新型コロナウイルスの影響によるライブ自粛が始まってから、間もなく4ヶ月の月日が経過する。この間に発生した経済的損失はもちろん甚大であり、この間に出会うはずだった熱いライブの数々を思うと悔やんでも悔やみ切れない。
そんな中、唯一幸運だったのは、2020年がSNS全盛の時代だったということ。
Instagramでは星野源主導による「うちで踊ろう」が一大ムーブメントになり、サカナクション山口一郎によるほぼ毎夜の配信企画が2か月以上にわたって行われている。アーティストだけでなく、俳優、アイドル、芸人などなど、インスタライブはコロナ禍以前よりも絶えず配信され続けている印象を受ける。
Twitterではハッシュタグをつけた様々なバトンがアーティスト間で繋がった。拡散文化が特徴的なSNSだからこそ、その輪は日に日に広がっていき、貴重なアーティスト間同士の繋がりをいくつも目にした。
また、YouTubeでは打首獄門同好会やaiko、NUMBER GIRLらが無観客ライブを行ったり、様々なアーティストが過去作品の無料配信を始めるなど、膨大な数のコンテンツが世に解き放たれた。スピッツやB'z、Mr.Childrenといった大物アーティストが過去作を公開した時はかなり驚いた。「無料で全編視聴可能」というとんだプレミア企画は、今後のことを考えると少し危険だが、ライブが無いことにより空いた心の穴を埋めるには有難かった。
その他にも、DJイベントやジャズストリート、ロックフェスなど、本来行われる予定だったものが「Stay Home ver.」という特別仕様で催されている様子も観測できた。限られた時間、一つしかないからだですべてのコンテンツを追い切ることは不可能だ。だが、外に出られないという状況下で、それだけ膨大な選択肢を取ることができたということ自体が幸福なことだと思う。生活がかかっている方が音楽業界に数多くいる中で不躾な発言かもしれないが、このSNSが発達した時代と、SNSという手段を大いに駆使して発信してくださっている関係者各位には頭が上がらない。
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