昨年半ば頃から、「救いを積極的に求める」ということが人生のテーマのひとつになりました。「救いを求める奴は弱い」と踏み付けてくるような輩が可視化されたことや、「自分よりもずっと苦しんでいる人がたくさんいる」「だから我慢するしかない」という空気によって、なにかに救いを求めることにどこか申し訳なさを感じてしまっていて。でも、それは決して「甘え」じゃないし、「弱さ」でもない。もし「弱さ」だったとしても、その「弱さ」を受け入れることは決して悪いことではない。そう気付いてから、もっとはっきり掲げて、意識的にならないとダメだと思い至りました。
わたしにとっての「救い」は、アイドルや漫画、本、映画、音楽などなど、ざっくりまとめると「カルチャー」です。カルチャーは「不要不急」で「生きるために不可欠なものではない」という蔑視が露呈した2020年でしたが、いやでもそうじゃないよね、誰にでも必要なものだよね、なんならほとんどの人が寝るときに身にまとう「おふとん」くらい身近なものだよね、という思いでタイトルにしたのが「かるちゃーのおふとん。」です。ひらがなにしたのは丸みが可愛いからです!
大それたことを言いながら、「今月わたしを救ってくれたカルチャー」を羅列するだけの記事なんですけども、まずコンセプトをどんと立てないと始められないのが私の性分でして。読書録である「積んで、崩して。」はちょっとお休みしてしまっていますが、別に義務ではないですし、いまやりたいのはこっちの連載だからとりあえずやってみよ~くらいのゆるい気持ちで、並行して続けていくつもりです。
前置きはこんなところで。1月はこんなカルチャーに人生を救ってもらいました~。
- マヂカルラブリーno寄席
- 逃げ恥新春スペシャル
- さやしい人たち
- 「ドライブ」/Base Ball Bear
- 機界戦隊ゼンカイジャー
- オンライン個別お話会
- 『ぼくとねこ』
- LAUSBUB
- 『地獄楽』
- ヤノフェス 歌うスタジオ
- その他
マヂカルラブリーno寄席
マヂカルラブリーno寄席見てくれた方々、広めてくれた方々ありがとうございました
— マヂカルラブリー 野田クリスタル (@nodacry) 2021年1月9日
最終的に17483枚売れたそうです。これは完全にM-1優勝してます
来年はコウメさんとゴージャスさんアルコさんにも出てもらいたいです
2020年のM-1王者マヂカルラブリーが主催のオンライン寄席。ランジャタイ、 ザ・ギース、脳みそ夫、永野、モダンタイムスといった地下芸人勢ぞろい的な面子での配信でしたが、配信当初700枚前後の売り上げで「ギャラが上がる!」と喜んでいた出演者らの想定を大幅に上回る結果となり、文字通り「バズった」配信ライブとなりました。様々な芸人のラジオを聞いてM-1熱が冷めやらぬなか、私も例に漏れず視聴しましたが(初めて視聴する寄席がこれでよかったのか?)、ランジャタイに野次が飛ぶくだりはいくらなんでも面白すぎて過呼吸寸前くらい大爆笑してしまいました。野田クリとモダンタイムスの野次が天才すぎて。ランジャタイの漫才の良さをここでようやく理解しました。
なおマヂラブ関連だと、GYAO!で配信中の「アフター座談会」も超面白いです。モダンタイムスとアルコ&ピースから出てくる話題が昔の知らない話題ばかりなんですが、野田クリと村上の人間性がどんどん深堀りされていって、余計に好きになりました...!
