零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

近況

新天地

諸々の都合で大阪へと引っ越した。地元→東京→大阪と二度目の大移動。転機だ。生活はがらりと変わったが、いつも通りすぐに適応し、平穏な日々を過ごしている。

 

東京には約4年半住んだ。とにかくエンタメへの距離が近かった。ライブ情報をキャッチするのが開演1時間前でも余裕で間に合ってしまう。電車の時間さえ調べてしまえばどこでも簡単にアクセスできる。フッ軽との相性が抜群な土地だ。田舎の民たちの呪詛を横目に、若さの資源をめいっぱい活用してエンタメを食い歩いた。もちろん破滅しない程度に...と言いつつ、毎月給料分くらいしっかり使っていたので貯金には消極的だった。

 

exloyks.hatenablog.com

 

 

4年前の記事で東京への憧憬をうだうだと書き散らかした。「ネガティブな感想をもつとしても住んでからだ」などと威勢の良いことを言っている。4年経た今、東京に住んでよかったと心から思う。道中でコロナ禍に突入し、想像していた暮らしからは軌道が少しズレてしまったが、その結果できた縁や経験を思うと良いこと尽くめだった。負の記憶を度外視した総括かもしれないが。またいつか機会があったらもう一度暮らしてみたい。

 

そしてはじまった大阪編。同じ都会でも何から何まで違う。エスカレーターの乗り方、私鉄の独特な雰囲気、見慣れないローカル番組、阪神や来たる万博への熱気、どこにいても聞こえてくる関西特有のイントネーション。大袈裟な言い方だが、異世界にやってきたような感覚だ。何年過ごすことになるかはわからないが、うまく付き合っていきたい。

 

キングオブコントの余韻

キングオブコント2023の余韻に未だに浸っている。リアルタイムで大会を見届け、打ち上げ配信を垂れ流し、ファイナリスト達のメディア出演をチェックし、気が向いたらFANYの有料配信を購入する...までやってこその賞レースだ。お笑いにリソースを全投入することは難しいので、マイペースにつまみ食いした。

 

決勝で一番笑ったのはカゲヤマの2本目。カゲヤマを知ったのは昨年のM-1で話題になった「妹」からだが、コントの方がメインとは知らず、決勝進出の一報には驚いた。コントの方も、彼らの持ち味であるパワーが存分に活かされた破壊力のあるネタだった。抽選でトップバッターを引いたとき、他のファイナリスト達から迷惑がられたというが、彼らの不安は見事的中し、今大会最も場を荒らした組となった。尻と大声に振り切った1本目の「料亭」も最高だったが、下ネタで引っ張ると思わせて犯人の暴走を本筋にした2本目の、可笑しさと不気味さの塩梅がたまらなく好みだった。「料亭」で裸謝罪したあの人と同一人物だと考えると、投げっぱなしにされた謎にも妙な説得力があって可笑しい。

 

youtu.be

 

次いで印象的だったのは隣人の「猿落語」、ニッ社1本目の「空港へ行け」、や団の「演劇の稽古」...というか灰皿。チンパンジーはやっぱり一番の衝撃で、しばらく頭から離れなかった。復刻配信された初おろしのライブも観た。続編の2本目が叶わなかったのが惜しいし、どうにかして観たいのだが現場に行くしかない?

 

youtu.be

 

ニッ社もチンパンジーくらい出オチ感があるが、辻がナイフを出したときの瞬間最大風速がとんでもなくて腹が捩れた。男性ブランコの音符でもむせるほど笑ったし、インパクトのある展開で世界をひっくり返すような笑いがいくつになっても好きなのかもしれない。でんじゃらすじーさん的な世界観。

 

youtu.be

 

話題の灰皿。前日の調整で中嶋さんが灰皿を落としてしまい、軽く灰皿イップスに入ってしまったエピソードを知ってから見返すとより面白い。ちょっと触っちゃってるという。奇跡の眼鏡落下の方にばかり気を取られて全く気付かなかった。

