さ」「重さ」以外に「時期の長さ」とか「行為がどこまで進んだか」などといった要素も加わっていて、結構ぼんやりしていますね。だから「深さ」だけで考えるのは回答としては弱そう。他に思いついたのは、「愛憎」という言葉があるように、暗い感情も混ざってくるという点ですかね。こういうことを色々ひっくるめて、「恋」と「愛」には定義の違いがあるのかな~と緩い頭で考えていました。
せっかくなので辞書でも引いてみましょう。
こい〔こひ〕【恋】
1 特定の人に強くひかれること。また、切ないまでに深く思いを寄せること。恋愛。「恋に落ちる」「恋に破れる」
2 土地・植物・季節などに思いを寄せること。
「明日香川川淀さらず立つ霧の思ひ過ぐべき―にあらなくに」〈万・三二五〉
あい【愛】
1 親子・兄弟などがいつくしみ合う気持ち。また、生あるものをかわいがり大事にする気持ち。「愛を注ぐ」
2 (性愛の対象として)特定の人をいとしいと思う心。互いに相手を慕う情。恋。「愛が芽生える」
3 ある物事を好み、大切に思う気持ち。「芸術に対する愛」
4 個人的な感情を超越した、幸せを願う深く温かい心。「人類への愛」
5 キリスト教で、神が人類をいつくしみ、幸福を与えること。また、他者を自分と同じようにいつくしむこと。→アガペー
6 仏教で、主として貪愛(とんあい)のこと。自我の欲望に根ざし解脱(げだつ)を妨げるもの。
キリスト教とか仏教とかそういうとこは置いておいて。意外にも、恋の項に「切ないまでに深く思いを寄せること」とありました。恋の第1項と比較するとしたら、愛の第2項だと思うのですが、そこには「特定の人をいとしいと思う心」とあります。一方で恋は「特定の人に強くひかれること」。この辞書だけみたら、恋の方が強く深い印象を持ちますね。かといって「愛」が浅いというわけではなく、「温かみ」辺りの要素を持つ印象......。
...何だかアフィブログでよくある「恋と愛の違いって何?調べてみました!」みたいな展開になってきたのでストップ。
つんくさんが今回描いた「恋」と「愛」は(一側面であるとはいえ)、前者が甘く優しく一途で、後者が苦く鋭く多面的という違いが、詞にも曲にも見受けられました。それらを全く同じメンバーに歌わせることで、女性の裏表・明暗・純不純といったあらゆる側面を描き出そうという試みがなされているように思うのです。
まあでもそれは今回だけでなく、これまでずっとやってきている事。じゃあ過去にどんな「恋」と「愛」の曲があったんじゃ~ということで、調べましたよ。全曲は多すぎるのでシングル曲のA面だけでも。
①「恋」「愛」「恋愛」が詞に含まれる曲
・抱いてHOLD ON ME! 「恋して純情 愛して根性」
・Memory 青春の光 「疲れきった恋愛に この部屋のカギをつけて返すわ」「新しい彼女の事 私の様に愛さないで」
・LOVEマシーン 「恋愛っていつ火がつくのか DYNAMITE 恋はDYNAMITE」
・恋のダンスサイト 「恋しちゃおう 夢見ちゃおう」「笑っちゃおう 愛しちゃおう」
・ハッピーサマーウェディング 「愛が足りないなんて甘えたり」「一生懸命恋しました」
・I WISH 「誰かと出会ったり恋をしてみたり」「でも笑顔は大切にしたい 愛する人のために」
・恋愛レボリューション21 「恋をした 寝坊した」「愛ゆえに抱きしめた」「みんなで恋愛革命」
・ザ☆ピ~ス 「最高級で愛そうぜ」「意外な位 すごい恋愛」
・Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜 「恋は時に急発進で 恋は時に急ブレーキ」「今夜誓うよ出来るだけ愛していく」
・そうだ! We're ALIVE 「We're ALIVE SO 恋をするTHE人間」「愛情で包んであげたい」
・Do it! Now 「愛の形はイメージ通りです 恋の行方はあなたと二人です」
・ここにいるぜぇ! 「恋人の夢を知った時」「愛の翼広げ」
・AS FOR ONE DAY 「さよなら恋吹雪」「愛してる?」
・シャボン玉 「「愛する人はあなただけ」って散々愛したな」「恋をするならこの次はあんた名義の恋をしな」
・Go Girl~恋のヴィクトリー~ 「出会ったらすぐ恋になった」「愛をインストールした日は」
・愛あらばIT'S ALL RIGHT 「「恋」は時に苦しい」「「愛する」って尊い」
・浪漫 〜MY DEAR BOY〜 「儚い初恋は叶わないから良い」「愛なら負けない」
・THE マンパワー!!! 「僕らは恋をするのですね」「誰かを愛し 誰かに優しくされ」
・色っぽい じれったい 「恋人からの花束」「この愛を見届けてほしい」
・笑顔YESヌード 「愛し合えば止まらないわ」「近い近い恋のはずよ」
・みかん 「何度か愛に躓き」「初めて恋をした時」
