零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

仮面ライダージオウ EP21「ミラーワールド2019」/EP22「ジオウサイキョウー!2019」感想

2月頭のジオウは龍騎編、ではなく「リュウガ編」。これもなかなか思い切った試みだと思いますが、更に第1章のようなただのレジェンド回ではなく、パワーアップ回にぶつけてきたのが面白いポイント。以前の流れだったら「龍騎ライドウォッチ」を継承しますもんね。

 

とにかく、ジオウⅡの誕生×龍騎のオリキャス登場という要素もりもりのリュウガ編、遅ればせながら感想です。

 

 

 

 

16年ぶりの城戸真司と大久保編集長

まずは真司くんと大久保編集長、お帰りなさい!! あんな結末を迎えたからこそ、日曜朝にまた彼らのお顔を見られる日が来るとは思ってもみませんでした。555編のお二人にも感激でしたが、それ以上に胸が熱くなります。なんてったってど世代ですからね。(当時はハリケンジャーの方に夢中でしたが......。中学生の頃見返してずっとハマっていました)

 

仮面ライダー龍騎』の放送開始日が2002年2月3日、そして『ジオウ』第21話の放送日が2019年2月3日と一致した点にも何か運命を感じざるを得ません。放送終了は2003年1月中旬で、それ以後お2人がライダー作品に登場されることは映画も含め皆無だったので、尚更嬉しい。*1

 

さて、その2人が『ジオウ』の世界ではどうなっていたかというと......。大久保編集長はOREジャーナルを閉業し、城戸真司は目張りの部屋でぶっ倒れていました。何か世知辛い(笑) 編集長の方はSNS時代にあの仕事は大変だろうし、しゃあないなあという感じ。真司くんは仕事の方は分かりませんが、鏡の中の男に追われていたと。その対策として新聞紙で鏡を隠し、その上追い込まれて練炭自殺しようとした。......と思わせて、馬鹿の真司のことだからストーブ焚いたまま寝ちゃって、あやうく一酸化炭素中毒になりかけたパターンですねあれは。馬鹿だし。

 

16年経った真司くんが、ミラーワールドに全く関わらず生きているという事実だけでも嬉しいんですが、あの馬鹿っぷりが健在しているのが素敵ですよね。逃げる時の発声やリアクションもまんま当時のものだったし。その上で、年相応のダンディな格好になっているというのが、「そのまま年を召した城戸真司」を感じられてディモールト。

 

また龍騎パロディも多々あって嬉しかったですね。目張りの部屋を訪ねるという構図が、第1話の真司が先代龍騎を訪ねるシーンと一致するし、車の窓越しに逃げるアナザーリュウガなんかも龍騎視聴者にはすぐピンとくるトリック。OREジャーナルの外装は当時のままでしたね。また、細かいところでは真司の部屋番号が「401号室」。香川先生~!!! と心の中で叫びました。いやはや懐かしい。

 

そんな真司くんとソウゴがどんな風に向き合うのかなと期待していましたが、中々良い感じ。先輩だけど、先輩風を吹かさない真司くんが、「俺の中にあった小さな闇が今回の事件を起こした」と率直な悩みを打ち明けます。闇ソウゴが生まれ、自分の心の内を疑っていたソウゴが、先輩の心の内を見ることで自分の切り開くべき道に気付く。画的には少々地味ですけど、『龍騎』において「ヒーローになってしまった一般市民」である真司くんだからこその描き方です。

 

そして自分の心の闇と向き合った真司くんと編集長の再会。水面に映った2人の笑顔のなんと晴れやかなこと......。あの再会のシーンはたったの1分ほどですが、一気に2002年の当時にタイムスリップしたかのような感覚になりました。これだけで『龍騎』ファンは報われたような気持ちになります。真司くんの活躍という意味では『RIDER TIME 龍騎』の方を見た方がいいと思うし楽しみですが、まずはこういう形で日曜朝に戻ってきてくれて、本当にありがとう、と言いたいです。

 

 

劇場版 仮面ライダー 龍騎 EPISODE FINAL [Blu-ray]

 

 

ゲイツの覚悟とソウゴの覚醒

リュウガ編の見所のひとつは、ゲイツの動向でした。5回目にしても倒せない強敵、アナザーリュウガに対し、自らを犠牲にしてでも倒すという意志を剥き出しにするゲイツ。彼の秘策は、必殺キックを時間差で打ち込むことで破壊するというもの。相手にダメージを与えることはできるが、自分に跳ね返ってくるダメージはデカいという......。いや成功する気がしない。ゲイツくん落ち着けと画面越しに思いました。 

 

彼の焦燥は白ウォズに見せられた未来のビジョンだったり、オーマジオウとソウゴに関することだったり、色んな悩みから来ているのかな。とはいえやっぱりタイムジャッカーの目論見を潰さなければいけないので、そこをどうにかしないことには先に進めない。色んなことが重なって、ゲイツの目を曇らせていたように思います。とはいえ実際攻撃は跳ね返ってくるし、何なら白ウォズでも倒せない強敵・アナザーリュウガ。俺がやるしかないという思いを強くしていったんでしょうね。

