零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

ハロプロ関連のおすすめラジオ3選。

ラジオが好きだ。『SCHOOL OF LOCK!』と『オールナイトニッポン』で中高時代を過ごした私にとって、ラジオは生きる上で不可欠なメディアである。情報収集のためのメディアではなく、「くだらない笑い」と「癒し」を得るためのメディア。イヤホンから四六時中耳に届く誰かの笑い声が、私の心を支えてくれる。

 

そんな私がここ最近ハマっているのが、ハロプロ関連のラジオである。ハロメントークは深夜ラジオで芸人さんが話しているような小気味いいテンポ感や綺麗にオチがつく話、作家さんやスタッフとの絡みなどは少ない。なので「癒し」が大きな比重を占める。大抵が平日の夜に放送されるため、radikoタイムフリー機能(この機能の発明は偉業ですよね...)を使って通勤時にや寝る前に聴くことが多い。とにかく精神が安定する。ありがとう、良い薬です。

 

今回は、局を超え、曜日を超え、数多あるハロプロ系のラジオ(OG含む、事務所の所属有無問わず)の中から、特に好んで聴いている番組を3つ紹介します。なお、他県放送のため聴けない番組については、radikoプレミアムで月350円(税別)を課金し、エリアフリー機能という偉大なオプションを活用して聴いています。技術の授業で作ったラジオを抱えて布団の中でこっそり聴いていた中高の頃を思うと、本当に素晴らしい時代になったなあ・・・。

 

 

アンジュルムステーション1422

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ラジオ日本で毎週日曜深夜0時から0時半まで放送中。アンジュルムメンバーが回替わりで3人ずつ出演し、架空の放送局「アンジュルムステーション1422」から放送するという報道番組風の設定がベースだ。その設定は出演者の役割に反映されており、キャスター(進行役)が1人、コメンテーターが2人毎回登場する。

 

が、そのような設定はあくまで建前であり、畏まった雰囲気でスタートした番組は思いもよらぬ方向に爆走する。フリートークの面白さは勿論、破天荒な各コーナーで荒ぶるメンバー達。メンバーの組み合わせによって様々な種類の暴走列車に搭乗することになる。

 

例えば、昨年末まで出演していた船木結が登場する回には「キューティーむすぶたんのひととき♡」というレギュラーコーナーがあり、〈生まれはわたが市、好きな食べ物はい・ち・ご キュン♪〉という決め台詞でリスナーはトンデモワールドに飛ばされる。共犯者であるリスナーから届く「むすぶたんに言ってほしいキューティーな台詞」を、むすぶたんや他のコメンテーターが超ぶりっこな口調で言うという"苦行"である。日曜深夜に聴くテンションではない(褒めてます)

 

そのコーナーが終わると記憶を失った船木結が「あれ?今私寝てた?」とむすぶたんとは人格が別の設定だと表明するまでの茶番がワンセット。そのプロっぷりに毎週爆笑の渦に巻き込まれるのだ。また、むすぶたんの作り込む世界観に対して、他のメンバーが冷めた目で見たり、一緒に乗っかったりすることで、ボケとツッコミが上手く作用する。

 

そんな彼女が卒業し、コーナーの幕が閉じると思いきや、何と「新メンバーのコーナーができるまでの練習期間」として、12月に加入した松本わかな・川名凛・為永幸音ら3人に引き継がれた。1月初回の1時間スペシャルでは竹内リーダーが恥ずかしがる中、3人はこのコーナーに対し逞しい意欲を見せたが、1月24日の伊勢鈴蘭キャスター回では「キューティーれらたんのひととき♡」と突如改題し、自称後継者と新メンバーとの戦いの火蓋が切って落とされた。この回は"キューティーしおんたん"もいきなり本気を出しており、れらたんの追随を許さない。今後どちらがむすぶたんの置き土産を手中に収めるのか見ものである。

 

