零れ落ちる前に。

その時々感じたことを、零れ落ちる前に。

BEYOOOOONDSオーデ組が「アイドル」を選んでくれたことに感謝して生きていきたい。

ハロプロ発のアイドル、BEYOOOOONDSが先ほどレコード大賞最優秀新人賞を獲得した。デビュー前から気になりはじめ、メジャーデビュー、シングルWeekly1位獲得、たった3ヶ月での初アルバム発売、初単独ライブ、サンリオピューロランドでのライブ、そしてレコード大賞・・・。デビュー前の動きが遅かった分、次から次へと嬉しいニュースが飛び込んできた2019年下半期。この大躍進のひとつのゴールとして、今日のレコード大賞には感激せざるを得ない。年甲斐もなくテレビの前で泣いてしまった。

 

mdpr.jp

 

受賞が発表された瞬間の高瀬くるみちゃん、里吉うたのちゃんの涙。山崎夢羽ちゃんの喜びを噛み締めるような凛々しい表情。一岡伶奈ちゃんの堂々とした表彰。12人皆、思い思いに受賞の喜びを味わっていた。しかし、彼女らの目には「ここがゴール!」とは映っておらず、この先の未来を見据えていた。強いな、と思った。彼女らなら来年以降もどんどん躍進し、ハイペースで私たちオタクを喜ばせてくれると確信した。楽しみでしかない。応援できるのが楽しい。

 

 

BEYOOOOONDS、というかハロプロは基本的に箱推しなんだけど、強いて言えば最近はオーデ組に注目している。オーデ組とは、2018年上期に行われた「"ONLY YOU"オーディション」で合格した平井美葉、小林萌花、里吉うたのら3名のことを指す。そのまま「ONLY YOU組」とも呼ばれる。当時はまだ「BEYOOOOONDS」というグループ名はなく、「一岡伶奈がリーダーを務める新グループ」「高瀬くるみ・清野桃々姫の在籍する新セクションのグループ」と仮で呼ばれていた頃だ。3名の加入と同時期に、今の名前が決まった。

 

helloproject-onlyyouaudition.com

 

3名は加入当時17~18歳。高校3年生が2人、大学1年生が1人と、比較的高齢での合格である。高校生と大学生なんて進路によって大きく人生が変わる重要な時期だ。数多ある道の中で、彼女らは「アイドル」の道を選択した。「人生を変える大きなチャレンジ」として。

 


BEYOOOOONDS 第1章 vol.4

 

オーディション時の映像を見ると、人生の大きな選択に挑む彼女らの覚悟がひしひしと伝わってくる。3次審査、ダンスレッスン、ヴォイスレッスンを乗り越えての合否発表。特にダンスレッスンで、みつばきまき先生の厳しい指導を受け、実力の足りなさに悔しがる3人の強さにグッとくる。涙ながらに足りなさを悔い、それでも絶対受かりたい、夢を叶えたいと食らいつく。それができたからこそ、厳しいオーディションを勝ち抜くことができた。夢へ注ぐ情熱、強いエネルギー。もちろん内面の葛藤を全て知る由はないが、この映像だけでも、その熱に強く惹かれる。

 

オーディション後に撮られた3人のコメントで、里吉は「中学生の頃から私の心の一部だったハロプロなので絶対に受かりたい」、小林は「未来の自分のために頑張った1日だった」、平井は「人生賭ける域で本気」とそれぞれ述べ、強い思いを結果に託した。そして合格した。夢に対する覚悟が彼女らの未来を動かしたのだ。この映像を見ながら、選んでくれてありがとうと、心から感謝した。現在の活躍ぶりと照らし合わせると感謝が止まらない。後述するが、単独ライブを見に行ってより一層感じた。

 

 

さて、改めて3人のことを紹介しよう。

 

 

2000年生まれの19歳、"うーたん"こと里吉うたのは、王道のアイドル色が強いキュートな声と特技のダンスを武器とする。ぶりっ子的な声って最近のハロプロにはあまり無く、グループ内で最も特徴的な声といってもいい。そしてその声からは想像できないようなダイナミックでクールなダンスを踊るギャップも素敵だ。

