零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

積んで、崩して。(2020年8月)

先日「積ん読」の話をしてから、読書感想文をブログに残してみたいという思いが生まれました。だけど、1冊につきそんなに長く書くのはしんどいし、一度始めたら止まれないという恐さがあります。毎話感想や連載企画っぽい代物も頓挫してしまいがちですし...。(「ゆるっと、アイドル。」も「ハロメンと私。」もいずれ再開したいとは思ってますが!!)

 

exloyks.hatenablog.com

 

しかし、短い感想を軽めに並べるだけなら、読み終わったタイミングで書き残しておけば、ストックは溜まっていくんじゃないかと、楽に続けられるんじゃないかと思い、8月より月イチゆるゆる読書感想文を始めます。しかし、「8月に読んだ本」をただ書くのではなく、テーマは「積ん読」。積んだ本を並べ、崩した(=読み終えた)本を並べていくような形で続けていこうと思っています。せっかく本を読んだのに、そこで得たものをその日限りで捨ててしまうなんてもったいないですし。Twitterだとすぐ流されていってしまうので、記録を堰き止めておくためのプラットフォームです。

 

 

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スッペシャル・バースデー・ウィーク。

今年はずっと悪運だった。

 

年始の段階で絶対当てると決めていたこぶしラストライブが落選。念願だった東京事変のライブも第9希望まですべて落選。和田桜子ちゃんのバースデーイベントと、ひなフェスこぶしプレミアムは当たっていたのに、コロナで中止。そのまま未曾有の渦に巻き込まれて、娯楽がとことん消えていく。この情勢が落ち着いたら絶対行くと心に決め、念願叶って開催が決まった井上玲音ちゃんのバースデーイベントは当然のように落選だった。倍率が高すぎる。

 

が、しかし。コロナ以前だったら最小限に絞るバースデーイベントを、幅を広げてどんどん申し込んでいたら、何と1週間に3公演も当選するという強運が突然降りてきた。毎回通ってる人には「それくらいなんだ」と思われるだろうが、こんな人まとまりに当たるなんて奇跡的だ。落としてきた運をチケットの神がようやく拾ってくれた。酷く忙しかった仕事も今週は一山超えてリセット。スッペシャル・バースデー・ウィークの幕開けだ。

 

 

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あまりにも人生を蝕まれすぎたので、Twitterと距離を置くことにした。

僕はTwitterが好きだ。自分でも嫌になってしまうほど好きだ。スマホを開く都度、青い鳥のアイコンをタップし、その世界をただただ見つめている。そこには大したものは転がっていないというのに、ひたすらにスクロールし続ける。インスタントな感情を無意味に投げ続ける。僕はTwitterが好きだ。だけど、確実に、人生を蝕まれている。ヤバい。何度も危険に気付いているのにもかかわらず、無意識に開き、やめようと立ち止まっても、気付けば元通りに戻ってしまう。この10年、青い鳥と付き合いすぎたせいでおかしくなってしまったようだ。完全に毒されている。

 

コントロールできる人はいい。「ツイ廃」と呼ばれる人でも、自我を制御し、毎日のように面白いことを呟き続けている人はいるし、僕もその人たちのコンテンツ力の高さに驚かされ、ゲラゲラ笑わされている。が、そんなものは一過性にすぎず、その人と同じコミュニティに属していないのならば、ただの傍観者であり、僕は自分の人生を浪費してるに過ぎない。そのことに気付いてしまった時、途方もない虚しさを感じ、スマホを投げて枕を濡らすのだが、朝になると結局同じ場所に戻ってくる。Twitterの奴隷だ。青い鳥を丸焼きにして喰らってやりたいのに、血肉にしたいのに、肥大化した鳥に僕は丸呑みにされ、ヤツの体内で虚無を生きている。

 

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『小説 仮面ライダーシリーズ』のススメ。

『小説 仮面ライダー鎧武外伝 ~仮面ライダー斬月~ 』を読了した。舞台『仮面ライダー斬月』の裏側を描く本作を、舞台鑑賞よりも先に読み切るという時系列に反した行いをしてしまったのだが、どちらからはじめても問題ない相互補完的な作品群だった。

 

仮面ライダー鎧武』という作品は、元々「平成1期の空気感をニチアサに戻したい」という制作陣の思いから始まったもので、実際に実現した作風もクライマックスも、続編の余地を残した平成2期の作品群とは相性が悪いように思えた。しかし、いざ蓋を明けてみると、平成2期史上最も続編が生まれた人気作となった。冬映画、『鎧武外伝』シリーズ4作、小説2作、舞台1作。『鎧武』ワールドが本編終了から7年以上も広がり続けるなんて、誰が予想できただろうか。

 

小説『鎧武』も傑作だ。Vシネマ仮面ライダーデューク/仮面ライダーナックル』のその後を描いた、本編以上の大団円。アーマードライダーズが大集合し、歴代ライダーズの面影さえも見えてくるという、小説でしか描けない欲張りハッピーセットな作品だった。『小説 仮面ライダーシリーズ』の存在意義はここにある!といってもいい。予算や俳優のスケジュール、その他諸々の制限を全て超えられるのが小説という媒体だ。そりゃ一介のライダーオタクとしては、この小説が実写になれば万々歳だが、現実問題難しい。頭の中で彼らと再会するのも、また一興ではないか。

