零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

積んで、崩して。(2020年8月)

先日「積ん読」の話をしてから、読書感想文をブログに残してみたいという思いが生まれました。だけど、1冊につきそんなに長く書くのはしんどいし、一度始めたら止まれないという恐さがあります。毎話感想や連載企画っぽい代物も頓挫してしまいがちですし...。(「ゆるっと、アイドル。」も「ハロメンと私。」もいずれ再開したいとは思ってますが!!)

 

exloyks.hatenablog.com

 

しかし、短い感想を軽めに並べるだけなら、読み終わったタイミングで書き残しておけば、ストックは溜まっていくんじゃないかと、楽に続けられるんじゃないかと思い、8月より月イチゆるゆる読書感想文を始めます。しかし、「8月に読んだ本」をただ書くのではなく、テーマは「積ん読」。積んだ本を並べ、崩した(=読み終えた)本を並べていくような形で続けていこうと思っています。せっかく本を読んだのに、そこで得たものをその日限りで捨ててしまうなんてもったいないですし。Twitterだとすぐ流されていってしまうので、記録を堰き止めておくためのプラットフォームです。

 

 

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目次説明

①「積んで、」:今月分までの積ん読。先月からの繰越分も含む。

②「崩して。」:先月までに積んで、今月崩した(読んだ)本。

③「積んで、崩して。」:今月積んで、今月崩した本。

 

このような分別をし、①については軽く紹介、②、③については感想を放流していきます。購入時期とか購入場所はその時の気分で。それではどうぞ。

  

 

積んで、

計:12冊 

 

「好き」の因数分解

「好き」の因数分解

  • 作者:最果 タヒ
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

自分の「好き」を感情100%そのままのかたちで言語化する、という私の永遠の課題。そのヒントを、人気詩人の最果さんから拝借しようと思い購入しました。そんな目的抜きにしても、「好き」一覧の中に「ゆらゆら帝国」や「NUMBER GIRL」、「カルテット」がいた時点で買いでした。てかちょうど先週の土日に「カルテット」一気観したんですがハマりすぎてみぞみぞしっぱなしの日々です。あとすいません、最果さんのこと「さいかたひ」って読んでました。さいはてさんごめんなさい。

 

 

 

新書コーナーで目についたので購入。「国語文法」についてどんな切り口で説いてくれるのか楽しみ。

 

 

応用情報処理試験勉強の一環で購入。基本情報レベルの話だけど、何となく暗記してきた部分を今一度固めておきたいな〜と思い、ビジュアル多めで読みやすそうなこの本をチョイスしました。

 

 

 

最近フェミニズムの勉強を少しずつ進めています。歴史は長いし、男性故に完全な共感は難しい分野ですが、「ツイフェミ」とか、それを嘲笑う外野とか、そういう人間達に迎合しないためにも、腰を据えた丁寧な学びが必要かと。とはいえこちらは比較的ライトな特集で、『違国日記』のヤマシタトモコ先生インタビューや、生田衣梨奈ちゃんが大ファンを公言する『GALS!』の論考など、ポップカルチャーを切り口としたものが多めです。もちろんカッチリとした内容が大半を締めますし、色々ググりながら根気よく読む必要がありますが、ライトな入り口から入って「面白い」と思うところから、ちょっとずつはじめていこうと思います。

 

 

思想をかたちにする 上野千鶴子対談集

思想をかたちにする 上野千鶴子対談集

 

 

吉祥寺の古本屋「百年」で購入。フェミニズム関連、ってつもりは特にないんですけど、上野千鶴子氏の名前を見て何となく手に取りました。1つ目の対談を読み終わったところだけど、自分の予備知識が足りなすぎて全然理解していないところがたくさんあります。ゆっくり時間をかけて、何なら氏の先行研究を手に取りながら進めていきたいです。

 

 

以下積み残し枠。

西加奈子サラバ! (上)』(2017年)