他にも上國料萌衣による「どうも、ナルシス萌衣です」は上記と同じ台詞コーナーで、「ナルシス萌衣様」に扮したかみこが上品かつナルシストな台詞回しで爆笑を掻っ攫う。川村文乃による「川村、教えて」はフリートークの延長コーナーで、情報発信に長けているかわむーらしい語り口でアンジュルム関連の質問に答えていく。いずれも各メンバーのキラクターが色濃く反映されている。また、コーナーではないが、佐々木莉佳子扮する"RIKKOさん"が「それでは聴いてください、アンジュルムで、交差点ン~~」と茶番で名曲の安売り*1をする定番ネタも、アンジュルムらしいバカさ加減で大好きだ。

 

そんなキャラクターの濃い集団による変な番組だが、アンジュルムメンバーの明るい雰囲気は日曜夜という苦しい時間帯に気持ちを和らげてくれる心の処方箋である。個人的におすすめする聴き方は、日曜夜の就寝前に一回、月曜朝の通勤時にタイムフリーでもう一回聴くことだ。かましアンジュルムのエネルギーが、平凡でままならない日常を生きる私にちょっとだけ勇気をくれる

 

 

井上玲音のMusic Letters

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FM FUJIにて第3〜第5木曜の20時から1時間放送中。Juice=Juiceの井上玲音が単独で放送しているゆったりと穏やかなラジオ。以前この枠では「こぶしファクトリーの夜空で逢いましょう」というハロプロイチのイカれ番組(褒めてます)が放送されており、その番組でもメインMCを務めていたれいれいがそのまま枠を守ることになった。

 

番組の大きな特徴は、ハロプロ系のラジオには珍しく時々生放送で行われるところ。生放送の時限定でFM FUJIツイキャスと連動し、オールナイトニッポンミクチャのように映像つきでれいれいのお茶目なトークを楽しめる*2。コロナ禍でなければスタジオの観覧もあったと思うが、残念ながらしばらく予定はなさそうだ。しかし、ツイキャスのコメントや、Twitterハッシュタグを通して、れいれいとリアルタイムで繋がれる体験はたまらなく楽しい。毎週リアタイできている訳ではないが、生放送の際は必ず20時に待機するようにしている。

 

こぶし時代と比べるとフリートークの時間は減ってしまい、「話が弾みすぎて曲をかける時間がなくなる」という珍事も発生せず、逆に曲が流れる時間は大幅に増えた。「レイレコ」という楽曲レコメンドコーナーでは月ごとにテーマを募集し、リスナーから募集したハロプロ以外の楽曲をたっぷりかけてくれる。現役グループのラジオではハロプロ曲しか流れないので、れいれいがハロプロではない楽曲の話をしているのはなかなか新鮮だ。また、リスナーの年齢層が比較的高いため、リクエストに懐メロがかかることが多い。れいれいの声と普段自発的には聴かない懐メロが、平日の仕事で疲れた身体を癒してくれる。

 

他にも「Dr.レイーのコーナー」というお悩み相談コーナーがあるが、この回答が毎回雑すぎて笑ってしまう。このふざけたノリこそれいれいの真骨頂だ。凛とした佇まいでいると目を見張るほど美しいのに、口を大きく開けてバカ笑いしているときの方がより強く惹かれてしまう。「だかられいれいが好きなんだよな」と思わせてくれる瞬間が、このコーナーでは幾度となく訪れる。顔は見えなくとも、きっと変顔をしながら大口を開けて笑ってるんだろうなあと、耳だけでなく目も喜んでしまうのだ。

 

また、スタッフさんや作家さんの存在を感じられるのも他の番組には無い魅力だ。私がラジオが好きな理由のひとつは、裏方の存在も感じられるというところにあるのだが、このポイントはハロプロ系のラジオだとなかなか満たされない。「アイドルのトークに男性の声が介入する」ことはご法度だからかもしれない。しかし、この番組や、こぶしの前番組においては、裏方の存在感がわずかではあるが確かにあった。何なら「♡桃色さこ想い♡」などとふざけて声の出演をすることもあったくらいだ。その和やかな関係性が、この番組にも引き継がれていることが嬉しいのである。

 

 