・なんちゃって恋愛 「愛が足りない」「なんちゃって恋愛をくり返す」
・女と男のララバイゲーム 「その恋愛よりももっと上などあるの?」
・ピョコピョコ ウルトラ 「恋したい女の子」「愛されたい女の子」
・恋愛ハンター 「恋のタイミングを逃さない」「愛したげるよ」
・ワクテカ Take a chance 「本気で恋してみろ」「全身で愛してみろ」
・時空を超え 宇宙を超え 「恋に破れて山河あり」「愛しくて 尊さを感じてる」
・青春小僧が泣いている 「恋愛下手って顔に書いてある」
計28曲
②「愛」のみ or 「恋」のみ
・愛の種 「ねえ風に乗り もっと輝いて 愛の種をまきちらしたい」
・ふるさと 「恋はステキね 寂しくなかった」「また恋するけれどいいでしょ」
・直感2 〜逃した魚は大きいぞ!〜 「「振られた」がその次の恋の始まりです」
・SEXY BOY 〜そよ風に寄り添って〜 「愛に任せFall' in Love」
・歩いてる 「胸に愛を抱いて」
・悲しみトワイライト 「恋に落ちていた それが恋とも知らずに」
・女が目立って なぜイケナイ 「恋が始まりそう」
・青春コレクション 「愛があるからそうやって許し合えるんでしょ」
・まじですかスカ! 「愛する人は誰でスカ」
・Only you 「愛の力みせてあげる」
・この地球の平和を本気で願ってるんだよ! 「愛の力 愛の叫び」
・One・Two・Three 「愛してる」
・わがまま 気のまま 愛のジョーク 「愛はきっと罪深い」「愛はもっとほろ苦い」
・What is LOVE? 「愛し合って 疑って」
・邪魔しないでHere We Go! 「愛の意味も今要らない」
・Are you happy? 「愛の貯金なんて出来ないよ」「今日は今日の愛」
計16曲
③歌詞に含まれない曲
・サマーナイトタウン
・モーニング娘。のひょっこりひょうたん島(つんく詞ではない)
・女子かしまし物語(メンバー紹介曲なので除外)
・大阪 恋の歌(タイトル以外言ってない)
・Ambitious! 野心的でいいじゃん(「恋人」くらいしかない)
・リゾナントブルー
・泣いちゃうかも
・しょうがない夢追い人
・Help me!
・TIKI BUN
・泡沫サタデーナイト!(津野米咲が作詞のため除外)
・セクシーキャットの演説
・ジェラシージェラシー
・フラリ銀座
計23曲
インディーズの「愛の種」を含む全67曲*1を、①「恋」「愛」が両方、もしくは「恋愛」が歌詞に含まれる曲、②「恋」「愛」のどちらかが含まれる曲、③どちらも無い曲の3種に分けたのが上記になります。...いや~シングルだけでもめっちゃ曲あるよね(息切れ)。
色々考察し甲斐があるデータですが、とりあえず気がついたのは以下のポイント。
・期間の違い
まずはシンプルに、付き合っているかどうかという時期の違い。「恋」は付き合う前や付き合いたて、「愛」は付き合った後の状態を示す言葉として使われています。
わかりやすいのは「Go Girl~」。「出会ったらすぐ恋に」なり、「運命の恋愛」を感じたので、「愛をインストール」した日には誰かに私の素顔を自慢したいと、とある女の子の気持ちを歌っていますね。流れとしては、「恋」が付き合う前で、「愛」が恋が報われた後ということです。他にも「愛をインストール」や「あなた 恋愛大臣なら 世界中を愛で埋め尽くして」とか面白い詞が見られますね~。つんくさんの言葉選び、女の子の無邪気なおバカ感の再現性が高い。
あと「シャボン玉」も時期が分かりやすいかな。「愛する人はあなただけ 誰も邪魔させない」と現在進行形の愛を語ってるのかと思いきや、道重さん(最近はあかねちん!)の「なのに、どこ行ったんだよ~!!」で過去のものだったと痛快なネタバラシ。そしてAメロBメロで女の不満をたっぷり吐き出した後、「待っていたって戻らない すべての恋はシャボン玉」「恋をするならこの次はあんた名義の恋をしな」と、次の「恋」はちゃんとしろよと力強く主張しています。ここでも「愛」は成就後、「恋」は成就前を示していますね。
・対象的な意味合い
例えば「抱いて HOLD ON ME!」では「恋して純情 愛して根性」という歌詞において明確に比較しています。こういう詞は他の楽曲にも見られ、「Do it! Now」では「愛の形はイメージ通り」と「恋の行方はあなたと二人」、「愛あらばIT'S ALL RIGHT」では「「恋」は時に苦しい」と「「愛するって尊い」」というような感じで対比。「ワクテカ Take a chance」でも「本気で恋してみろ」「全身で愛してみろ」とあり、どの曲でも「恋」「愛」は微妙にニュアンスが違うということを表現しようとしているようです。