松浦理英子『奇貨』(2015年)

・辻村七子『宝石商リチャード氏の謎鑑定』(2015年)

・宇野維正 、田中宗一郎『2010s』(2020年)

宇多丸高橋芳朗、DJ YANATAKE、渡辺志保『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』(2018年)

・田中道昭『GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略』(2019年)

三上延ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~』(2018年)

 

『配色アイデア手帖』と『ワールドトリガー』『鬼滅の刃』のデータブック、『SPEC公式解体新書』といった図鑑系はその都度齧るものなので完読諦めました。雑誌の『BRUTUS特別編集 合本 危険な読書』、参考書系の『ふたたびの高校数学』も同様。積ん読カウントからも外します。てか積ん読ほぼ消化してない...そのくせ増えていく...。来月は出費抑えます頑張れ。

 

 

 

崩して。

計:2冊 

 

 

野中さんの個人史に始まり、個性豊かなZINESTER達のインタビュー、そしてZINEのイベント紹介など、一冊だけで「知らない世界」をたっぷり知ることができました。皆さん熱意がすごい。お金のやり取りが発生しないくらい小さなメディアだからこそ、その人の個性を自由に色濃く出すことができて、全国流通されないからこそ、一期一会のエピソードが生まれる。ハマったら一趣味としてめちゃくちゃ楽しいだろうなって思います。「自分新聞」や緩めのイラスト系、社会正義を主張するためのツールとしてのZINEなど、なんでもあり、だれでもできる、そんな枠のなさが、今の時代だからこそかえって魅力的に映るのではないでしょうか。

 

 

 

あ〜〜も〜〜〜この漫画好き〜〜〜〜〜。今一番続きを楽しみにしている作品です。完結前の段階で既に人生5本指に入れたいやつ。承認欲求が止まらない朝と、新たな恋が芽生えたえみり。親友である2人の精神年齢にズレが生じ始めた高校2年の時期、どういう方向に成長していくのか楽しみであり怖くもあります。槙生ちゃんが同業作家さんに言われた「親子は悪魔の契約みたいなもん」という言葉が頭に残って離れないのですが、槙生ちゃんが朝を引き取った時点でそういうことですよね〜〜親としての責任!難!!いろんな関係性を肯定してくれるやさしさがこの漫画の好きなところですが、「今はよくても将来は?」という問題をどう解決するのか気になるところです。叔母と姪。年の差ぐらし、1年。さて、2年目はどうなることやら。

 

積んで、崩して。

計:6冊 

 

死にがいを求めて生きているの

死にがいを求めて生きているの

 

 

吉祥寺の古本屋「百年」で購入。その翌日一気に読了。『何者』『何様』以上に、いやぶっちぎりで心をえぐられる話でした。「自意識」がテーマの話を書かせたら朝井リョウの右に出るものいないでしょ。

 

常に「生きがい」を求めて生きる青年と、「生きがい」なんてなくてもいいと一歩引いて物事を測る青年。明らかにタイプが真逆なのに、彼らは何故幼少期からずっと一緒にいるのか。あらすじに書かれた「歪な真実」が予想を超えた歪さで、かつ生々しく迫りくるものだったので、終盤を読んでて吐きそうになりました。「こんな人間いるな〜」思いつつ、「俺もそうかもしれない」と共感してしまう恐怖。誰かを敵とみなして生きている心地を得るのではなく、ちゃんと自分に向き合って、相手と対話していく、そんな丁寧な姿勢を保つことが、良い人生を送る上で大切なんだと思います。とても大変で苦しいことだけど、それでも。

 

  

わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)

わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)

 

 

残業続きの忙しい週明け、書店で目についたので購入(動機がわかりやすい!)。しかし自分には合わない内容だったかな〜〜。求めていたものと違った。ブラック上司も社畜元カレもクソ真面目同僚もゆとり後輩も何なら定時上がり主人公も、全員コテコテにキャラクタナイズされすぎてて、読んでてストレスでした。割り切ればラノベ的な面白さはあったけど、ブラック上司の打開策といい、元カレとの和解方法といい、何だかなぁ。