また、先ほどのオーディション映像や今夜のレコード大賞、はたまた毎回のサプライズ発表時に必ず涙する「泣き虫」なのもまた可愛い。先日レコ大新人賞が発表された際の動画では泣かなかった代わりに「去年まで普通の高校生してたのに、気付いたらこんなことになってて凄い嬉しい」というエモいコメントを残していた。そんな純粋な人間性にも惹かれる。

 

ブログの文章にもいつも癒される。「がんばろうーたん」「ありがとうーたん」といかにも彼女が言いそうな持ちネタにふふっと笑みがこぼれる。彼女の妹属性はアロマよりもヒーリング効果が高い。あとタキシードサムくんガチ勢なところも良し。もはやサンリオ所属。

 

ameblo.jp

ameblo.jp

てかサンリオライブ前のブログは全員面白かった。グッズ化感謝

 

 

 

里吉と同年代の"ほのぴ"こと小林萌花。彼女は現役音大生でピアノが抜群に上手いため、楽曲中でもその実力をどんどん発揮している異色のアイドルである。これほどまで「特技:ピアノ」を活かせている人は他にいないんじゃないかと思う。

 

 

「アツイ!」のレコーディング、他のスタジオミュージシャン達と同列に並べられているのが素人目にも凄すぎる。イントロのTAKE重ねに細かいこだわりを持っていることがわかるし、自身の音楽性に強固なプライドがあるところがまぎれもなくプロだ。他のメンバーから「いつ練習してるんだろう?と思う」と言われる点から、陰でたくさん努力を重ねていることが伝わる。しかしその大変さを少しも表に出さない。逞しい人だなと思う。

 

ていうかピアノだけでも凄いのに、ダンスも歌も初心者と思えないほどグイグイ上手くなっているんですよ。あんなに大変なスケジュールの中、よくそんなにも自分を高められるなと、尊敬が止まらない。声質は「歌のお姉さん」感のある地声を活かしたおしとやかな印象だ。

 

そんなストイックな人なのに、キャラクターはほんわかとしているというのもまたギャップ萌え。やさしさが顔立ちから滲み出ていますよね。それでもってサバサバしている面も。まだまだ底が見えないほのぴには、追いかけてみたいと思わせる力がある。

 

 

 

平井美葉は2人より1つ年上で、先日20歳になったばかり。”みよ”と呼ばれることが多い。他2人の写真と比較してわかるように、クールなショートヘアで男性的な魅力も持ち合わせている。クラシックバレエを10年以上やっていたり、宝塚が好きで一度オーディションを受けた経験があるなど、表現者としてのポテンシャルが高い。

 

力強いダンスはもちろん、私は彼女の歌声に魅力を感じた。低音域がしっかりしており、宝塚的なパワフルな歌い方は、OGのモーニング娘。高橋愛さんを彷彿させるが現役には類を見ない。BEYOOOOONDSの演劇チックな世界を表現するのに欠かせない存在である。

しかし、普段の喋りを見ると、声が小さく赤ちゃんのような喋り方をする。これにやられる人は多いのではないだろうか。先日のサンリオ特集で「けろけろけろっぴ」と発音した時、脳天を撃ち抜かれるような衝撃を受けた。みよみよみよっぴ・・・。

 

 

また、グループ内部や他グループのハロメンから非常にモテる。あらゆる先輩からデートに誘われてるし、こぶしファクトリー和田桜子なんかは「こんなに誰かを好きになったのは初めて。だけど好きすぎて逆に近づけない」*1と言わしめるほどウケが良い。外面のカッコ良さだけじゃなく、内面の人の良さから皆が惹かれるんだろうなと、ハロメン達のブログを読んでいると伝わってくる。

 

 

こんな個性バラバラ、魅力いっぱいの3人が、遺憾なく才能を発揮した瞬間が、先日の単独ライブ「LIVE BEYOOOOOND1St」の際にあった。1st Albumに収録された「We Need a Name!」という3人の魅力をたっぷり詰め込んだおもちゃ箱のような曲。音源を聴いた時点でも今年一番の感動を覚えたのだが、ライブでのパフォーマンスを見た時、「あ、これは全力で推すしかないわ」と覚悟した。

 