 

このように、小説という媒体を最大限活かした試みが『小説 仮面ライダーシリーズ』である。講談社キャラクター文庫が2012年よりひっそりゆっくり続けている、息の長い作品群。ひっそりすぎて「告知ちゃんとして?」と思わなくもないが、高クオリティの作品を出版し続けているのは紛れもない事実であり、信頼できるシリーズだ。現在全19作ある作品をある程度読了した今、作品の性質でカテゴライズしながら、全体を通して振り返っていきたい。

 

 

小説 仮面ライダー鎧武外伝 ~仮面ライダー斬月~ (講談社キャラクター文庫)

 

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夏とドラマと積ん読と。

ささやかな夏休みがはじまった。23年目にして、もっとも短く、静かなおやすみ。地元にも戻らず、お出かけもほどほどに、寂しくも健やかにして過ごそうと思う。慌ただしい納期前も抜けたし、仕事のことも忘れてゆっくりしたいところだったからちょうど良かった。

 

実家に帰るか帰らまいかは直前まで迷っていた。しかし、時々夜遅くに酔っ払いの両親からかかってくる凸電で、「微妙な空気だし、任せるよ」と言われて、帰らないことを決めた。地元は田舎と都会が中途半端に混じった所で、帰った瞬間村八分!夜逃げ!一生地獄コースで頑張るよ♡って事態に陥ることは決してないのだが、地域コミュニティの根強さ、一瞬で伝わる連絡網の速さは健在だ。親に迷惑をかけたくないし、自分自身もどーでもいいご近所さんから白い目で見られたくはない。何よりお盆恒例、お婆ちゃんとの墓参りを実行した結果、数ヶ月後にお婆ちゃんを看取ることになる、なんてオチは避けたいのだ。まだまだ長生きしていてほしい。独り身の寂しさから認知症を装ってデイサービスセンターに入り、一日にして「こんなボケ老人達と一緒にされたくない」と憤って帰ってきた図太くて逞しい祖母には、まだまだ恥を晒しながら生きていてほしいのだ。母親と職員さんの前で「は〜〜〜わたしゃだれだっけかのぅ」と大ボケかました昭和生まれの大女優には、もっともっとバカやっててくれって思い。とはいえ寂しいだろうし電話してあげようかなあ。

 

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【ライブレポート】2020.7.12 Hello! Project 2020 Summer COVERS 〜The Ballad〜 中野公演 Cチーム

夏のハロコンが始まりました。題してHello! Project 2020 Summer COVERS 〜The Ballad〜」。総勢52名のハロメンが3チームに分かれ、1人ずつバラード曲ソロ歌唱の形を取り、ハロプロの曲を一切歌わないという、史上初の特殊なコンサートです。

 

声出し禁止、着席鑑賞、盛り上がり曲封印、ダンス禁止...という徹底っぷり。それなら普通のハロコンができるようになるまでやらなくても良いのでは?という声もあるのもわかりますし、少し曇っていた自分も心の準備ができないまま会場入りし、開演を迎えるまでは不安な気持ちでいっぱいでした。しかし、結果は大満足。「ソロでバラードを歌う」企画は、個々の歌声の持ち味を平時以上に際立たせてることに成功しており、「みんなこんなに歌がうまかったんだ!」と、改めてハロメンひとりひとりの実力を知ることができました。新人の子もベテランの先輩も、それぞれに眩い魅力があって、やはり粒ぞろいなプロジェクト、恐るべし...と心震わせながら、静かにペンライトを振り、拍手を送りました。

 

感染者数は増加傾向で不安な日々が続きますが、最大限の予防対策を用意し、少しでも早く彼女たちの歌をファンのみなさんに届けよう!と動いてくださった事務所様には感謝しかありません。7月16日(木)付のNews zeroで好意的に報道してくださっていましたが、集合時間を席ごとに3分割したり、検温→消毒液→追跡システム→チケット確認(もぎりなし)というルートを確立してスムーズな入場を実現したり、ステージ裏ではMCを含むマイクを53人分用意していたり、とにかく徹底されていました。これで誰かが罹患していたらどうしようもないくらい、徹底された環境の上で開催されたのだということを、知らない方にも伝わってほしいと切に願います。

 


 

※以下、本公演の歌唱曲に関するネタバレがあります。

 

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僕もまた、永遠の繭期に閉じ込められる。 #はじめての繭期2020 で理解したこの世界の終わりなき魅力について

僕が繭期を知ったのは『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』という作品が最初だった。「ハロプロは演技もできる」。彼女らのストイックなチャレンジ精神に感銘を受ける日々だが、歌唱もダンスも表現力もハイレベルなのに、演技力という武器まで持ってしまったらどうなってしまうのか、という戦々恐々の思いで初舞台を観た。

 

死んだ。

 

な、なんやねんこの重たい舞台...。噂には聞いていたけどとんでもねえ...。

 

これはマジな話ですが、1週間鬱々たる思いを引きずるくらいの衝撃を受けた作品だった。「ハロメン演技もできるんだ!スゲ~!」という無邪気な感想を呟く予定だったが、作品の世界観にこれ以上浸かりすぎると、精神に異常をきたしてしまうんじゃないかと思うくらい、得体のしれないエネルギーを持った物語だった。

 

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