2014年以来毎年10月10日に行われているイベント、「Juice=Juiceの日」が今年も無事開催されました。
今回の目玉は、元こぶしファクトリーの井上玲音がJuice=Juiceとして初めてステージに立つ点と、卒業がまさかの延期となりエクストラステージを歩んでいる宮本佳林にとって"最後のJuice=Juiceの日"である点。後者については、本人から「去年は卒業発表前で"最後"と言っていなかったので、こうして"最後のJuice=Juiceの日"を迎えられて良かった」と感慨深げに語られました。
本来なら「宮本 OUT 井上 IN」とすれ違うはずだった2人がまさかの合流を果たし、幻の9人体制で迎えたJuice=Juiceの日。奇跡的な90分間のライブレポートです。
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8人体制との再会と9人体制への乾杯
出囃子の中登場したのはれいれいを除く8人。この8人のシルエットを目にすることさえ半年ぶりなわけで、久しぶりの再会に目を潤わせたファンは多いだろう。前列4人、後列4人のソーシャルディスタンス場位置ではあるが、定番ナンバーの「わた抱き」を披露し初っ端からアクセル全開。コールをすることはできないが、ペンライトと手拍子、小さめのフリコピでメンバーに声援を送る。この演者ー観客間の交流こそ私が求めている現場だ。
2曲目は何気に生披露は初となる「好きって言ってよ」。Juice=Juiceの大人の魅力が詰まった楽曲だ。歌割りが激しく移り変わる曲なので、推しが定まっていないと目移りして大変だ。まなかんの色気に惹かれたり、佳林ちゃんの〈ブランケット〉に萌えたり、かなとも特有のねっとりとした声が耳にこびりついたり。加入歴問わず全員レベルが高いため、時に「ハロプロのアベンジャーズ」と喩えられるのも納得のグループである。ここに井上玲音という別時空のヒーローがクロスオーバーしたらどうなってしまうのか。否応なく期待が高まる。
MCに移ると、井上がステージに招かれ、Juice=Juiceの日恒例の乾杯が行われた。オレンジジュースの入ったグラスを持ったメンバーと、ペンライト等のエアーグラスを持つファン。まなかんが「皆さんの心のオレンジジュースを...」と言いかけて頬を赤らめるなど、和やかな空気の中で記念日を祝う乾杯をした。こぶし組のひとりとして、れいれいの新たな門出を祝うことができて何よりである。
期ごとの色
このまま9人体制で始動するのかと思いきや、ここからユニット曲のコーナーへと移る。トップバッターはオリメン4人による「大人の事情」。いきなりのNEXT YOU曲だ。卒業済、オリメンのひとりである宮崎由加と共に、何年もの研鑽を重ねて成熟した4人だが、なお現状に満足せず限界を超えて伸び続ける。佳林ちゃんが卒業する前、もしかしたらこれで最後かもしれないパフォーマンスをたっぷりと堪能した。
続いて、中堅層と新人層がフレッシュに歌う「如雨露」。キラキラした楽曲をキラキラした目で歌う由愛ちゃんと、フレッシュさを保ちながらも堂々たる面持ちで歌う里愛ちゃんは、加入同期ながら非常に対照的だ。その2人の違いを楽しみつつ、安定した瑠々ちゃん、まなかんの歌声も味わう。オリメン抜きでもJuice=Juiceだ！と思わせてくれる層の厚さに、グループの未来を見た。
この曲に続くMCでも「ゆめりあい」の魅力が前面に出ていた。「井上玲音からJuice=Juiceへ質問！」という、「普通逆では？」と首を傾げたコーナーでは、独特なフリで周りを惑わす里愛ちゃんと、一生懸命に台本を読もうとするもやや空回ってしまう由愛ちゃんが、ここでも対照的な立ち回りで笑いを誘った。
その空気に乗っかったれいれいと先輩たちが、次々とトークを弾ませる。「金澤さんへの接し方」というテーマで、「先入観を捨てよう！」と有効なアドバイスをする瑠々ちゃん、まなかんと、「仲良くなんなくていいよ！」「梅干しあげればいいよ！」「いじればいいよ、やっぱそれ佳林の特権だしダメ！」と指摘が自由すぎる年長組。加入タイミングによる色の違いを楽しめるMCだったが、果たしてれいれいはどのような色に染まるのか。個人的にはれいれいの発言に奇妙な爆笑をした里愛ちゃんを見て、この2人の関係性に注目したいと思っている。全力でふざけ合い、周りから呆れられててほしい...。
"最後の"宮本佳林フィーチャーと"最初の"井上玲音フィーチャー
後半戦は宮本佳林、井上玲音をそれぞれフィーチャーした構成。まずは宮本+段原・稲場ら中堅層チームでアップナンバーの「カラダだけが大人になったんじゃない」をダイナミックに披露。この3人といえば、『TRIANGROOOVE』*1の「LOVE LIKE CRAZY」*2トリオとして印象的なのではないかと思う。その時から2年経ち、ステージ内外問わず深い信頼関係が構築され、息ぴったりのパフォーマンスを見せた。
続いて工藤・松永を加えた「初めてを経験中」。佳林ちゃんの十八番ナンバーで、卒業後は封印される可能性も考えられるが、「ゆめりあい」なら継承してくれるのではないだろうか？と期待を持てるパフォーマンスだった。素のフレッシュさではなく、コントロールされたフレッシュさというか、この曲が持つ可愛さをモノにしていたのではないかと思う。
佳林ちゃんに代わり、いよいよれいれいの登場だ。ここ1ヶ月で耳に馴染んだムーディーなピアノが流れると、「井上玲音がJuice=Juiceの歌を・・・」シリーズが生披露された。まずは植村との「素直に甘えて」。元々色っぽい曲が、新たに録音されたジャズアレンジと、あーりー、れいれいの艶っぽい歌声によって、より色気を増す。一瞬にして、ライブハウスがコットンクラブへと変身した。