 

そんなゲイツに対して「自己犠牲はよくない」と言いながら、その言葉は本心からなのか、それとも自分の裏の顔なのか......。鏡の中で出会った闇ソウゴによって惑わされます。16話で最高最善の魔王になると決意した上で、再度迷いを抱くこととなりました。違うと否定しても、追い詰めてくる闇ソウゴの言葉に、ゲイツとまた別の形で葛藤するのでした。今回、というか最近の2人の関係が面白いのはこういうポイントですね。別々の場所で迷い、決断しているとこ。この交わらなさが、オーマの日に繋がってくるのかと思うと、やはりぶつかる道は避けられないのでしょうか。

 

そしてソウゴの決断は、前述のように真司によってもたらされるのでした。善も悪も肯定する。清濁併せ持つ。表の顔も、裏の顔も、自分なんだという決断です。この決断の仕方が、なんとも「魔王」らしい。今までソウゴを肯定していたツクヨミが「ソウゴを倒さなければならない」と180度方針を変えるほどに、他の面々には恐ろしく映ってしまう覚醒方法でした。その覚醒を体現するかのように登場したのが、「ジオウⅡ」。

 

仮面ライダージオウ RKFライダーアーマーシリーズ 仮面ライダージオウ?

 

オーマジオウと酷似しているわけではないですけど、増えた角や身体の逞しさ、そしてアナザーリュウガに対してみせた圧倒的な強さにオーマジオウの片鱗が確かに感じられました。しかもアナザーを倒すルールであった、同じ力であることや同じ時代で倒すことが完全に要らなくなるチートっぷり。タイムジャッカーのハメ技はリュウガ編で一つの確立というかチートを見せてきましたけど、それを完全に無意味にする、チートを超えるチートです。これじゃタイムジャッカー今後何もできないじゃんっていう。

 

この点、今までのルールは何のために作ったんと思われる点にもなりそうですが、ここまでルールに従順だったからこそ、ルール破壊は際立って見えると思うんですよね。ソウゴが着実にオーマジオウへの道を歩んでいることの証左として、今回のハメ技破りは有効だったと私は思います。

 

 

仮面ライダージオウ 時冠王剣 DXサイキョーギレード

 

にしても武器のイカレっぷりの凄いこと。この道は電王でも一度通った道ですけども、やっぱり自分の顔を武器に付けるって頭のおかしい発想ですよね。何をどうしたらこれにOKを出すのか。必殺技も「ジオウサイキョウ」という奇天烈アタックです。

 

そしてそれだけで無く、時間を元に戻すハイパークロックアップ的な能力も備わっており。「やっぱりこうなるよね」という冷酷な言葉やソウゴの行動に、ツクヨミは恐怖を感じたのでした。ソウゴ目線ではゲイツを救えますし、時間を戻せるから心配ないという気持ちが現れてるのかもしれませんけど、ツクヨミらからすれば、ゲイツの信念を無下にする冒涜的行為に取られかねない「魔王」ムーブです。ソウゴの覚悟と力の覚醒とは裏腹に、仲間の気持ちは離れていきました。

 

 

仮面ライダージオウ DXジオウライドウォッチ?

仮面ライダージオウ DXジオウライドウォッチ?

 

 

以上、21話、22話のリュウガ編感想でした。龍騎としての出番は『RIDER TIME』に移したために「リュウガ編」と銘打たれたのかもしれませんね。劇場版の存在であるのにも関わらず、ここまで本編でピックアップされるのは面白い展開です。

 

本編の姿を踏襲したアナザーリュウガのデザイン、鏡の世界といった『龍騎』の小ネタや、黒ウォズの元気な姿、一方で白ウォズの動揺など、色々てんこ盛りで楽しい回でした。でもただ楽しいだけじゃなく、ソウゴの闇の面を見せ、歪な形での成長をさせたのは『ジオウ』らしいポイントだったと思います。このパワーアップによって未来はどんな方向へと向かうのか。ツクヨミらの心情面も気になるところです。

 

さてさて次はキカイ編。まさか入江くんじゃないでしょうと思っていたら入江くんでした。東映は頭がおかしいのか。いや嬉しいです。「キカイだー!」とか完全に狙っちゃってるし、もうどうにでもなれ()

 

 

【ブログへの感想、ご意見お待ちしています】

◯マシュマロ、もしくはコメント欄、Twitterまで!

 

marshmallow-qa.com

 

 

 

 

 

*1:須賀さんはゲームでよく真司に声を当てており、津田さんは『THE FIRST』等特撮作品に登場することも多々ありましたが、やはり日曜朝に本編で当時の役で登場されるのは格別