零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

仮面ライダージオウ EP47「2019:きえるウォッチ」感想

 

EP47からついに始まった世界の崩壊。集めた19のウォッチがヒビ割れた事を契機に、『ジオウ』時空に大きな歪みが生じてしまったのです。スカイウォール、風都タワー、ユグドラシルタワーと、次々生えてくる歴代ライダーのシンボルズ。絵面的にはシュールですけど、当事者らにとっては大ピンチ。いよいよ、平成ライダーを締めくくる最終章が始まりました。

 

 

 

 

 

 

世界の崩壊

テレビ本編、冬映画、それと夏映画も含め、平成ライダーのウォッチを集めきったソウゴ達。白ウォズのノート越しにオーマジオウが伝えた「ウォッチを集めよ」という言伝が達成されたら、いよいよ2068年に飛び、立ち向かう展開か...?と考えていましたけど、違う方向に向かったようです。あくまで倒すべき敵はスウォルツ、そして『ジオウ』の世界。

 

ソウゴが改めて生成した各ライダーの世界は、力の継承、つまりライドウォッチによって保たれていました。その力が壊れれば、当然世界の均衡は崩れる。ただし、歴史が消えるとかではなく、世界が融合するという形で。『ディケイド』理論を持ち込んだからこその展開ですね。個人的にはウォッチのヒビ割れの隙を突き、アナザーライダーズが送り込まれるとか、歴史を修復するためにソウゴ達が尽力するとかで良かった気がするけど、致し方無い。

 

実際問題、歴代の敵が攻めてくるという展開は、ヒーローものとして分かりやすく気持ちが良い。ワラワラと出現する敵怪人に、立ち向かうソウゴ達という絵面がまさにクライマックスです。ただまあ、ドーパントとゾディアーツみたいに人間が変身するタイプの敵は、何で生えてくるねん!と突っ込みたくなりますが(笑) その点、インベスはバッチリハマって良いですね。世界を侵略する敵としてぴったりの人選(怪物選?)

 

 

世界のおわり はじまる侵略
 

 

 

その怪人達の中に一人紛れ込んでいた、見覚えのある機械人間。歴史上では仮面ライダーチェイサーになったはずのチェイス/魔進チェイサーです。彼も彼とて、怪人軍団の先陣を切る敵として他ならない人選...。いや~やっぱり魔進の方が大好きです。あの濃い紫と髑髏がね、アウトローな感じで男心くすぐるよね。

 

そんな彼は春映画のような雑魚怪人ではなく、本物のチェイスとして登場しました。厳密に言えば、『ドライブ』の歴史がなくなった状態のチェイス、でしょうか。「仮面ライダー」を認識していませんでしたし。しかし、時空も歴史も歪みに歪んだ今、彼の記憶は混濁しており、「詩島剛」という言葉に自然と反応してしまいます。忘れられない、忘れてはいけない記憶。ああ、自分も昔このシーンで号泣したなあ...。

 

 

 

 

 

歴史が次々と半壊し、続々と現れる怪人達。『ディケイド』の時以上に、世界の崩壊は必至な状況です。

 

 

スウォルツの陰謀

そんな世界の崩壊を招くことになった最大の原因。というか、最も根幹にあったスウォルツの陰謀は、「自分の世界を守る」という一点の目的のためだけに、計画・実行されたのでした。

 

確かに自分の世界が消えるという事実に対する恐怖は同情できる。しかしだからといって、他の世界を滅ぼそうなんてことは言語道断です。20の世界を1つにまとめて破壊すればOK!という理屈は謎すぎますが...。仮面ライダーがまるで地球そのものみたいな言い方。スウォルツの世界以外にもライダーがいない世界はあると思うんですけどね。ただまあ、彼にとっては都合が良かった、と。

 

この時の地球がぶつかって一つになるビジュアル、『ディケイド』の渡のやつと同じで「あ、あれだー!」と笑ってしまいました。夏映画における平成元年の地球爆破といい、昨年の『ビルド』のクライマックスといい、地球さんのお強いイメージ映像には毎度お世話になってます。