逃げ恥新春スペシャル
昨年の自粛期間で一気見と一気読みした「逃げ恥」の新作。原作10巻、11巻が大変面白かったのでドラマ化発表時は沸きました。しかし原作で好きだった大沼田会のくだりは薄まり、 コロナ禍突入というドラマオリジナル展開に尺を割いたため、原作とはまた違う味わいのドラマに。結婚、出産、育児といったテーマはもう遠い先のことではない年齢になりましたし、あくまで一例とはいえ「かなり大変だな...」と少し落ち込みもしましたが、弱者にも目線を配ったワードが随所に散りばめられていたため、最終的にはかなり救われました。「コロナ後のふたり」を見せてくれたことが僅かながら確かな希望です。
物語に対して様々な批判がありましたが、「平匡さんの年収は平均よりも高いからあまり参考にならない」というのはわかりますけど、「顔がガッキーだし説得力がない」という意見は残念でしたね...。悪意がなくてもそういう受け取り方をするのはもうやめようよ~...。*1
さやしい人たち
鞘師里保さんのファンクラブにお試しで入っちゃいました。でもすぐに年会員になってしまいそうな充実度...。アプリ内だけで完結するやさしい、じゃなくて「さやしい」コミュニティが心を癒してくれます。スタッフの皆さんも鞘師さんの人柄をよく理解してんな~~と随所で感じるアプリです。詳しくは言えないけど、配信の鞘師さんがリラックスしすぎてミラクル起こしまくり...(笑)この人はステージ上のカリスマ性だけでなく、やわらかい人柄があるから惹かれるんだなと改めて思いました。
MBSラジオで放送中の『鞘師里保と〇〇と』も毎週満足度が高い30分間。今年は鞘師さんのコンテンツにたくさん触れたい一年です。
「ドライブ」/Base Ball Bear
ベボベの「いま」が詰まった一曲。昨年のコロナ禍がなかったらこの曲は絶対生まれていなかったと思うくらい、いまを生きるわたしたちに向けて書かれたやさしい曲です。ベボベをふんわりとしか知らない方は「青春バンド」というイメージが強いと思いますが、成熟してどっしりと構えたいまのベボベはまた違った味のするバンドですので、そういう方にこそぜひ聴いてほしい。バンドの文脈を知らないからこそ純粋に受け取れると思うので。生活に根差した歌詞も沁みますし、後半の突き抜けるような長尺ギターソロが開放的でスカッとします。
「ドライブ」歌詞です📝 pic.twitter.com/R4YOTbBOy0
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) January 10, 2021
発表翌日に配信リリース、MV公開→歌詞公開というスピード感もよかった。ジェンダーフリーな歌詞が素敵です。
機界戦隊ゼンカイジャー
現行のキラメイジャーは評価がかなり高い作品ながら全く追えておらず、完全にニチアサ離れをしてしまった私に「45周年記念作」という救いの手。『ディケイド』や『ゴーカイジャー』でオタクになった経験があるのできっと復帰するんだろうな~って思ってます。しかし制作発表会見は衝撃でしたね。レギュラーメンバーに人間はひとりで、他の4人は機械生命体。会見で声優さんが登場するのではなく、あくまで「機械生命体を機械生命体が演じる」というていを保っていたのが好印象でした。奇抜ながら、いつも以上に「東映らしさ」が楽しめる作品になりそうです。レジェンド登場も期待!