まあ「愛」といっても家族愛や人類愛もあるのでそこはまた微妙に違ってきますが、少なくともどの曲でも、「恋」の方が純真でストレート、「愛」の方が根強くてパワフルで深い、という意味合いの区別を打ち出しているように感じます。恋は純情で愛は根性がいるって区別のつけ方は端的で好きだなあ。シンプルに定義をまとめ上げる能力は流石です。
モーニング娘。 『抱いてHOLD ON ME ! 』 (MV)
モーニング娘。 『ワクテカ Take a chance』 (MV)
・2009年以降明確に「恋愛」の言葉を避けている
話は脱線しますが、ここでは③に注目。シングル曲の歴史をたどってみると、2009年あたりから「恋」「愛」のフレーズをハッキリと使わないようになりました。具体的には、今回のベストアルバムに収録されている「泣いちゃうかも」あたりから。
「泣いちゃうかも」や「Help me!」といった楽曲はまだ「恋愛」というか「失恋」「不倫」がテーマですが、「気まぐれプリンセス」「ブレインストーミング」「TIKI BUN」あたりからはどんどん「女の子の生き方」がテーマになっていき、「恋愛」というテーマからも抜け出していきます。「時代を読み取れ」という言葉を体現するように、その後も「TIKI BUN」「Oh my wish!」「セクシーキャットの演説」という楽曲を通して、様々な女の子像を打ち出していったのです。
モーニング娘。 『ブレインストーミング』(Morning Musume。[Brainstorming]) (MV)
モーニング娘。'16『セクシーキャットの演説』(Morning Musume。'16[Sexy Cat’s Speech])(Promotion Edit)
...とそれっぽく語りましたが、何も恋愛に関する曲を歌わなくなったわけではなく。「What is LOVE?」「わがまま 気のまま 愛のジョーク」「Are you happy?」と続々と恋愛絡みの楽曲は発表されています。でもそれらの曲も、初期のようにシンプルなフレーズで表す方向から、様々なフレーズで婉曲的に恋愛を表すように舵を切った印象。そんなつんくさんのチャレンジを体現するのが、かつてのレジェンド達がひとりもいなくなった「今」のモーニング娘。達、というのは歴史あるグループだからこそ為せる技だなあと思うわけです。
ベスト!モーニング娘。 20th Anniversary (通常盤) (特典なし)
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- 発売日: 2019/03/20
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長々と語ってきましたが、翻って今回の2曲。様々な恋愛を描いてきたモーニング娘。が、今改めて「恋」と「愛」を歌い、2つをハッキリ分けて歌った意味とは何なのでしょうか。そのキーワードは'updated'にあると私は考えています。
つんくさんの描く「恋愛観」や「女の子観」は、上記のように時代に即して更新されてきました。「時代」とはもちろん「社会」「世の中」を意味していますが、それだけではなく「モーニング娘。のメンバーの入れ替え」という物理的な事象も含めてです。メンバーが変わるというのは、単に歌唱力やダンススキルが変わるだけでなく、グループ全体の雰囲気やカラーそのものが変わることも意味しています。例えば、かつてのモー娘。が歌う「シャボン玉」と今のモー娘。が歌う「シャボン玉」は似て非なるものです。
ならば、新しいカラーや価値観へと’updated’された「モーニング娘。'19」に「恋」と「愛」を歌わせるとしたら、どういう言葉が良いのだろう?どういった雰囲気が良いのだろう? そういった試行錯誤をした結果、「恋」「愛」の2つにハッキリと分けて、雰囲気をガラリと変えて歌わせてみよう! という答えにたどり付いた結果が、新曲2曲だと思うのです。いや、まあつんくさんならもっと深い意味合いを持って2曲作っていそうですけどね...ライナーノーツ読みたい...。
何だか結論が尻すぼみになってしまいましたが、そんな歴史や価値観の’updated’に想いを馳せながら今回の2曲を続けて聴いてみると、彼女達のパフォーマンスがより一層深く感じられるように思います。
あんなに可愛く「恋」を歌う女の子が時には「愛」に傷ついているのかもしれないな、とか、「I surrender!」と叫んだ女の子でも時には「恋」にときめいているのかな、とかね。この2曲の主人公が同じとは限りませんけど、こうやって「女の子とはこういうもの!」と押し付けずに、多面性を見せてくれるところが、モーニング娘。というグループの魅力だと思うのです。
......ということで、「ベスト!モーニング娘。20th Anniversary」、大好評発売中です!!!!!!!!買おうぜみんな!!!!!!