一岡伶奈率いる「CHIKA#TETSU」、高瀬くるみ率いる「雨ノ森 川海」と違い、グループ名が与えられてこなかった3人。そのため、メジャーデビュー以後も「オーデ組」や「ONLY YOU組」という仮の名称でしか括れなかった。その背景を逆手にとり、彼女達の「名前が欲しい!」という心情を前面に押し出した楽曲が「We Need a Name!」である。「BEYOOOOONDSになれた日もデビューした8月も泣けちゃうくらいほんと大切な宝物」というあまりにも直球な歌詞を、本人に歌わせるエモさ。この曲を聴いた時、逆に「名前がこのまま無くても美味しいのではないか?」と思うくらい衝撃を受けた。

 

「名前を与えられていない」=「大切にされていない」と一見勘違いされそうなのが、星部ショウさんの詞曲によってガラリと転換。非常に愛されている3人だなと思ったし、これからもどんどんこの曲を歌ってほしい。続編もすぐにでも聞きたい。

 

話が脱線していたので軌道を戻そう。ライブでの一幕である。中盤雨ノ森 川海のコーナーが始まった時点で、オーデ組のコーナーもあると確信し、その時を待った。この日のライブで楽曲初披露ということで、本人らは絶対緊張していたと思う。だが、その緊張を感じさせないほど伸び伸びと踊り、歌い、ふざけ、ステージを駆け回った。

℃-uteの「夢幻クライマックス」に乗せてピアノ×ダンスの幻想的なステージを披露したと思えば、自作(?)のラップに乗せて名前が無いことを皮肉り、途中でほのぴが「うるさい!」と拗ねる茶番劇を挟む。特に茶番劇、脚本と3人のキャラクターがガチっとハマって最高に笑った。グランドピアノに隠れて拗ねるほのぴ、ごめん~と謝るみよ、「ここからしばらく茶番です」と急にナレ役になり爆笑を掻っ攫ううーたん。茶番の最後にアップでうつるほのぴの拗ね顔→満面の笑みは最上の癒しだ。

 

そんなハッピーな流れがあってからの「We Need a Name!」。ピアノを弾くほのぴと背中合わせでゆったりノるうーたん、ほのぴに向かい合ってしっとり歌うみよ。この瞬間の構図を、彼女らのアイドル人生に終わりが来る日までずっと目に焼き付けておきたいと心から思った。それくらい美しかった。何度も述べた感謝は、この瞬間に強く感じたものだ。

アンジェラ・アキばりに弾き語りをするほのぴと、「名前が欲しいのよ」「We Need a Name」と手作りで描かれた板を持ちながら歌うみよ、うーたん。キュートな高音域、綺麗な中音域、クールな低音域と3人のユニゾンもバランスがよく、1回聞いただけで誰がどこを歌っているのか判別できるのも、キャラが立っていて素敵。ユニットとしての完成度も既に高いなと思った。ステージに気持ちを注ぎながら、この光景をずっと見ていたいと本気で思った。

 

 

 

f:id:exloyks:20191230221824p:plain

 

 

このライブの翌日、12月3日。オーデ組の3人は加入お披露目から1周年を迎えた。オーディションで示した覚悟は、ステージを重ねるにつれて自信となり、どんどん夢を叶えていく中で強さになっていった。

 

今日のレコード大賞で、他の9人と一心同体となり、堂々とパフォーマンスをする姿は再び鮮烈に目に焼き付いた。下積みの長い研修生出身の9人の中に入るのは大変だったに違いない。だがこの1年間でこんなにも成長し、グループに欠かせない存在となった。その変化を実現したのは、彼女らの日々の努力に他ならない。

 

里吉うたの、小林萌花、平井美葉。この3人が「アイドル」の道を選んでくれたことに感謝し、今後の更なる躍進を願って、全力で応援していきたい。

 

 

 


BEYOOOOONDS 第1章 vol.5

 

entamenext.com

 

クイック・ジャパン146

クイック・ジャパン146

  • 作者:BEYOOOOONDS
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2019/10/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

 

 

【関連記事】

 

exloyks.hatenablog.com


exloyks.hatenablog.com

 

 

 

 

*1:2019年10月01日放送『南波一海のアイドル三十六房 特別編 ~こぶしファクトリー2ndアルバム「辛夷第二幕」リリース記念、たっぷりトーク90分スペシャル!~』にて。ただまあ、桜子ちゃんがヤバいだけかもしれない。