友人が短期間遠方へ引っ越すというので、一時的に大きめの荷物をお預かりすることになった。ラインナップは衣類のカラーボックス、衣類乾燥除湿器、テレビ、オーブンレンジ、カフェテーブル、シルバーラックなどなど。使いたいものだけ貰ってくれ~と言われたので、今家に無いものをチョイスした。そのうちこれは絶対に借りたい!と真っ先に魅力を感じたのが、ちゃぶ台だった。
友人は家具や住居にとても拘るひとで、AmazonやIKEA、100均で最低限の品々を揃えてしまう自分とは真逆の性格をしている。それが一因となって、一時浮上したルームシェア計画はすぐに頓挫した(それ以外にも価値観が合わなさそうな部分がたくさんあった)。しかし、友人の付き添いで行った古家具店は、コンサバの私でも心揺らぐものがあった。
実用的なものから何に使うんだ?というものまで、家にあったらさぞ気持ちが上がるだろうな...というアンティーク品が隅から隅までぎっしり並んでいた。普段家具屋さんなど長居できないタイプの私も、激狭な店内を全網羅したくなり、2人でじっくり巡り歩いた。結局すぐさま必要とは感じなかったので持ち帰ることはなかったが、いつか家に置けたらいいなとわずかな夢を見た。特にお店の前に並べられたちゃぶ台はいずれお迎えしたいと思っていた。
このお店で購入した訳ではないそうだが、友人は和室の借家にちゃぶ台をお迎えしていた。一度お呼ばれしたことがあるが、とても様になっていた。自分の部屋に馴染むようには思えないけれども、やはりちゃぶ台はいつか置いてやるぞ...!と心に決めた。そのくせお金が無いと言い訳して全く実行しなかったが(ライブの頻度を抑えればいくらでも買えるのに...)。
そんな中舞い込んで来たビッグニュース。ちゃぶ台を一時的に貸してくれるという友人のご厚意に甘えるどころか瞬時に食いつき、つい先日無事に搬送を済ませたところだ。他にもいくつか譲り受けることになったので、タイムズカーシェアで車をレンタルして往復した。ちなみにカーシェアリングは初めて利用したのだが、レンタカーと違って手続きが簡単で何より安い。1時間1000円で済む。当初「2時間の往復でも8000円かかるの...!?」とレンタカーショップを眺めて途方に暮れていた私に救いの手を差し伸べてくれた。ただし、全てセルフで監視下に置かれていないからか、車の中は雑然としていた。街中の狭い駐車場にあったため、助手席から乗り込んだら、足元にモンスターエナジーの空き缶が転がっていたのを見た時は「いや大丈夫!?」とドン引きした。その他鍵の在り処や給油のルール等、レンタカーとはルールが異なる点がいくつかあったので戸惑ったが、カーナビの自動音声が丁寧にガイドしてくれたので無事に出発、返却することができた。非常に助かりました。
こうして、我が家にちゃぶ台がやってきた。
渋可愛い..............................................
適当なマットレスの上に置いただけなのでとても似つかわしいとは言えないが、ちゃぶ台ひとついるだけでQOLが爆上がりしたような気がする。高さも少し低めでちょうどよく、PC作業をしたり本を積んだり食膳を並べたりとどんなケースでも使い勝手が良さそうだ。在宅勤務が主なのだが、これまでデスクワークは勉強机でしかやってこなかったので、今後はちゃぶ台で気分転換にもなる。
高さは稲場愛香FSK(1/20スケール)約3体分、単行本1.5冊分である。大体30cmくらい。胡坐もしくは正座で作業するのにちょうど良い高さだ。書き初めとかもしてみたい。
そんなこんなで、ちゃぶ台との生活がはじまった。冬にはもう親元に帰ってしまうため、一時の付き合いにはなるが、かなりの愛着が湧きそうだ。その頃にはちゃぶ台なしでは生きていけない人間と化し、新たな相棒を探しているかもしれない。ちなみに彼には「ちゃぶさん」という仮名が与えられた。由来は巫家のふてぶてしいお猫様である。ちゃぶさん、これからよろしくお願いします。