軽快なアコギとボイスパーカッションの音源が流れると、高木紗友希が登場し、定番のアップナンバー「CHOICE & CHANCE」を披露。間奏ではついにれいれいのボイパ生披露で、ボルテージは最高潮に達するも、達成感からか〈だ・か・ら〉を忘れてしまう。紗友希ちゃんが「だ」と発音するだけになり、本人達もおかしくなって笑みを溢していた。失敗もあったが、こぶしファクトリーで磨いた武器を新たな戦場に持ち込み、Juice=Juiceの歌姫と凌ぎを削る様には、ひとりのこぶし組として胸が熱くなった。
そしてラスボス・金澤朋子が登場し、難曲「ポツリと」をしっとりと力強く歌い上げる。かなともとれいれいはお互い人見知りであり、未だに心から打ち解けることはできていない。しかし、ステージに立つとその照れ臭さは一切捨て、完璧に混じり合う。そのプロ意識の高さこそJuice=Juiceらしさであり、れいれいも「Juice=Juiceの井上玲音」としてようやくスタートラインに立てたような気がした。
すべては「ロマンスの途中」からはじまる
ユニットコーナーが終わり、ラストナンバーはいよいよ9人でのステージ。井上玲音、宮本佳林も含めて一堂に会し、歌ったのはもちろん「ロマンスの途中」。Juice=Juiceにとってのはじまりの曲を歌うことで、9人のJuice=Juiceがついに始動した。れいれいの歌割りもしっかり追加され、まさしく「即戦力」だ。
〈Everybody clap your hands!〉という歌詞に従い、叫びたい衝動はすべて両の手に乗せる。サビのキャッチーなダンスに合わせて、8色*3のペンライトを振る。Juice=JuiceとJuice=Juice Familyの気持ちが、この曲で一つになる。
9人のJuice=Juiceがこの先どれだけ続くかはわからない。佳林ちゃんがたくさんのファンに見守られて卒業できる状況になるまで、あとどれくらいかかるのか。まだまだ先のような気もするし、近いような気もする。「12年目で終わると思いきや13年目に入っちゃいました」とおどける彼女に笑いながら、少し寂しさも覚えた。
だが、先の状況がわからない今は、この偶然を大切に噛みしめたい。そんな思いを胸に抱き、「10月10日は！」「Juice=Juiceの日！」と心の声で応えながら、笑顔いっぱいの9人を見送った。
2020/10/10(土) 「Juice=Juice スペシャルイベント2020 ～10月10日はJuice=Juiceの日！」@CLUB CITTA' 第2部
1. 私が言う前に抱きしめなきゃね（8人）
2. 好きって言ってよ（8人）（MC 挨拶、井上玲音紹介、乾杯）
3. 大人の事情（金澤／高木／宮本／植村）
4. 如雨露（段原／稲場／工藤／松永）（ゆめりあいMC 井上玲音からJuice=Juiceへ質問）
5. カラダだけが大人になったんじゃない（宮本／段原／稲場）
6. 初めてを経験中（宮本／工藤／松永）
7. 素直に甘えて（植村／井上）
8. CHOICE & CHANCE（高木／井上）
9. ポツリと（金澤／井上）10. ロマンスの途中（9人）
本日の稲場愛花さん、スタイリングがオタク殺しすぎました。助けてください。
【過去の「Juice=Juiceの日」について】
・2014年「10月10日はJuice=Juiceの日~1st Season~」
@光が丘IMAホール（10.10）
![10月10日はJuice=Juiceの日~1st Season~ [DVD]](https://m.media-amazon.com/images/I/518WtW7O6ZL._SL160_.jpg "10月10日はJuice=Juiceの日~1st Season~ [DVD]")
・2015年「Juice=Juice LIVE MISSION 220 ～Special Code→J=J Day 2015～」
＠江戸川区総合文化センター（10.10)／NHK大阪ホール（10.12）
（参考）「Juice=Juice LIVE MISSION 220 ～Special Code→J=J Day～」レポ ～植村あかりが体現する「古き良きハロプロの匂い」とは？～ | エンタメアライブ
・2016年「Juice=Juice LIVE MISSION 220 ～Special Code→J=J Day 2016～」
@びわ湖ホール（10.8）／川口総合文化センター リリア（10.10）
・2017年「Juice=Juice LIVE AROUND 2017 ～World Tour→J=J Day Special～」@Zepp Namba（10.7）／Zepp DiverCity TOKYO（10.10）
（参考）Juice=Juiceが“J=J Day”に東京のファン盛り上げる、12月はワールドツアーで南米へ（ライブレポート / 動画あり / 写真10枚） - 音楽ナタリー
・2018年「Juice=Juice LIVE GEAR 2018 〜Esperanza J=J DAY SPECIAL〜」
@Zepp Tokyo（10.10）／Zepp Namba（10.13）
・2019年「Juice＝Juice LIVE TOUR 2019～Con Amor J=J DAY SPECIAL～」
@マイナビBLITZ赤坂（10.10）
来年以降も末永く続いていく記念日でありますように。「℃-uteさんのパクリ」って笑ってたけど、7回もやればもう立派な公式記念日だよ紗友希ちゃん。
なお、FC限定で第1部の配信あり。最近事務所の配信ペースがエゲツないけど、これだけはもう一度見ておきたい。
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