 

 

スウォルツの目指す先は、世界の保守と王座の奪還。そんなことはソウゴ達に関係ないことですが、「ツクヨミが消える」という点だけは気になります。未来を切り拓こうとソウゴと共に戦ってきた、大事な仲間の一人。せっかくできた友達を、こんな卑劣なヤツのために失いたくない。しかし、ヤツの言葉は真実...。複雑な状況です。

 

ツクヨミを失わず、スウォルツを倒し、19のライダーの世界を救う。そのためには、士の言う通りにして、『ジオウ』の世界を破壊するしかないのか。それともまだ別の道があるのか...。ここで見つかるのが、オーマジオウの道というわけですか。

 

その選択が世界をどういう方向へ導くのか。そしてソウゴは、最低最悪の魔王ではなく、最高最善の魔王になれるのか。世界の崩壊を前にして、中々にハードモードです。

 

 

 

 

士と海東

しかしまあ、今回は『ディケイド』成分があまりに強かった。展開もそうですけど、士くんと海東のやり口とか関係性とか、色んなところで成分100%でした。脚本の下山さん、海東に対する理解度高すぎか。

 

いや、テレビの前で「マジか...」と唖然としてしまうほど、今回の海東は気持ち悪かったですね。非常に海東らしく、訳わかんなくて、ね...。士がまさかの死亡という衝撃の舞台に、何の脈絡も無く現れ、アナザージオウⅡウォッチの時間逆行能力を使用し生き返らせる。難なく生き返らせると、その力の副作用に苦しみ出し、「士の命っていうお宝奪うぜ!」ってオイオイ。お前本当に操られてんの?ってくらい海東でした。

 

相手をする士くんの無茶苦茶感も負けていません。「ディケイドの力は半分だけ残しておいたんだぜ」という超理論、何処で手に入れたのか不明なまま変身したディケイドジオウ。「ジオウにはジオウだ」って相変わらずの理解力で、グランドジオウと共に海東を追いつめました。めんどくさそうに海東に手を貸す士と、「感謝の言葉は口にしたまえ」と手を取らない海東。お、俺は『ディケイド』を見ている......???ポルナレフ状態です。

 

 

ディケイド

ディケイド

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なんかもう、士も海東も気持ち悪すぎます(褒めてます)。こんな訳分からん奴らが10年前に1号と2号をやっていたんだなあ...。

 

SNSで誰かが呟いていたのですが、士くんのテレビ出演は『ディケイド』本編と『ジオウ』登場回を通算したら、31話+16話で47話分になるらしいです。『ウィザード』特別編を加えると48話。半年しかなかった番組の主役が、ここにきて他の主役と並ぶという偉業を達成しました。おめでとう。しかしこれ、もはや準レギュラー枠だったよね(笑)

 

他番組だというのに、番組を破壊する勢いで大活躍したディケイド、ディエンド。ラストで士くんが呟いた、「この世界を破壊する」という言葉は、彼が言うと凄みがあります。果たして、『ジオウ』の世界は破壊されてしまうのか? いよいよ残り2話。

 

 

第30話・特別編「ライダー大戦・序章」

 

 

ということで、連日の『ジオウ』感想、今回はEP47でした。あと1本書けば追いつく!

 

勢いとその時の気持ちで書き上げてきたため、あまり考察のようなものは出来ずじまいな1年でした。途中数話まとめて書いたり、雑になったり、溜めてしまったり...といったこともあり、感想ブロガーとしては雑な部類だったのではないかと思います。反省だらけ。

それでも読んでくださった皆様には感謝しかありません。本当にありがとうございます!『ゼロワン』やるとしたらもっと密なものを書こう!!

 

完結ムードな書き方ですが、あとはEP48と、日曜のLAST。まだ『ジオウ』は、平成ライダーは終わっていません。この終わりへのカウントダウンと、日曜の30分をしっかり噛み締めて平成に別れを告げようぜ。GOOD BYE 平成。THANK YOU 平成。

 

平成ライダーの終焉まで、あと2ページ。