鞘師里保と○○と

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MBSラジオで土曜23時半~24時の30分間放送中。元モーニング娘。鞘師里保が毎回様々なゲストを迎えて対談を行う。昨年10月にスタートしたばかりだが、そのゲストがあまりにも豪華すぎて驚きだ。執筆時点では、小泉今日子さん、南海キャンディーズ山里亮太さん、OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさんらが2週ずつ前後編でトークを展開。その翌週にはPerfumeののっちが出演予定で、誰もが知る名前ばかりだ。タイトルの「〇〇と」の部分にゲストの名前が入り、鞘師里保と、小泉今日子と!」などといった貴重なタイトルコールが流れる。

 

上に並べた名前が雄弁に物語っているため説明不要かもしれないが、小泉さんとはアイドル・歌手論を、山里さんとは彼女が出演したドラマ『あのコの夢を見たんです。』に関する話やお笑いについての話を、ハマさんとは人生観やら考え方やら深い話を中心にトークを展開した。鞘師さんの人柄が為せる技なのか、終始和やかに、しかし濃密なトークを繰り広げるため、毎回高い満足感を得られる。リスナーのメールの質も高いので、「この質問が聞きたかった!」を全て押さえてくれる信頼度の高さもポイントだ。

 

昨年5月にInstagramにて電撃復活、9月には大手事務所のジャパン・ミュージックエンターテインメントに所属されることが発表され、5年間の沈黙が嘘のように着々と活動の幅を広げる鞘師さん。「ひなフェス2019」の出演時は噂でしか聞いたことのなかったレジェンドが目の前にいることに度肝を抜かれながらも、ふわふわとした非現実感が漂っていたし、伝説の舞台『LILIUM』の正統続編『黑世界』を生で観劇した際も、彼女の存在感に震えと涙が止まらず、「神との対面」という印象を受けた。

 

しかし、自身のInstagramやファンクラブ「さやしい人たち」でみせる彼女の素はポンコツ鞘師」と言われる所以がはっきりとわかる愛らしさにあふれており、一気に身近な存在になった。ステージ上ではあんなに「できる」人なのに、素の彼女は「できない」ことだらけで、その「できない」が引き起こすミラクルは必ず周りの人を笑顔にする。現役時代の逸話となっている「何もない場所で転ぶ」に代表されるような「そんなことある??」なミラクルが5年経った今も起きまくるくらい天性のポンコツなのである。そんな人なのに、「私は普通の人だから面白くなりたい」なんて言っちゃうから余計に面白い。全然普通じゃないし、面白すぎるくらいだ。

 

そんな鞘師さんのポンコツぶりをたっぷり味わえるコンテンツのひとつが「鞘師里保と○○と」なのである。先週のハマさんゲスト回のオープニングトークでは「局の入館証を二度も忘れてしまう」という話から始まり、ハマさんに「そんな可愛い始まり方ありますか?」「オープニングトークにこの話を持ってくる人が面白くないわけないでしょ」と言わしめる。毎回豪華なゲストを迎えるということで、鞘師さんの緊張は節々に見受けられるけれども、随所に出る鞘師さんの素がスタジオの空気をどんどん和ませていく。独特な返し、ポンコツぶり、ふにゃふにゃした笑い声。この30分間には人間に必要な「癒し」がたくさん詰まっているのだ

 

また、かなり大きな特徴として、RadiotalkやPodcastアーカイブ配信を行っている点が挙げられる。すべての回が3分割で配信されているので、いつでも気軽に聴けるという、今の時代に最も適したラジオコンテンツとなっている。是非一度気になるタイトルをクリックしてみてほしい。初見さんへのおすすめは小泉今日子さん回。「今と昔のファンの違い」というトークテーマで「Twitterのオタク」と「小泉親衛隊」が比較検討されるくだりとか、今昔アイドル対談として聞き応え抜群だ。

 

open.spotify.com

 

 

 

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この他にも現役メンバーが出演するラジオだと、「60TRY部」や「We are Juice=Juice」、「モーニング娘。'21のモーニング女学院~放課後ミーティング~」辺りを聴くことが多い。

 