 

www.youtube.com

 

そして優勝という魚を手にしたのはサルゴリラ。ネタはもちろん面白かったが、それ以上に人柄が好きになりそう。KOCの前週と翌週、翌々週に放送された「パンサー向井の#ふらっと」に出演されていたが、赤羽さんも児玉さんも声がラジオ向きで、話も面白く、かつ穏やかでどこか抜けている感じが魅力的だった。各メディアで鉄板ネタとなっている「喧嘩は小学生の頃に1度切り」「決勝当日のスケジュールはしゃぶしゃぶ食べ放題→ショッピング→サウナ→KOC」といった仲良しエピソードも微笑ましい。幼稚園から40年近く一緒にいるのに飽きずにいられるって凄いし、ましてや男性同士でそんなことができるだなんて希望だなと思ったり。彼らの人となりを十分に知らないが、少なくともここ数週間ウォッチしてきたところからは、あまりトキシックな面が見られなくてホッとした。どうか二人のレギュラー番組ができますように。あと各所でアピールしていたメトロンズの公演も機会があったらいきたいなー。

 

そして間もなくM-1グランプリの季節だ。3回戦、準々決勝が立て続けに終わり、いよいよ明日準決勝進出者が決定する。今年はシンクロニシティ、ハイツ友の会、ななまがり、十九人、ママタルト辺りが決勝進出できたら嬉しいな~。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

youtu.be

youtu.be

 

十九人、あまりの衝撃でYouTubeの漫才を一気見してしまった。奇天烈すぎる。

 

youtu.be

 

とおくから文フリ

11日(土)に文学フリマ東京が開催された。東京とおさらばしてしまったため現地に行くことはできなかったが、楽しみにしていたサークルの新刊を通販で購入した。

 

3号ともサイズも紙質もバラバラでかわいい

 

bsk00kw20-kohei.hatenablog.com

 

bsk00kw20-kohei.hatenablog.com

 

はてなブログを熱心にやらなくなって久しいが、そんな中でも必ず定期的に覗いているブログのひとつが原航平さんの「縞馬は青い」。「雑誌をつくりました」という興味深いエントリを目にした日から、いつか手に取ってみたいと思っていた。ら、その前に東京から離れてしまった。次こそ買うぞと意気込んでいたところ、新刊に「背筋」の名を目にし即決。早速読みました。たった4ページなのに厭~~~~~~ッッ。ちょうど「祓除」の配信を見たばかりだったため、背筋汁浴びまくりの最高の休日となった。

 

第2号「やさしいともだち」に収録されたスカート澤部さん×ダウ90000蓮見さんの「雑談」も一気に読了。リード文に「普段のインタビューでは自分たちの欲が後回しになってしまうから、ここでは無邪気に雑談がしたい」といった旨の思いが綴られており、いきなりカヌレを食べる場面からはじまって、さっそく元が取れたなあと思った。おふたりがリラックスしている様子が誌面から伝わってきてありがたい。その他のラインナップも、ゆっきゅんや今泉力哉、大前粟生、曾我部恵一、「つかみー1グランプリ」の優勝者忘れる。など、私の興味に近いひとが多い。よき出会いもたくさんありそうだ。ゆっくり大切に読みたい。

 

 

 

大好きなてぱとら委員会の新刊ももちろん確保。昨年5月の文フリで「〈悪女〉のすすめ」を購入し、「悪女もの」とフェミニズムの交わりに新鮮さと納得感を覚えながら、浜場さんの力作「第七王女の都市計画」を読み耽った夜からもう1年半経つと思うと、月日の流れって早すぎやしねえか。今回はいつもの3倍近い分厚さで、14名ものオタクたちの思いがぎゅうぎゅうに詰め込まれている。てぱとら座談会のおたくなので、早まって恒例の座談会だけさっと読んでしまった。

 

thepatra-committee.com

 

thepatra-committee.com