 

 

 

今朝Twitterで読んで面白かったので早速購入。自分みたいに興味を持ったら即購入する人間はたくさんいるから、「〜の話」っていう宣伝ツイートもバカにならないですね。受刑者である美容師さんとの交流を通して、周りの人びとが何か新しい自分を発見していく心温まるお話で、どのエピソードも読後感が最高です。男性だけど、叶うことならあおぞら美容室に行ってみたい*1。お婆ちゃんのモヒカン事後絵、お待ちしております。

 

 

 

 

 

...「てかお前Twitter見てんじゃん」とか言わないでください!!煙草だって止めるのには一苦労するでしょ!!!

 

 

LGBTとハラスメント (集英社新書)
 

 

こちらも最近話題の新書ですね。LGBTについては知人の学生団体からある程度学んできましたが、SOGIハラスメント性的指向性自認に関するハラスメント)に関する知識やそれに関する法律についてはあまり知らなかったので大変勉強になりました。飲み会等の場でのいじりは論外として、無自覚な発言や善意によって相手を傷つける結果を生まないよう、当事者の方々がどのような環境にいるのか、どんなことを考えているのかについては、私たちひとりひとりが丁寧に理解する必要があると思います。義務教育から導入され、教える側も教わる側も「普通」のこととして理解できる世の中が訪れたら良いんですけどね...。*2自分も無知故の偏見を少しずつ無くすために、日々勉強します。

 

 

 

こちらもTwitterで第1話が話題になったこと*3が頭に残ってて、ふと本屋で見かけて購入しました。1話で加害者の娘だとわかった雨嶺の正体、普通だったらしばらく隠されると思うんですがそういう展開はばっさりカット。被害者と加害者でダブルスを組み運命と戦っていく、というのがメインテーマだそうです。明らかに人格歪んでる天道には今のところノータッチなんですけど、絶対何か裏あるでしょ。何かと疑ってしまうギスギス感はさすがマガジンですね。『神さまの言うとおり』が終わった時にマガジンからは離れていたのでなんだか久しぶり。

 

 

www.elineupmall.com

 

「読み物」としてカウントするものではないんですけど特例で許してください。BEYOOOOONDS島倉りかちゃんの写真集、写真集苦手な自分でも全然大丈夫でしたしそれどころか満足度120%です。こういうのが欲しかった。水玉ワンピと喫茶店とメロンソーダ、このゾーンが強すぎて一生眺めてたいです。あとやっぱり写真集は笑顔大事!!! 守りたい笑顔大感謝祭!!!!!

 

 

 

*****

 

 

省エネ上等、何でもありの読書感想文「積んで、崩して。」でした。また9月にお会いしましょう。9月は読書の秋ということで、涼しげな季節に身を任せ、目の前に積まれた山を少しずつ崩していきますね。暑かったら諦めそうだから、早く涼しくなあれ。 

 

 

 

*1:モデルとなった美容室は笠松刑務所の「みどり美容室」。他にも美容室がある刑務所は全国各地に実在するそうです。残念ながらコロナ禍のため8月から営業停止となってます。そういえばコロナ禍の刑務所ってどんな状況なんだろう。

笠松刑務所

笠松刑務所 みどり美容院へ | りふぁてぃ

*2:と書きましたが、今年の中学教科書から「性の多様性」に関する記述が増えているそう。一歩ずつ進んでいるようですね。現場はどういう反応をとったのか聞いてみたい。

来春からの中学教科書で「性の多様性」についての記述が大幅に増えることが明らかに | LGBT研修・セミナー・マーケティングのOUT JAPAN Co.Ltd.(アウト・ジャパン)

*3:kansouさんの記事を読んだんだった気がする

www.kansou-blog.jp