オンライン個別お話会
1/17(日) BEYOOOOONDS里吉うたのさんオンライン個別お話会 レポート
— ログジオ〜 (@exloyrog) January 17, 2021
30秒で練習してたら説明が5秒で簡潔だったのでたっぷり話せた!ビヨンズ眼鏡着けていったら場が和んだので正解だった...!画面いっぱいに映る里吉さんかわいすぎ.... pic.twitter.com/dZDjzJ1ChU
年始の宣言通り、BEYOOOOONDS/SeasoningSの里吉うたのさんのオンライン個別お話会を購入しました。2月も含めると3回も話してますね。すごいな。個別握手会とかずっと抵抗があった人なのですが、昨年3月にこぶしの握手会が軒並みなくなって、行けるときに行っておかないと後悔するなと思い、今年はたくさん実践できたらなと。40秒程度の短い時間ではありますが、それでも大好きなアイドルと電話越しにおしゃべりできるのはめちゃくちゃ楽しいし、人生の幸福度がグッと増します。2月頭のお話会ではユニット名がSeasoningSという名前に決まった直後で、最速でお祝いできたのは嬉しかったなあ。
『ぼくとねこ』
フォロワーさんのツイート経由で一気読み。コロナ禍を彷彿とさせる環境下で自宅待機していた「ぼく」がねことの生活を夢見ながら生活するうちに、世界中の人間が急にいなくなり、やがてどうしようもなくなって外出したらねこの声が聞こえてきて...というお話。死と隣り合わせの極限状態のなかで生きる「ぼく」の語り口がものすごくやさしくて、正直ちょっと泣きました。無名の作家さんがこうやって名作を生み出す瞬間があるから『ジャンプルーキー』もちゃんと読まなきゃだなあ。
LAUSBUB
こちらもTwitter経由で知ったニューウェーブ・テクノバンドですが、めちゃめちゃ好みでヘビロテしてます...!バズったきっかけの「Telefon」という曲、コールからはじまるレトロなイントロがものすごくオシャレで、一瞬で惹きつけられました。他の2曲も渋くて、高校生がつくったとは思えない!(といいつつ、年齢なんて本当は関係ないですね)同じ北海道出身ということで、サカナクション・山口一郎さんの『サカナLOCKS!』にリモート出演していたようで、これからどんどん注目されていくんだろうなって思いますし、動向を気にしていきたいです。
『地獄楽』
『サマータイムレンダ』『SPY×FAMILY』と共に月曜のジャンププラスを守ってきた人気作が堂々完結。同時にアニメ化も決定!最終回も大団円で素敵でしたが、個人的には1話前の終わり方のほうが好きでした。十禾の物語を閉じる台詞で、画眉丸と佐切の積み重ねてきた関係性を思い出してほろり。どちらかというと『サマータイムレンダ』推しだったので途中真剣に読めていない時期もありましたが、完結を機に再度読み返したいですね。
ヤノフェス 歌うスタジオ
BEYOOOOONDS目的で購入した配信ライブなのですが、80年代音楽番組のような凝った演出や、あまりにも豪華で好みド真ん中な出演者の数々によって、2日間の配信期間の中で計6回視聴するくらいハマりました。以前からよく聴いていた南波志帆さん、土岐麻子さん、Negiccoだけでなく、スカート、鈴木茂さん、堂島孝平さん、堀込泰行さん、町あかりさんらの楽曲が心躍るものばかりでして。ヤノフェス以降はサブスク探検が捗ってます。土岐さんと矢野さんのCymbals、鈴木さんのはっぴいえんども含めてヘビロテ中です。町さんが言っていた「大昔の曲でもわたしにとっては新譜」精神で楽しみます!
その他
マックフルーリー® なんでだろう feat.上國料萌衣(アンジュルム)
・『逃げ上手の若君』
・アンジュルム川名凜のブログ
・呪術廻戦ED(Cö shu Nie「give it back」)
TVアニメ『呪術廻戦』ノンクレジットEDムービー/第2クールEDテーマ:Cö shu Nie「give it back」
【アイドルマスター】「イジワルしないで 抱きしめてよ」(歌:星井美希)
・宇佐見りん
・「生湯葉シホの生の声」
・「#日刊よくできました」
・『花束みたいな恋をした』
映画『花束みたいな恋をした』140秒予告【2021年1月29日(金)公開】
音楽、映画、漫画、タイアップCM、テキストなど、ジャンルを問わずざっくばらんにまとめてみました。実はこういうごちゃまぜなカルチャーランキングを年間で出してる方に憧れたのが発端で、でも年間ランキングだと丸パクリになるし、月間かつランキングではない形式で書くという選択をとりました。今後は舞台作品やら漫才やらYouTubeやら何なら食品まで含んで、もっともっとごちゃまぜにしていけたらいいな。
2月は1週目から色々大変でしたが、カルチャーに救いを求めながら無理せず生きていきます!そんな感じでまた来月。
*1:自分の中の基準として、「ガッキーかわいい」というストレートな感想は良いけど、「ガッキーだしな」などといった受け取り方はドラマであれ現実であれダメだと思っています