毎週火曜17:55から3時間生放送(!)している「60TRY部(ロクマルトライブ)」では、アンジュルム竹内朱莉つばきファクトリー岸本ゆめのが、交代でパーソナリティを務め、ななめ45°土谷隼人さんと漫才のような掛け合いを繰り広げる。前担当の元カントリー・ガールズ山木梨沙の話題がちょくちょく出てくる所とか、番組側のハロプロ愛も感じられて大好きな番組だ。

 

「We are Juice=Juice」はJuice=Juiceが2人ずつパーソナリティを務めるレギュラー番組。あくまで当社比だが、全番組の中で最もゆるくて中身のないトークで構成される番組で、聴いた後はほとんど内容を覚えていないのだが、だからこそひたすらに癒される。最新回をディレクターズカット版(?)で聴けるインターネット放送があるのも特徴である。

 

www.bayfm.co.jp

 

 

「モーニング女学院」は、「アンジュルムステーション」における「キャスター」が「日直」に置き換わり、学校風に進行する長寿番組である。三才ブックスが刊行している『ラジオ番組表』の「第13回 読者が選ぶ 好きなDJランキング」にてAM部門1位に輝いた佐藤優樹の担当回はとにかくぶっ飛んでいて、ラジオの概念を覆す自由ぶり。爆走トークにオチがつかないまま突然訪れる曲振りに、いかに素早くエンジニアが対応するかという競技的な見方(?)もできる番組だ。他にも回しとツッコミが上手い小田さくら石田亜佑美の出演回や、極度のゲラで知られる野中美希森戸知沙希出演回は大体神回。

 

 

ラジオ番組表2020年秋号 (三才ムック)

ラジオ番組表2020年秋号 (三才ムック)

  • 発売日: 2020/10/27
  • メディア: ムック
 

 

 

このように、ひとつひとつの番組を紹介していると全く尺が足りなくなってしまう。OGを含めるとかなりの数があるので、あなたの好きな番組がひとつは見つかるはず。興味があるものから、ぜひ聴いてみてください。

 

 

*現役メンバーのラジオ一覧

メディア|ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト

 

 

*OGメンバーのラジオ一覧

中島早貴のキュートな時間

ラジオ日本、毎週土曜深夜24:30〜25:00

元°C-ute 中島早貴が出演

 

宮崎由加のPinky Friday

エフエム石川、毎週金曜 18:00〜18:30

元Juice=Juice 宮崎由加が出演

 

鞘師里保と○○と

MBSラジオ、毎週土曜 23:30〜24:00

元モーニング娘。鞘師里保が出演

 

・HELLO! DRIVE! -ハロドラ-

Radio NEO、毎週月曜〜金曜 24:00〜24:30に放送されていた。過去の番組だが、今もアップフロントの公式YouTubeチャンネルにてアーカイブが残っているため記載。宮本佳林が現在のイカれキャラに舵を切るきっかけとなった番組として有名。

 


HELLO! DRIVE! -ハロドラ- 鈴木愛理・宮本佳林 #1

 

広瀬彩海の5分ラジオ

広瀬彩海 Official YouTube Channel

毎週金曜19時頃更新

こぶしファクトリー広瀬彩海が自身のYouTubeチャンネルで配信しているゆるいラジオ(個人運営のやつだからちょっと違うけどどうしても並べたかった...!)

 


広瀬彩海の5分ラジオ #1

 

 

その他にもOGが担当するラジオはたくさんありますが、挙げ始めたらキリがないので割愛。インスタライブ等といった個人メディアでいつでもお手軽に発信できる時代なので、ラジオのもつ「閉鎖的空間」という特殊性は薄れてしまったのかもしれませんが、それでも「音声だけのコンテンツ」として昔から長く続いているメディアですし、その安定したフォーマットから感じる居心地の良さはずっと変わりません。たとえ聴取率が低かろうと、「僕は好きだよ」と言い続けたいです。ラジオがいつまでも続くような未来であれ!

 

 

*1:「交差点」を選んだ理由は「『どんだけ~』と似てて言いやすいから」というテキトーさ。本来イントロだけで号泣する曲なのにな!

*2:天井からの固定カメラかつ画質も粗いため、ミクチャほどの満足感は得られないが、曲中にカメラ目線ではっちゃけたりするだけで幸せになる